IELTSにはアカデミックとジェネラル・トレーニングの2種類があり、申し込みの時点でどちらかを選びます。4技能のうちリスニングとスピーキングは共通で、違うのはリーディングとライティングです。この記事では、2種類の違いを技能ごとに整理し、どちらを受けるかを決める基準を説明します。後半では、リーディングの必要正答数を比べながら「ジェネラルのほうが簡単なのか」も見ていきます。
01共通しているのはリスニングとスピーキング
リスニングとスピーキングは、アカデミックとジェネラルで共通です。試験時間も、リスニングが約30分、スピーキングが11分から14分で変わりません。
| 技能 | アカデミック | ジェネラル・トレーニング |
| リスニング | 共通。約30分・40問 |
| スピーキング | 共通。11分から14分・3つのパート |
| リーディング | 学術的な長文3つ | 短い実用文と長文の組み合わせ |
| ライティング・タスク1 | 図表やプロセスの説明 | 手紙 |
| ライティング・タスク2 | エッセイ(同じ形式) |
ジェネラル・トレーニングという名前から、内容がやさしい試験だと受け取られることがありますが、名前が指しているのは題材の種類です。日常生活や職場の場面を扱うという意味であって、求められる英語力の水準を表しているわけではありません。
形式のうえで大きく異なるのは、リーディングの内容とライティングのタスク1です。対策の大部分は共通しているので、途中で受験タイプが変わっても、やってきたことの多くはそのまま使えます。
02リーディングの違い
アカデミックは学術的・社会的なテーマを扱う長文が3つ、ジェネラルは日常生活や職場に関する実用的な文書から始まり、最後に長めの文章が1つという構成です。どちらも60分で40問という点は変わりません。
| アカデミック | ジェネラル・トレーニング |
| 文章の種類 | 研究や社会的な題材の長文3つ | 広告・案内・就業規則などの短い文書と、長めの文章 |
| 語彙 | 専門的な語が出る | 日常的な語が中心 |
| 設問数 | 40問・60分 |
| 6.0に必要な正答数 | 23問から25問 | 30問から31問 |
最後の行が、この2つを比べるうえで重要な数字です。文章は読みやすくても、同じスコアを出すために必要な正答数はジェネラルのほうが多くなります。なお、必要な正答数はその回の難易度によって多少前後します。
設問の形式は共通している
読む文章は違っても、設問のタイプは2種類で共通です。True・False・Not Given、Matching Headings、穴埋め、選択問題といった形式はどちらにも出ます。設問タイプごとの解き方を身につける部分は、受験タイプが変わってもそのまま使えます。
ジェネラルの前半には、募集要項や就業規則のような実務的な文書が出ます。設問で問われるのは、申込の締切日、料金に含まれるもの、対象になる人の条件といった細かい情報です。文章そのものは平易でも、こうした数字や条件を1つずつ本文と照合する作業になります。
リーディング
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03ライティングの違い
ライティングは60分で2つのタスクという構成が共通で、タスク2のエッセイも同じ形式です。違うのはタスク1です。
アカデミックのタスク1は、グラフ・表・地図・プロセスの図を150語以上で説明します。自分の意見は書かず、図が示している情報を選んで整理します。
ジェネラルのタスク1は手紙です。設問に状況と、書くべき3つの項目が箇条書きで示され、150語以上で書きます。相手との関係によって、フォーマル、セミフォーマル、インフォーマルのどれで書くかが変わります。
| アカデミック タスク1 | ジェネラル タスク1 |
| 書くもの | 図表の説明 | 手紙 |
| 語数 | 150語以上 |
| 意見 | 書かない | 依頼や提案として書く |
| 準備すること | 変化や比較を表す表現 | 書き出しと結びの定型表現、トーンの使い分け |
タスク2はどちらも同じで、250語以上のエッセイを40分で書きます。ライティングではタスク2のほうが重く評価されるため、対策の中心になる部分は2種類で共通しています。
準備することはタスクによって変わります。図表の説明では、示されたデータから主要な特徴を選び、比較しながら書く力が要ります。目についた数字を並べるだけでは足りません。手紙では、設問に書かれた状況と3つの項目に過不足なく答えること、相手に合わせたトーンを最後まで一貫させることが評価に関わります。
ライティング・タスク1
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04どちらを受けるかは提出先が決める
選ぶ基準は、自分にとってどちらが解きやすいかではありません。スコアの提出先が指定しているほうを受けます。
| 目的 | 一般的に求められるタイプ |
| 大学・大学院への進学 | アカデミック |
| 看護師など専門職の資格登録 | アカデミックが一般的 |
| 移民・就労ビザの申請 | ジェネラル・トレーニングが一般的。ただし国やビザの種類による |
| 学位未満の教育・職業訓練 | ジェネラル・トレーニング |
この対応は一般的な傾向で、実際の要件は提出先ごとに決まっています。移民や就労の目的でもアカデミックが認められる国・ビザがあり、オーストラリアはその一例です。とくに注意が要るのが、1つの手続きに2つの機関が関わる場合です。看護師として働くための手続きでは、移民の審査ではジェネラルが認められていても、資格を登録する団体はアカデミックを求めることがあります。片方だけを見て申し込むと、受け直しになります。
