ライティングだけが5.5のままで、ほかの3技能は6.0から7.0のあたりにある。受験はすでに1回以上済んでいて、出願の締め切りも決まっている。この状態から次に何を変えるかは、ライティングの4つの観点のうちどれが5.5に引っ張られているかで決まります。
Task Response、Coherence and Cohesion、Lexical Resource、Grammatical Range and Accuracy のうち、いま止まっているのはどれか。5.5と6.5のあいだに何があるのかを採点基準(Band Descriptors)の記述で確かめ、答案の症状から観点に当たりを付け、観点ごとに何を変えるかまで順を追って説明します。
目次
5.5と6.5の差は、採点基準のどこに書かれているか
自分がどの観点で止まっているかを見分ける
Task Response:タスクのすべての部分に答えているか
Coherence and Cohesion:つなぎ言葉の数ではなく段落の中の流れ
Lexical Resource:語を難しくするのではなく正確に使う
Grammatical Range and Accuracy:複文の数ではなく誤りの頻度
6.5に届かないときによく起きる3つのこと
自分で確かめられるところと、確かめにくいところ
よくある質問
まとめ
01 5.5と6.5の差は、採点基準のどこに書かれているか
ライティングのスコアは、タスク1とタスク2の評価から出ます。IELTS公式は、採点ではタスク2のほうがタスク1より重く扱われるとしています。
そのタスク2は、Task Response、Coherence and Cohesion、Lexical Resource、Grammatical Range and Accuracy の4つの観点で評価されます。IELTS公式は The criteria are weighted equally and the score on the task is the average と書いていて、4つの観点は同じ重みで、そのタスクの評価は4観点の平均になります。それぞれの観点には整数のバンドが付きます。
つまり、ライティングの5.5も6.5も、複数の評価を経て出てきた数字です。4観点の評価が平均され、タスク1とタスク2が合わさった結果として出てきた数字です。1つの観点を上げたときの影響は、そのタスクの中で4分の1になります。
ここから、5.5で止まっている人にとって大事なことが出てきます。5.5のとき、4観点が横並びで5.5になっているとは限りません。たいていは6が付いている観点と、5が付いている観点が混ざっています。上げる余地が大きいのは、5が付いている側で、4つすべてを均等に上げようとする必要はありません。
6.5という記述は採点基準にありません
Band Descriptors に書かれているのは Band 9 から Band 0 までの整数の記述だけで、6.5の記述は存在しません。6.5は、観点ごとに付いた評価が平均された結果として出てくる数字です。したがって、6.5に向けてやることは、観点ごとに Band 6 と Band 7 の記述の差を確かめ、弱い観点から近づけていく作業になります。「6.5の答案の書き方」という型があるわけではありません。
観点 Band 5 の記述 Band 6 の記述 Band 7 の記述
Task Response
タスクの主要な部分への対応が不完全。メインアイデアは限定的で、十分に展開されていない
タスクの主要な部分に対応している。立場はタスクに直接関連しているが、結論が不明瞭・根拠不足・反復的になることもある
タスクの主要な部分に適切に対応し、明確で展開された立場が示されている。メインアイデアは展開され裏づけられている
Coherence and Cohesion
構成は見て取れるが完全に論理的とは限らない。文同士が滑らかにつながっていない。段落構成が不十分なこともある
全体としては明確な展開がある。つなぎ言葉の誤用・過剰使用・省略により、文の内部や文同士のつながりが不自然になることもある。段落構成が常に論理的とは限らない
段落構成が全体の一貫性を支えるように使われ、段落内のアイデアの配列も概ね論理的。指示語や代用を含む幅広い表現を柔軟に使っている
Lexical Resource
語彙は限られているが最低限は足りている。語選択の適切さに頻繁な乱れがあり、単純化や反復が目立つ
語彙の範囲がやや限られていたり語選択の精度に欠けていたりするが、意味は概ね明確。挑戦的に書けば幅は広がるが不正確さも増える
ある程度の柔軟性と精密さを可能にする語彙がある。あまり一般的でない語やイディオムを使う力も見られ、文体やコロケーションへの意識がある
Grammatical Range and Accuracy
構文の幅が限られ、やや反復的。複文を試みているが誤りが出やすい。文法の誤りが頻繁で、読み手の負担になることもある
単文と複文が混ざっているが柔軟性は限られる。複雑な構文は単文と同じ正確さでは書けていない。誤りは起こるが伝達を妨げることはめったにない
さまざまな複雑な構文をある程度の柔軟性と正確さで使っている。文法と句読点は概ねよく統制され、誤りのない文が頻繁に見られる
