問題文を読み、アイデアを出し、ポジションを決める。ここまでができるようになると、次に効いてくるのが「どのアイデアをメインに据えるか」と「それをどう支えるか」です。6.0以上を目指す段階では、この2つがスコアを分けます。
あわせて、プランニングにどれだけ時間をかけられるのかを、感覚ではなく計算で把握しておきましょう。自分の書くスピードが分かれば、プランニングに使える上限が自動的に決まります。
プランニングの解説は、レベルごとに3本に分けています。この記事は中級にあたります。プランニングとは何かという基本は初級の記事で解説しています。
初級
プランニングの基本
上級
プランニングの応用:フロー設計と二段階の進め方
01プランニングの7ステップと自分の現在地
プランニングに含まれる作業は、次の7つです。バッジは、そのステップがどのスコア帯から必要になるかを示しています。
-
1
問題文(タスク)を正しく理解する
必須
-
2
アイデアを書き出す(ブレーンストーミング)
必須
-
3
ポジションを決定する
必須
-
4
メインアイデアを決定する
6.0以上必須
-
5
サポートアイデアを考える
6.0以上必須
-
6
各ボディの流れをイメージする
7.0以上必須
-
7
エッセイ全体の流れをイメージする
7.0以上必須
5.0〜5.5を目指す方は1〜3に集中すれば十分です。6.0〜6.5を目指すなら、4と5をプランニングの段階で終わらせておく必要があります。7.0以上を狙う場合は6と7まで含めます。
この記事ではステップ4と5を扱います。1〜3は初級の記事、6と7は上級の記事で解説しています。
02メインアイデアを決定する
ポジションが決まったら、次はメインアイデアを選びます。エッセイライティングでは、通常2つのボディパラグラフを書くことになりますので、最低でも2つのメインアイデアが必要です。
ブレーンストーミングで出したアイデアの中から、最も強力で説得力のあるものを2つ選びましょう。選ぶ基準は以下の通りです。
メインアイデアの選び方
- タスクへの直接の回答になっている
- 具体例や理由で説明できる
- 各々のアイデアが重複していない
- 自分の語彙力で説明できる
例えば、先ほどの「大学教育は無料であるべきか」という問題で賛成の立場を取るなら、「貧しい家庭の人が大学に行けないのは不公平(教育機会の平等)」と「社会全体の教育レベルが上がる(社会全体の利益)」を2つのメインアイデアを選ぶとよいでしょう。この2つは明確に異なるポイントであり、それぞれ説明を展開できます。
03サポートアイデアを考える
メインアイデアを決めたら、それぞれを支える具体的な理由や例(サポートアイデア)を考えます。サポートアイデアは、メインアイデアを説得力のあるものにするための重要な要素です。
具体的には、以下のようなサポートを用意します。
サポートアイデアの種類
- 現状: 現在の状況を説明する
- 根拠: なぜメインアイデアのような主張をするのか
- 説明: メインアイデアをより詳しく説明する
- 具体例: 実例、個人的な経験など
- 影響: そのメインアイデアがもたらす影響
先ほどの例で考えてみましょう。
サポートアイデアの例(メインアイデア1:教育機会の平等)
- 根拠: 貧しい家庭の学生も大学に行ける
- 例: ドイツでは大学が無料で、誰でも大学教育を受けられるようになった
- 結果: 才能のある学生が経済的理由で夢を諦めなくて済むようになった
サポートアイデアの例(メインアイデア2:社会全体の利益)
- 根拠: 教育を受けた人材が増えると社会の教育レベルが向上する
- 説明: 高度な知識を持つ人が増えれば、イノベーションが生まれやすくなる
- 影響: 社会全体の発展につながり、より豊かな社会が実現できる
このように、メインアイデアごとに2〜3個のサポートを用意しておくと、ボディパラグラフを書く際にスムーズに展開できます。すべての種類のサポートを必ず含める必要はありません。メインアイデアの性質に応じて、最も効果的なサポートを選びましょう。
04プランニングにかけられる時間を逆算する
次は、プランニングにかける時間について考えてみましょう。
プランニングにかける時間もまた、目指すスコアによって異なります。まだ書くことにまだ十分に慣れていない方は、プランニングに十分な時間をかけることはできません。一方で、書くことにある程度慣れている方は、プランニングに多く時間をかけることができます。
