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リスニング

IELTSリスニング地図問題の位置関係表現:前置詞と方向のフレーズで迷わない整理

執筆:高橋 響 公開日:

IELTSリスニングの地図・見取り図問題は、単語が聞き取れているのに正解できないという相談が特に多い設問タイプです。原因の多くは語彙力や集中力ではなく、位置関係を表す表現を整理できていないことにあります。next to、opposite、pastのような表現は単体では知っていても、音声で連続して出てきたときにリアルタイムで頭の中の地図上に位置を追っていく作業には、事前の整理が欠かせません。

この記事では、地図問題で使われる位置関係表現をカテゴリ別に整理し、音声の展開パターンと合わせて解き方を整理します。

01地図問題で問われていること

地図・見取り図問題は、建物のフロアマップ、公園や施設の敷地図、街の地図などが示され、音声で説明される場所や物の位置を、図の中のアルファベットや空欄に書き込む設問です。主にPart2の施設案内や、地域・建物についての説明で出題されます。

この設問タイプで問われているのは、単語の聞き取りそのものではなく、音声で説明される位置関係を図の上でリアルタイムに追跡できるかどうかです。聞こえた単語をそのまま書けばよいわけではなく、位置関係を表す表現を正しく理解して初めて、図中のどの記号を指しているかが特定できます。

登場する語彙自体は基礎的なものがほとんどで、難しい専門用語はまず出てきません。それでも失点しやすいのは、複数の位置関係表現が連続して使われる音声を、聞きながら地図上に反映していく処理が要求されるためです。

02音声の前に地図をどう読んでおくか

音声が始まる前の数十秒で図の全体像を把握しておくことが、この設問タイプの土台になります。下読みで確認しておきたい点は次のとおりです。

  • 出発点・現在地がどこに示されているか(entrance、starting pointなど)
  • 方角の表示(コンパスの記号があれば、どちらが北か)
  • 図の中で目立つランドマーク(建物名、通りの名前など)の位置
  • 選択肢として与えられているアルファベットや番号の配置

図の全体像を先に頭に入れておくと、音声中に位置関係の説明を聞いたときに、地図のどのあたりの話をしているかを素早く追えるようになります。下読みの時間が短いパートでは、すべての建物名を覚えようとせず、選択肢のアルファベットが集まっている一角から優先的に確認すると、限られた時間で効果が出やすくなります。

03位置関係表現をカテゴリ別に整理する

位置関係表現は、単語ごとに覚えるより、意味のカテゴリでまとめておくほうが音声の中で判断しやすくなります。

隣接・近接を表す表現

next to、beside、adjacent to、close to、nearは、いずれも「すぐそば」を表します。adjacent toは比較的フォーマルな表現で、「〜に隣接して」という意味です。

対面・向かいを表す表現

opposite、facing、across fromは、ある地点を挟んで反対側にあることを表します。opposite the entranceのように、基準となる地点とセットで使われるのが基本の形です。

方向・移動を表す表現

turn left、turn right、go straight ahead、head towards、carry on untilは、話し手が案内役として移動しながら説明するパターンで多用されます。turn left at the cornerのように動作の起点(at the corner)とセットで使われることが多く、起点を聞き逃すと、どこで曲がる指示なのかが分からなくなります。

経路・通過を表す表現

past、along、throughは、ある地点を通り過ぎる、あるいはそこを経由して進むという経路を表します。go past the library, then it's on your rightのように複数の表現が連続して使われることが多く、通過点として言及された場所と最終的な目的地を混同しないよう注意が必要です。

基準点から位置を特定する表現

between A and B、in the middle of、at the end of、on the corner of、on the far sideは、すでに分かっている地点を手がかりに、対象の位置を絞り込む表現です。a short walk fromのように距離や所要時間で示す言い方も、同じ働きをします。between the cafe and the libraryのように基準点が2つ登場する場合、両方を正しく聞き取れて初めて位置が一つに絞れます。

5つのカテゴリを表にまとめておきます。

カテゴリ 代表的な表現 使われる場面
隣接・近接 next to / beside / adjacent to 2つの対象がすぐそばにあることを示す
対面・向かい opposite / facing / across from 基準地点を挟んで反対側にあることを示す
方向・移動 turn left / go straight ahead / head towards 話者が案内役として移動しながら説明する
経路・通過 past / along / through ある地点を通過して進む経路を示す
位置・地点の特定 between A and B / at the end of / on the corner of 分かっている地点を手がかりに位置を絞り込む

同じ位置関係でも、隣接を表すnext toと対面を表すoppositeのように、意味が正反対になる組み合わせがあります。カテゴリを意識して整理しておくと、こうした対になる表現を混同しにくくなります。

04音声の展開パターンを知る

地図問題の音声には、大きく2つの展開パターンがあります。どちらのパターンかを早い段階で見極めておくと、位置関係表現の追い方が変わります。

ツアー型:話者の視点が移動する

案内役が実際に歩きながら説明するパターンです。話し手の視点、つまり現在地が刻一刻と移動していくため、直前の説明が次の説明の起点になります。

OK, so from the entrance, if you go straight ahead, you'll pass the gift shop on your left.

Once you reach the end of that corridor, turn right, and the exhibition hall is the second door on your right.

1つ前の文で示された地点(the end of that corridor)が、次の文の起点として使われています。話の途中で聞き逃すと、その後の位置関係もすべて追えなくなるため、話者の現在地を常に地図上で追い続ける必要があります。

固定視点型:基準点が動かない

固定された地点から複数の対象物を順番に説明するパターンです。

The reception desk is at the front of the building, and the meeting room is right next to it.

