Some people believe that university students should pay all the costs of studies because university education only benefits students themselves, not society as a whole. To what extent do you agree or disagree?
賛否の対象=学生が全額(all the costs)を負担すべきかどうか一部負担という立場は、部分的に反対する立場として組み立てられる。To what extent なので、この立場がそのまま答えになる
all や only のように限定の強い語が入った主張は、当てはまらない例を示すと、そこまで言い切れるのかを疑いやすくなります。学費を一部でも公費で賄っている国があれば、全額負担が唯一の形ではないと言えますし、大学教育から利益を受けている人が学生以外にもいれば、only の部分は限定として弱くなります。この性質を利用した立場の作り方は、別の記事で扱っています。
もうひとつ、the costs of studies という言い方にも幅があります。授業料だけを指すのか、生活費や教材費まで含むのかは、この1文からは決まりません。答案の中で先に範囲を決めておくと、議論が揺れずに済みます。tuition fees and living costs のように書いてしまえば、読み手も同じ範囲で読んでくれます。
02なぜ大学の学費のテーマが繰り返し出るのか
このテーマが出続けている理由は、各国の制度がいまも動いていて、しかも答えが1つに定まっていないからです。OECDの Education at a Glance 2025 は、2023年時点の加盟国の高等教育の財源を4つの型に分類しています。授業料がほぼ無償で支援も手厚い型、授業料が高く学生支援も整っている型、授業料が中程度で支援の対象を絞る型、授業料が高いのに公的な支援が限られる型の4つです。
Many museums charge for admission while others are free. Do you think the advantages of charging people for admission outweigh the disadvantages?
利用する人以外にも利益が及ぶかどうかという論点、負担を求めたときに利用をやめる層が出るという論点
As the number of cars increases, more money has to be spent on road systems. Some people think the government should pay for this. Others, however, think that drivers should cover the costs.
受益と負担を一致させるという考え方、その考え方が働く条件
Access to clean water is a basic human right. Therefore, every home should receive a water supply free of charge. To what extent do you agree or disagree?
最初に浮かぶ議論です。ここで止まると、University graduates earn more money, so they should pay for their own education. の1文で終わります。読み手は納得しますが、それ以上の情報を受け取れません。
掘り下げるときに考えたいのは、その見返りがどれくらいで、いつ手に入るのか、という点です。OECDの集計では、大学を出た人が生涯で得る金銭的な利益は、費用と在学中に得られなかった収入を差し引いたあとでOECD平均が男性364,200米ドル、女性300,900米ドルと報告されています(Education at a Glance 2025、2022年の数字)。金額の大きさは、賛成側の主張を支えます。
この議論を一段深くするのは、実際に誰が進学しているのかというデータです。イングランドでは、親の少なくとも一方が高等教育を修了している25歳から34歳のうち76%が自分も高等教育を修了しているのに対し、親が後期中等教育を修了していない層では37%にとどまります。その差は39ポイントに達します(Education at a Glance 2025、2023年の数字)。進学の機会がもともと偏っているなら、公費で賄う制度が届く先も偏ります。
ドイツでは2006年に一部の州が年1,000ユーロを上限とする授業料を導入し、2014年までに全州で廃止しました。この期間を分析した研究は、授業料の導入が新規の在籍に最大4.5ポイントの負の影響を与えたと推計しています。同じ研究は、それ以前の分析では有意な効果が出ていなかったことにも触れています(Görgen and Schienle、2021年)。
イングランドはその代表です。学部の学生が負担する授業料は年13,135米ドルで、データのある29の国と地域の平均3,186米ドルを大きく上回ります。それでも学生の93%が所得連動型のローンを利用していて、返済は所得が基準額を超えてから始まります(Education at a Glance 2025)。学生が全額を負担しているように見える制度でも、いつ払うかは公的な仕組みが決めているわけです。
In England the fee cap rose from 9,250 pounds to 9,535 pounds in 2025 and to 9,790 pounds in 2026, and 93 per cent of students borrow through a public loan scheme, graduating with debts of over 68,000 US dollars.情報は正しいが、数字が多く、何を主張したいのかが見えない
○
Even where students are charged the full fee, the state still decides when they pay it. In England, over ninety per cent of students borrow through a public loan scheme and repay only once their income passes a set threshold.主張を述べたうえで、それを裏づける例として続けている。数字は93%の1つに絞っている
cost と fee も混ざりやすい組み合わせです。fee は特定のサービスに対して請求される額を指し、cost は費用の総額を指す広い語です。タスク文の the costs of studies には、授業料のほかに生活費や教材費も入り得ます。答案で範囲を決めておくなら、tuition fees and living costs のように並べて書けば伝わります。
このテーマで出やすい誤り
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University education benefits to society.benefit を「利益をもたらす」の意味で使うときに to は入らない
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University education benefits society. / Society benefits from university education.他動詞なら目的語を直接続ける。「利益を得る」の意味なら benefit from
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Many students cannot afford going to university.afford のうしろに動名詞は続かない
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Many students cannot afford to go to university.to不定詞で受ける。名詞なら afford the fees のように直接続けられる
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The government should subsidise to universities.subsidise は他動詞なので前置詞は要らない
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The government should subsidise universities. / The government should provide subsidies to universities.名詞の subsidies を使うときだけ to を伴う
作る手順はどの回でも同じなので、5つのステップとモデルアンサーの使い方はハブ記事にまとめています。このタスクで進めるときは、タスク検索で university costs と入力し、問題タイプを Opinion に絞ると見つかります。
このタスクで確認したいことが2つあります。1つは、入力した2つのメインアイデアのうち少なくとも1つが、because 以下の理由に触れているかどうか。両方とも学費の高さや奨学金の話になっていたら、01で見た読み違いがそのまま答案に出ています。もう1つは、立場を all the costs に対して決めているかどうか。「学生も一部は払うべきだ」で立場を作ったつもりになっていないかを見ておきましょう。
有利な側はありません。採点で見られるのは立場そのものではなく、選んだ立場を最後まで一貫して支えられているかどうかです。ただしこのタスクは all the costs と only benefits students themselves という強い言い方を含むので、全面的に賛成する立場は支えるのが難しくなります。程度で答える道が設問に用意されているので、そちらを使うと組み立てやすくなります。
意味を説明できる範囲で使うと効果があります。この語は「所得が一定の水準に達してから返済が始まるローン」という仕組みを1語で示せるので、説明の語数を節約できます。意味があいまいなまま使うと、かえって内容が伝わらなくなるので、自信がなければ repay only after their income reaches a certain level のように書き下しても構いません。