プラスワンポイントの受講生の多くは、プランニングに5〜10分の時間をかけています。一般的には、目標スコアが5.5までの方であればプランニングにかける時間は5〜6分、目標スコアが6.0以上の方であればプランニングにかける時間は5〜10分が目安となるでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、超ハイスコアを狙うような方の中にはプランニングに15〜20分ほどかける人もいます。後述の通り、プランニングにかける時間は、自分が書くスピードに合わせて調整する必要があります。
プランニングにかける時間の目安
- 目標スコア5.5まで → 5〜6分
- 目標スコア6.0以上 → 5〜10分
- 超上級者 → 10〜20分
最大のプランニング時間を知る
自分がかけることができる最大のプランニング時間を知る簡単な方法を紹介します。
最大のプランニング時間を知るためには、以下の2つのことを知る必要があります。
最大のプランニング時間を知るために必要なこと
- 自分が書くスピード(1分間に書ける語数)
- 自分が目指すエッセイの語数
自分が書くスピード(1分間に書ける語数)
エッセイを書くスピードを測定する最も簡単な方法は実際にエッセイを書いてみるのも一つの方法です。ただし、この方法ではあまり正確に測定をすることができません。なぜなら、プランニングができていない状態でエッセイを書くスピードと、プランニングができている状態でエッセイを書くスピードは全く異なるからです。
私たちが今知りたいのは、プランニングができている状態でエッセイを書くスピードです。すなわち、書く内容が日本語でほぼ決まっていて、「あとは英語にするだけの状態」というところから、センテンスを作るのにどのくらいの時間がかかるかを知りたいのです。
タイマーを用意していただき、時間を測りながらこの2つの例文を英語にしてみてください。
練習用例文
例文1:最近、ますます多くの人がインターネットで買い物をするようになっています。
例文2:オンラインでの買い物はクレジットカードの情報漏洩の危険を伴います。
それぞれの英文を書くのにかかった時間を記録しておいてください。
練習用例文(解答例)
例文1:Recently, an increasing number of people have started to shop on the Internet.
例文2:Online shopping carries the risk of credit card information leakage.
多少の文法ミスなどは個々では無視していただいて結構です。おおよそ、このような英文になったかと思います。1分程度で書けた方が多いのではないでしょうか。上級者であればそれぞれ30秒程度で書けたかもしれません。
次に、自分の書いたセンテンスの語数をカウントしてみましょう。上記の例文であれば、例文1は13語、例文2は10語です。ほとんどの方がこのくらいの語数になったと思います。
皆さんはいま、約10〜15語のワードを書くのにかかる平均的な時間を知ったことになります。実際にはこれよりも難しいセンテンスも出てきますので、1.2倍くらいの時間を想定しておくほうがいいですので、10語書くのに45秒かかった人は「45秒 x 1.2 = 54秒」という計算にしておきましょう。
10語あたりにかかる時間をまずは把握しておきましょう。
自分が目指すエッセイの語数
みなさんがエッセイを書く際、「目指す語数」を意識していますか?IELTSのライティング・タスク2では、「250語以上」という指定はあるものの、何語書けばいいという明確なルールはありません。ただ、「語数が多くなる=時間がかかる(ミスも多くなる)」という大原則があるため、まずは「260-270語」を目指すようにしてみましょう。
では、270語のエッセイを書くのにかかる時間を計算してみましょう。先程計測していただいた「10語あたりにかかる時間」を、ここでは仮に1分として計算してみます。
270語のエッセイを書くのにかかる時間
- 10語あたりにかかる時間:1分
- 270語のエッセイを書くのにかかる時間:1分 × 27 = 27分
この27分が、エッセイを書くために必要な時間です。
一方で、エッセイ全体にかけられる時間は40分と決まっていますので(厳密にはタスク1の時間を削ってその分を充当することも可能)、差し引きしたものが「プランニングにかけられる最大の時間」となります。つまり、上記の例であれば、プランニングにかけられる最大の時間は13分となります。