表の日本語は、IELTS公式サイト(ielts.org)が公開している Writing Band Descriptors(Updated May 2023)の記述を要約したものです。英文そのものと、旧版からの変更点は次の記事にまとめてあります。
ライティング・タスク2
ライティング・タスク2 採点基準表(Band Descriptors):2023年5月改訂で何が変わったのか
02 自分がどの観点で止まっているかを見分ける
答案に出ている症状から、どの観点を先に確かめるかの当たりを付けられます。下の表は、その当たりの付け方です。症状と観点が1対1で決まるわけではないので、当てはまった観点をまず確かめる、という使い方をするといいでしょう。
答案に出ている症状 まず確かめる観点 確かめ方
段落は分かれていて英語も整っているのに、内容が薄いと言われる
Task Response
各ボディのメインアイデアに、理由と具体例が付いているかを数える
タスクに2つのことが書かれているのに、片方だけで最後まで書いてしまう
Task Response
タスクの文を分解し、それぞれに対応する段落があるかを照合する
導入とボディと結論で、立場が同じかどうか自分でも自信がない
Task Response
導入の最終文と結論の第1文だけを並べて読み、同じことを言っているか見る
段落の順番を入れ替えても意味が通ってしまう
Coherence and Cohesion
各段落の第1文だけを抜き出して読み、話が進んでいるか確かめる
各段落の頭に However や Moreover は付いているが、文と文の関係は説明していない
Coherence and Cohesion
つなぎ言葉をすべて消して読み直し、意味が通らなくなる箇所を探す
同じ語が1段落に何度も出てくる
Lexical Resource
頻出語を数え、指示語や別の語で受けられる箇所がないか見る
難しい語を使ったところほど、コロケーションや前置詞を直される
Lexical Resource
直された語を辞書で引き直し、例文の型と自分の文を比べる
単文は正確なのに、複文になると主語と動詞が合わなくなる
Grammatical Range and Accuracy
複文だけを抜き出して、主語と述語を1組ずつ確かめる
三単現のs・冠詞・単複の誤りが、1段落に何度も出る
Grammatical Range and Accuracy
誤りの種類ごとに数え、答案をまたいで同じ種類が残っているか記録する
1つの症状が複数の観点にまたがることもあります。たとえば同じ語の繰り返しは Lexical Resource の記述にも Coherence and Cohesion の記述にも出てくるので、語を言い換えるだけで解決するとは限りません。表で当たりを付けたあとは、01の表にある Band 6 と Band 7 の記述に自分の答案を照らしてみるところまで進めておきましょう。
03 Task Response:タスクのすべての部分に答えているか
Task Response で5.5から6.5へ進むときに変わるのは、書く量ではなく、タスクのどこに答えているかと、立場が最後まで同じかどうかです。Band 6 の記述には「立場はタスクに直接関連しているが、結論が不明瞭・根拠不足・反復的になることもある」とあり、Band 7 では「明確で展開された立場が示されている」に変わります。差が出るのは、その立場が最後まで保たれているかどうかというところです。
タスクに書かれていることを全部拾う
プラスワンポイントに収録しているタスクから、2つのことが書かれている例を引きます。
Although countries with long average working hours are economically successful, this often has some negative social consequences. To what extent do you agree or disagree?
このタスクは、労働時間の長い国が経済的に成功しているという前半を前提として置いたうえで、それが社会に負の影響をもたらすという後半について賛否を問うています。前半はタスクが前提として示している部分で、主に答えることになるのは後半です。
✗
長時間労働が経済成長につながる仕組みを2段落かけて説明する前提の説明に紙幅を使い、社会への影響が結論の1文だけになる
○
前提は導入で1文触れ、ボディでは健康・家庭・地域とのつながりへの影響を論じる問われている後半に、答案の大半を使う
Band 5 の記述にある「タスクの主要な部分への対応が不完全」は、英語が書けていないという意味ではありません。タスクの一部だけで最後まで書いてしまった答案も、この記述に当たります。書き始める前にタスクの文を分解し、それぞれに対応する段落を決めておくと、この形は避けられます。
立場を最後まで動かさない
もう1問、賛否を問う形のタスクを見てみましょう。
Some people think it is important to keep and maintain old buildings rather than replacing them with modern buildings. To what extent do you agree or disagree?