The cafe is opposite the reception, and the staff room is just past the cafe, on the same side of the corridor.

こちらは話者自身の移動を追う必要はありませんが、next to itのitが何を指しているか、on the same side of the corridorがどちらの側を指しているかなど、代名詞や指示語が前の文のどの地点を受けているかを都度確認する必要があります。基準点が入れ替わりながら説明が進む場合、直前の1文だけでなく、それより前に出てきた地点との関係も見失わないようにします。

05訂正・言い直しのサインを聞き逃さない

地図問題でも、リスニング全般で見られる訂正パターンが登場します。位置関係の説明そのものが訂正されるケースで、next toとoppositeのように意味が反転する表現の組み合わせでは、訂正前の情報のまま書き込んでしまう失点が起きやすくなります。

It's next to the gym.この時点で聞こえた位置をそのまま書き込んでしまう

Sorry, actually it's opposite the gym.訂正後の位置が答え。訂正のサインを聞いた時点で前の情報を取り消す

訂正されるのは位置関係の語だけとは限りません。基準にしている対象そのものが言い直されるケースもあります。

The bike racks are next to the main entrance.main entranceの近くだと思い込む

No, wait, I mean the side entrance, near the car park.基準になる建物自体がside entranceに置き換わっている

この例では、位置関係を表す語(next to)は訂正されておらず、基準にしている建物(main entrance)のほうが言い直されています。訂正のサインが出たら、位置関係の語だけでなく、直前に登場した固有名詞やランドマークも訂正の対象になっていないか、あわせて確認しましょう。

訂正・言い直しのサインとなる表現には、次のようなものがあります。

  • actually / sorry, I mean...(前の発言を訂正する)
  • no, wait...(言い直しの前置き)
  • I mean...(直前の語句を別の語句に置き換える)

これらの表現が聞こえたら、直前に頭の中で置いた位置をその場で修正しましょう。訂正が入りそうな場面では、最初に聞こえた情報をすぐ確定させず、その場所についての説明がひとまとまり終わってから答えを決めると安全です。ただし、次の説明がすぐ続く音声では、書ける時点で書き込んでおかないと後の情報についていけなくなることもあります。どちらにするかは、音声の展開の速さを見て判断しましょう。

06よくある質問

地図問題ではどんな位置関係表現を整理しておけばいいですか。

隣接・近接(next to、beside)、対面・向かい(opposite、facing)、方向・移動(turn left、go straight ahead)、経路・通過(past、along)、位置・地点の特定(between A and B、at the end of)の5つのカテゴリに分けて整理しておくと、音声の中で判断しやすくなります。

音声が始まる前に地図で何を確認すればいいですか。

出発点・現在地の位置、方角の表示、目立つランドマークの位置、選択肢として与えられているアルファベットや番号の配置を先に確認しておきましょう。図の全体像を把握しておくと、音声中の位置関係の説明を追いやすくなります。

ツアー型と固定視点型はどう見分ければいいですか。

話者が歩きながら案内しているように話が展開していればツアー型で、話者の現在地が刻一刻と移動していきます。固定された場所を基準に複数の対象物が紹介されていく場合は固定視点型で、基準点は動きません。冒頭の数文を聞いた時点でどちらの型かを見極めておくと、その後の位置関係を追いやすくなります。

next toとoppositeを聞き間違えないためにはどうすればいいですか。

next toは隣接・近接を表し、oppositeは対面・向かいを表すというカテゴリの違いを整理しておくことに加え、actually、sorryのような訂正のサインが出た場合は、直前に置いた位置をすぐに修正する習慣をつけましょう。

訂正・言い直しの表現が出てきたらどうすればいいですか。

actually、sorry, I mean、no, waitのようなサインが聞こえたら、その場で直前の位置関係を修正しましょう。訂正が入りそうな場面では、最初に聞こえた情報をすぐ確定させず、その場所についての説明がひとまとまり終わってから答えを決めると安全です。

位置関係表現はどうやって練習すればいいですか。

位置関係表現を意味のカテゴリごとに整理し、next toとoppositeのように対になる表現をセットで覚えておくと効果的です。練習後は、間違えた設問が単語を聞き取れなかったからなのか、位置関係の理解を誤ったからなのかを区別して振り返ると、弱点が見えてきます。

地図・見取り図問題はリスニングのどのパートで出やすいですか。

主にPart2で出題されます。施設の案内や、地域・建物についての説明の中で図が示され、位置を特定させる形が典型的です。

位置関係表現を覚えたのに解けないのはなぜですか。

この設問タイプで問われているのは単語の聞き取りそのものではなく、音声で説明される位置関係を図の上でリアルタイムに追跡できるかどうかです。表現を覚えるだけでなく、音声を聞きながら地図上に反映していく処理まで含めて練習しておく必要があります。

07まとめ

地図・見取り図問題は、語彙力そのものよりも、位置関係表現の整理と音声の展開パターンを把握できているかどうかで得点が左右されます。

  • 位置関係表現は、隣接・対面・方向・経路・位置のカテゴリに分けて整理しておく
  • 音声を聞く前に地図の全体像(現在地・方角・目立つランドマーク)を把握しておく
  • 話者の視点が移動するツアー型か、固定された地点から説明する固定視点型かを見極める
  • actually、sorry、I meanなどの訂正サインが出たら、直前の位置関係をすぐに修正する

位置関係表現を単語単体で覚えるのではなく、対になる表現とセットで整理しておくことが、地図問題を安定して得点するための土台になります。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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