関連記事
IELTSライティング時間配分〜タスク1とタスク2のバランス〜
05300語以上のエッセイは不利
語数を多く書けば、それだけ英語力もアイデアも見せられるので有利になる。そう考えている方は少なくありません。しかし実際には、300語以上のエッセイはスコアアップにつながるどころか、逆にスコアを下げる可能性すらあります。理由は大きく3つです。
1. 時間がかかる
規定の語数よりはるかに多く書くわけですから、時間もそれだけかかります。プランニングにかける時間が短くなるのはもちろん、エッセイの内容をじっくり考える時間も削られます。300語以上書いている方は、30語でも40語でも減らすことで、細かな文法ミスや語彙選択ミスを修正する時間に当てられるかもしれません。
2. ミスの数が増える
目標スコア6.5以上になると、文法や語彙の正確性が大切になってきます。たくさん書くということは、それだけ文法ミスや語彙ミスの確率が上がることを意味します。
3. 繰り返しや逸脱が増える
意外と盲点になるのが、繰り返しや逸脱が増えるということです。エッセイが長くなると、なるべく詳しく説明したいと思うあまり、同じことを繰り返したり、トピックやメインアイデアから逸脱した議論に発展させてしまうことがあります。
300語以上書いているのになかなかスコアが良くならないという方は、このトラップにはまっている可能性があります。まずはプランニングをしっかり行い、何を書くかを最初に決めておくことで、行き当たりばったりで議論を広げすぎてしまうことを防げます。もちろん、超上級者は本当に必要で300語以上の議論をすることもありますが、最初からそれを真似すると上記のトラップに陥る可能性があることを覚えておきましょう。
06よくある質問
メインアイデアはいくつ必要ですか。
通常はボディ段落が2つなので、最低でも2つ必要です。各段落に2つずつ置く構成もありますが、増やすほど一つひとつの説明が浅くなります。多くても3つまでにとどめてください。
メインアイデアはどう選べばよいですか。
タスクへの直接の回答になっていること、具体例や理由で説明できること、ほかのアイデアと重複していないこと、自分の語彙力で説明できることの4点で選びます。思いついた順ではなく、この基準で選び直してください。
2つのメインアイデアが似ているかどうかは、どう判断しますか。
それぞれを一文にして並べてみてください。片方をもう片方の言い換えとして説明できてしまうなら、実質的に同じアイデアです。「経済的に得だから」と「お金が節約できるから」は同じアイデアです。
サポートアイデアには何を書けばよいですか。
現状・根拠・説明・具体例・影響の5種類があります。すべてを含める必要はありません。メインアイデアごとに2〜3個を用意すれば、ボディ段落をスムーズに展開できます。
具体例が思いつかないときはどうすればよいですか。
実例が出てこない場合は、根拠や影響で代用できます。IELTSは自分の知識と経験に基づいて書く試験なので、統計や出典の正確さは求められていません。ただし、一般論として成り立つ内容にとどめてください。
プランニングにかけられる時間は、どう計算しますか。
10語を書くのにかかる時間を測り、目標語数(260〜270語)に掛けて執筆時間を出します。タスク2に使える40分からその時間を引いた残りが、プランニングにかけられる上限です。10語1分なら270語で27分、プランニングは最大13分という計算になります。
目標語数は何語にすべきですか。
260〜270語を目安にしてください。250語以上という指定はありますが、それ以上に明確なルールはありません。語数が増えるほど時間がかかり、ミスも増えます。
07まとめ
中級で押さえるのは、メインアイデアとサポートの組み立て、そして時間の逆算です。
- メインアイデアは4つの基準で選び直す(タスクへの回答/説明可能/重複なし/語彙力の範囲)
- 2つのメインアイデアが言い換えになっていないかを確認する
- メインアイデアごとにサポートを2〜3個用意する
- 10語あたりの執筆時間から、プランニングに使える上限を計算する
- 目標語数は260〜270語。300語以上は不利になりやすい
ここまでが安定してきたら、上級の記事でボディと全体のフロー設計、そして二段階プランニングに進みましょう。
初級
プランニングの基本
上級
プランニングの応用:フロー設計と二段階の進め方