✗
導入で保存に賛成し、ボディ2で建て替えの経済的合理性を主張し、結論で「どちらも重要だ」とまとめる立場が3回変わり、結論が答案のどこから導かれたのか読み取れない
○
導入で「歴史的な価値のある建物に限れば賛成」と範囲を決め、ボディ2で反対側の論拠に触れたうえで、その範囲では成り立たないと述べる反対側に触れても、最初に決めた範囲から出ない
反対側の論拠に触れること自体は問題ありません。触れたあとに自分の立場へ戻らないと、結論が「両方大事」に落ち、Band 6 の記述にある unclear や unjustified に近い形になります。導入で立場の範囲を決めておくと、ボディ2を書いたあとでも戻る場所が残ります。
04 Coherence and Cohesion:つなぎ言葉の数ではなく段落の中の流れ
Coherence and Cohesion で Band 6 と Band 7 を分けているのは、つなぎ言葉をいくつ使ったかではありません。Band 6 の記述には、つなぎ言葉が誤用・過剰使用・省略によって不自然になることがあると書かれていて、使いすぎも記述の中に入っています。Band 7 では「段落内のアイデアの配列も概ね論理的」という一文が加わります。差が出るのは、段落の中です。
段落に論点を2つ入れない
03で見た古い建物のタスクで、1つの段落に論点が2つ入るとどうなるかを見てみましょう。
✗
1つの段落に、観光収入と住民の愛着という独立した論点を詰め込むMoreover でつないでも、段落が何について書かれているかが決まらない
○
観光収入の段落を、主張・理由・具体例・帰結の順で1本にまとめる段落の中心トピックが1つに決まり、配列も追える
Band 6 の記述にある「中心トピックが常に明確とは限らない」は、この状態を指しています。段落を分けているかどうかではなく、その段落が何について書かれているかが1文目から分かるかどうかです。なお、1段落に論点を1つという決まりがIELTSにあるわけではありません。Band 7 の記述にあるのは、段落内のアイデアの配列が概ね論理的であることで、論点を1つに絞るのは、それを満たしやすくするための書き方です。段落の第1文で何を示すかについては、次の記事で詳しく扱っています。
ライティング・タスク2
【6.0以上では必須】トピックセンテンスはなぜ重要なのか?:採点の50%を占める内容面との関係
つなぎ言葉を消して読み直す
書き上げた答案から Furthermore、Moreover、In addition をすべて消して読み直してみましょう。消しても文と文の関係がほとんど変わらないなら、その語が段落の頭を埋めるためだけに使われていないか確かめてみるとよいでしょう。However や Instead のように、消すと論理の向きが分からなくなる語は別です。関係を示す必要があるのは、対比や因果のように、読み手が次に来る内容を予測できない箇所です。
指示語も同じ観点で見られています。指示語や代用の使い方についても、柔軟性や明瞭さが欠けて反復や誤りにつながることもあると Band 6 に書かれています。this や these が何を受けているのかが1つに決まらない箇所は、名詞を補って書き直しておくと、読み手が戻って読み返す必要がなくなります。
05 Lexical Resource:語を難しくするのではなく正確に使う
Lexical Resource で5.5から6.5へ進むときにまず手を入れるのは、いま使っている語の正確さです。Band 6 の記述には「語彙の範囲がやや限られていたり語選択の精度に欠けていたりするものの、意味は概ね明確である」とあり、続けて、挑戦的な書き手はより幅広い語彙を使う一方で不正確さや不適切さの度合いも高くなる、という一文が置かれています。語を難しくする方向だけに手を入れると、この一文の状態に近づきます。
Band 7 の記述で加わるのは「ある程度の柔軟性と精密さ」と「文体やコロケーションへの意識」です。精密さとコロケーションはどちらも、語を増やすことでは満たされません。
✗
Old buildings make a big influence on the local economy.influence と組む動詞と形容詞が合っていない
○
Historic buildings have a significant influence on the local economy.have a significant influence on という組み合わせで書く
難しい語を使うこと自体は問題ありません。使うなら、その語が実際にどの語と組んで使われるかまで確かめておきましょう。テーマごとに使える語をどう集めるかは、次の記事で解説しています。
ライティング・タスク2
IELTSライティングのテーマ別語彙:キラーワードで説得力を上げる方法
語を難しくする代わりに文を長くしてしまう場合も、結果は似ています。長い文は節と修飾語句を詰め込みやすく、主語と述語の対応が崩れやすくなるためです。文の長さと評価の関係は次の記事で扱っています。
ライティング・タスク2