ビザの申請に使う場合は、IELTS for UKVI のように指定された種類の試験でなければ受け付けられないこともあります。アカデミックかジェネラルかという選択とは別の軸なので、申し込みの前に、提出先が求めている試験の名称をそのまま確認しましょう。
確認するのは4つ
| 確認するもの | どこに書かれているか |
| 試験の種類(アカデミックかジェネラルか) | 提出先の要件のページ |
| UKVI版などの指定があるか | 同上。ビザ関係では別に書かれていることが多い |
| 必要なオーバーオール | 同上 |
| 技能ごとの最低スコア | 要件の脚注や別表に入っていることがある |
4つ目が見落とされやすい項目です。オーバーオールだけを見て準備を進めると、合計は足りているのに1技能だけ条件を下回る形になります。
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05ジェネラルのほうが簡単と言えるか
ジェネラルは日常生活や職場に関する文章が多いので、アカデミックより読みやすいと感じる人はいます。ただ、その印象はスコアには直結しません。
5-1 同じスコアに必要な正答数が多い
リーディングで6.0を取るのに、アカデミックは23問から25問、ジェネラルは30問から31問が目安です。7.0ではアカデミックが30問から31問、ジェネラルが34問から35問になります。ジェネラルで7.0なら、40問のうち間違えられるのは5問から6問です。
5-2 ライティングで違うのはタスク1だけ
ライティングで2種類が分かれるのはタスク1だけで、重く評価されるタスク2は共通です。手紙のほうが図表より書きやすいと感じたとしても、ライティング対策の中心は変わりません。
さらに、移民申請では4技能それぞれに最低スコアが設定されていることがよくあります。オーバーオールだけで判断できる進学の要件とは違い、1技能でも下回ると条件を満たしません。
どちらを受けるかは提出先が決めるので、この比較で受験タイプを選ぶわけではありません。ジェネラルだから対策が軽く済む、ということはありません。
06申し込みのときに気をつけること
申し込みでは、アカデミックとジェネラルのどちらを受けるかを自分で選びます。ここを取り違えたまま進むと、試験当日まで気づかないことがあります。
- 提出先の要件に書かれている試験名を、そのまま画面の表示と照合する
- UKVI版が必要かどうかは、アカデミックかジェネラルかとは別に確認する
- 受験タイプを変更できるかどうか、変更の期限がいつまでかは申込先の規定によるので、間違いに気づいたらすぐ問い合わせる
結果は、受験した種類のスコアとして発行されます。提出先が指定した種類と違っていると、そのままでは受け付けられません。
日本国内の申込先は英検協会とJSAFの2つで、変更の規定はそれぞれで異なります。受験料や日程を調べるときに、あわせて見ておくとよいでしょう。
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07よくある質問
アカデミックとジェネラルはどこが違いますか。
リーディングの内容と、ライティングのタスク1が違います。リスニングとスピーキングは共通で、ライティングのタスク2も同じ形式です。アカデミックのタスク1は図表の説明、ジェネラルのタスク1は手紙です。
どちらを受ければよいですか。
スコアの提出先が指定しているほうです。一般に、大学・大学院への進学や看護などの専門職登録はアカデミック、移民や学位未満の教育・訓練はジェネラルであることが多いのですが、実際の要件は提出先ごとに決まっています。移民の目的でもアカデミックが認められる国・ビザがあります。
ジェネラルのほうが簡単ですか。
読みやすいと感じる人はいますが、同じスコアに必要な正答数は多くなります。リーディングの6.0はアカデミックが23問から25問、ジェネラルが30問から31問です。移民申請では、オーバーオールだけでなく技能ごとの最低スコアが指定されることもあります。
リスニングとスピーキングは2種類で同じですか。
共通です。試験時間もリスニングが約30分、スピーキングが11分から14分で変わりません。対策の大部分は2種類で共通しているので、受験タイプが変わってもやってきたことの多くは使えます。
両方を受ける必要はありますか。
通常は提出先が指定する1種類で足ります。ただし、1つの手続きに2つの機関が関わる場合は注意が必要です。看護師として働く手続きでは、移民の審査でジェネラルが認められていても、資格登録の団体がアカデミックを求めることがあります。
申し込んだあとで受験タイプを変更できますか。
変更の可否と期限は申込先の規定によります。日本国内の申込先は英検協会とJSAFの2つで、規定はそれぞれ異なります。間違いに気づいたら、できるだけ早く問い合わせましょう。
UKVI版とアカデミック・ジェネラルの関係がわかりません。
別の軸です。UKVI版はビザ申請に使える形で実施される試験で、その中にアカデミックとジェネラルの両方があります。提出先が求めている試験の名称をそのまま確認するのが確実です。
対策の教材は分ける必要がありますか。
リスニング、スピーキング、ライティングのタスク2は共通なので、同じ教材が使えます。分ける必要があるのは、リーディングとライティングのタスク1です。
08まとめ
- リスニングとスピーキングは共通。大きく異なるのはリーディングの内容とライティングのタスク1
- アカデミックのタスク1は図表の説明、ジェネラルのタスク1は手紙
- どちらを受けるかは提出先が決める。解きやすさで選ぶものではない
- 同じスコアに必要な正答数はジェネラルのほうが多い
- 移民申請では技能ごとの最低スコアが付くことが多い
- UKVI版が必要かどうかは、アカデミックかジェネラルかとは別に確認する
申し込みの前に、提出先の要件に書かれている試験の名称と必要スコアを、そのまま書き写して確認しておきましょう。試験が終わってから種類の違いに気づくと、スコアを提出できず、受け直しになります。