「シンプル・イズ・ベスト」の原則:語数を稼ぐ長い文が6.0以上で逆効果になる理由
綴りと語形成も Lexical Resource に含まれます。Band 6 の記述では「伝達を妨げることはない」程度の誤りが許容されていますが、Band 7 では「わずかで、全体の明瞭さを損なうことはない」に変わります。答案を書いたあとに綴りだけを確認する時間を取るだけでも、ここは変わります。
06 Grammatical Range and Accuracy:複文の数ではなく誤りの頻度
Grammatical Range and Accuracy で Band 6 と Band 7 を分けているのは、複文をいくつ書いたかではありません。Band 6 の記述には「単文と複文が混ざって使われているが、柔軟性は限られる」に加えて、「複雑な構文の例は、単純な構文と同じ水準の正確さでは書けていない」という一文も加わっています。Band 7 では「誤りのない文が頻繁に見られる」に変わります。つまり、複文を増やしても、その複文に誤りが残っていれば Band 6 の記述のままです。
この観点はさまざまな文構造を使い分けられるかと、それを正確に書けるかの両方で見られています。1文に構造を詰め込むこと自体が評価されるわけではありません。
✗
Although many old buildings that were built in the nineteenth century and are now used as museums is expensive to maintain, the government should keep them.主語は many old buildings なので are。関係詞節が挟まって主語から離れると、この形が出やすくなる
○
Although many old buildings that were built in the nineteenth century are now expensive to maintain, the government should preserve them.修飾を1つに減らし、主語と動詞の対応を保ったまま複文で書く
複文が書けないわけではないのに正確さが落ちるときは、1文の中で節を増やしている場合が多くなります。2文に分けて書き直せば主語と動詞の対応は保てますが、それだけでは構文の幅が狭くなります。関係詞節と副詞節を1文に同時に入れない、といった自分なりのルールを決めておくと、複文を使いながら誤りを減らしやすくなります。英文法の決まりではなく、答案を書くうえでの方針として持っておくものです。
同じ誤りが答案をまたいで残っていないか
誤りの頻度を下げるには、どの種類の誤りが自分に多いのかを知っておく必要があります。三単現のs、冠詞、名詞の単複、時制の一致のうち、直近3本の答案で何が何回出たかを数えておくと、次の答案で見直す場所が決まります。試験中に全部を見直す時間は残らないので、その場での見直しは自分に多い2種類に絞るほうが現実的です。書き終えたあとの復習では、残りの種類も含めて数え直しておきましょう。
07 6.5に届かないときによく起きる3つのこと
5.5から6.5を目指す段階で、手の入れ方が空回りしやすい形が3つあります。
7-1 4つの観点を同時に直そうとする
1本の答案を書きながら、タスクへの対応も、段落の流れも、語の正確さも、文法も同時に気にすると、どれも中途半端に終わります。締め切りがあるなら、なおさら順番を決めたほうが早く進みます。02の表で当たりを付けた観点から順に、1本の答案につき1つか2つに絞るという進め方があります。
7-2 足す方向にだけ手を入れる
語を増やす、つなぎ言葉を増やす、語数を増やす。どれも手を動かした実感が残るので選びやすいのですが、Band 6 と Band 7 を分けている記述は、いずれも正確さと配列について書かれています。増やす前に、いま書いてあるものが正確かどうかを確かめるほうが、この段階では変化が出ます。
7-3 同じ誤りが答案をまたいで残る
1本ごとに直して終わりにすると、次の答案でも同じ誤りが出ます。誤りの種類と回数を記録しておくと、答案をまたいで減っているかどうかが分かります。Band 7 の記述にある「誤りのない文が頻繁に見られる」は、書くたびに同じ誤りが減っていった結果として近づく状態です。
08 自分で確かめられるところと、確かめにくいところ
ここまでの内容のうち、自分ひとりで確かめられるものと、確かめにくいものがあります。分けておくと、時間の使い方が決めやすくなります。
自分で確かめられる: 語数、段落の数、タスクの各部分に対応する段落があるか、導入の最終文と結論の第1文が同じ立場か、同じ語が何回出てくるか、自分に多い誤りの種類が今回も出ているか
確かめにくい: 自分の答案が Band 6 の記述に当たるのか Band 7 なのか、サポートが読み手にとって十分に展開されているか、誤りの頻度が読み手の負担になる水準かどうか
確かめにくいほうに共通しているのは、いずれも読み手の側から見た判断だということです。書いた本人は、自分が何を言おうとしたかを知った状態で読み返すので、説明が足りない箇所も補って読めてしまいます。ここは、書いたものを他の人に読んでもらうと分かります。
ライティング以外の技能も同時に上げる必要がある場合は、技能ごとの進め方を次の記事で説明しています。
IELTS総合対策
IELTSを5.0から6.0に上げるには:技能ごとの伸ばし方と後回しにしてよいこと
09 よくある質問
ライティングだけ5.5です。何から手を付ければよいですか。
どの観点が5.5に引っ張られているかを先に決めます。答案の症状から当たりを付ける表を02に置いてあります。当たりを付けたら、その観点について Band 6 と Band 7 の記述に自分の答案を照らしてみるとよいでしょう。
4つの観点のうち1つを上げれば6.5になりますか。
タスク2の評価は4観点の平均なので、1つの観点を上げたときの影響はそのタスクの中で4分の1になります。さらにライティングのスコアはタスク1とタスク2の評価から出るため、タスク2の1観点だけで決まる数字ではありません。一方で、4つすべてを均等に上げる必要もありません。
Band 6.5 の採点基準はどこで読めますか。
Band Descriptors に書かれているのは Band 9 から Band 0 までの整数の記述だけで、6.5の記述はありません。6.5は、観点ごとに付いた評価が平均された結果として出てくる数字です。6.5に向けては、Band 6 と Band 7 の記述の差を観点ごとに確かめ、弱い観点から近づけていくことになります。
難しい単語を増やせば Lexical Resource は上がりますか。
上がるとは限りません。Band 6 では、挑戦的に書けば語彙の幅は広がる一方で不正確さや不適切さの度合いも高くなる、と書かれています。難しい語を使う場合は、その語がどの語と組んで使われるかまで確かめておくとよいでしょう。
つなぎ言葉を増やせば Coherence and Cohesion は上がりますか。
Band 6 では、つなぎ言葉の誤用・過剰使用・省略によって文のつながりが不自然になることがあるとされていて、使いすぎもその中に入っています。Band 7 で加わるのは段落内のアイデアの配列についての記述なので、段落の中の流れを見るほうが差につながります。
複文を増やせば Grammatical Range and Accuracy は上がりますか。
複文の数だけでは決まりません。Band 6 の記述には、複雑な構文が単純な構文と同じ水準の正確さでは書けていないという一文があります。Band 7 では誤りのない文が頻繁に見られる状態に変わるので、複文を書いたときの正確さのほうが差になります。
反対の立場に触れると、立場が一貫していないと判断されますか。
触れること自体は問題ありません。触れたあとに自分の立場へ戻らず、結論が「どちらも重要だ」で終わると、Band 6 の記述にある結論が不明瞭・根拠不足という形に近づきます。導入で立場の範囲を決めておくと、戻る場所が残ります。
自分の答案がどの観点で止まっているか、自分で判定できますか。
語数、段落の数、タスクの各部分への対応、立場の一貫、同じ語の繰り返し、自分に多い誤りの種類までは自分で確かめられます。サポートが読み手にとって十分に展開されているか、誤りの頻度が読み手の負担になる水準かどうかは、読み手の側から見た判断になるため、自分では確かめにくい部分です。
10 まとめ
5.5から6.5へは、勉強量を積み増す前に、4つの観点のうちどれが止まっているかを決めるところから始まります。ここまでの内容を、観点ごとに並べておきます。
ライティングのスコアはタスク1とタスク2の評価から出る。タスク2の評価は4観点の平均で、1つの観点だけで決まる数字ではない
4観点すべてを均等に上げる必要はない。5が付いている観点から手を入れる
6.5という記述は Band Descriptors にない。Band 6 と Band 7 の記述の差を観点ごとに確かめる
Task Response: タスクのすべての部分に対応する段落を決めてから書く。反対側に触れても、導入で決めた立場の範囲から出ない
Coherence and Cohesion: 段落の中の配列を見る。1段落に論点を2つ入れない
Lexical Resource: 語を増やす前に、いま使っている語のコロケーションと綴りを確かめる
Grammatical Range and Accuracy: 複文を書いたときの正確さを上げる。自分に多い誤りの種類を2つに絞って見直す
1本の答案で直すのは1つか2つの観点に絞る。誤りの種類と回数は答案をまたいで記録する
ここまでの手順のうち、語数・段落・立場の一貫・自分に多い誤りまでは、次の答案から自分で確かめられます。残っているのは、サポートが読み手にとって十分に展開されているか、誤りの頻度が読み手の負担になっているかという、読み手の側から見た判断です。書いたものを読んでもらうと、そこが5.5に引っ張っている観点なのかどうかが分かります。
ライティング添削
IELTSライティング添削:実際の添削例と3つの受け方