オーバーオール6.0に届くのは、4技能の合計が23.0からです。いま21.0なら、残りは2.0点。この2.0点をどの技能で作るかによって、これから何を練習するかが変わります。この記事では、5.0前後から6.0へ上げる段階で、リスニングとリーディングは何問増やせばよいのか、ライティングとスピーキングは何が足りていないのかを、採点基準と正答数の対応から整理します。あわせて、この段階では後回しにしてよいことも挙げます。
目次
オーバーオール6.0に必要な合計点
リスニングは正答数を約8問増やす
リーディングも約7問から8問
ライティングは全部に答えられているかの段階
スピーキングは話し続けられるかの段階
この段階では後回しにしてよいこと
よくある質問
まとめ
01 オーバーオール6.0に必要な合計点
オーバーオールは4技能の平均を、IELTSのルールで0.5刻みに丸めた数字です。平均5.25なら5.5、5.75なら6.0になります。6.0が出るのは平均5.75からなので、4技能の合計は23.0からということになります。
L R W S 合計 平均 オーバーオール
5.5 5.5 5.0 5.0 21.0 5.25 5.5
6.0 6.0 5.0 5.0 22.0 5.5 5.5
6.5 6.5 5.0 5.0 23.0 5.75 6.0
6.0 6.0 5.5 5.5 23.0 5.75 6.0
2行目と3行目を見比べると、ライティングとスピーキングが5.0のままでも、リスニングとリーディングを6.5まで上げればオーバーオール6.0が出ることがわかります。反対に、4技能を均等に上げようとすると、伸びるまでの時間が読みにくくなります。
この段階でまず決めるのは、2.0点をどこで作るかです。リスニングとリーディングは正答数からバンドスコアが換算されるため、あと何問という形で目標を数えられます。ライティングとスピーキングは採点基準に沿った評価なので、同じようには数えられません。
ただし、提出先が技能ごとの最低スコアを決めていることがあります。オーバーオール6.0かつ各技能5.5以上、といった条件です。この場合は合計だけを見て組み立てると、条件を外します。志望先の要件を先に確認してから、どの技能で作るかを決めましょう。
無料ツール
IELTSバンドスコア計算:4技能からオーバーオールを出す
02 リスニングは正答数を約8問増やす
リスニングは40問中の正答数で決まります。5.0が15問から18問、6.0が23問から26問なので、その差はおよそ8問です。
表を見る前に
正答数とバンドスコアの対応は、テストのバージョンや難易度によって変わることがあります。以下は学習上の目安です。
スコア 正答数の目安
6.5 27問から29問
6.0 23問から26問
5.5 19問から22問
5.0 15問から18問
8問という数は、聞き取り自体を作り直さないと届かない数字に見えます。ただ、5.0前後の受験者では、聞き取れていたのに失点している問題がかなり混じります。書き取った語の綴りが違う、単語数の指定を超えている、数字の桁を書き間違えている、といった落とし方です。ここを拾うだけでも、3問から4問増えることがあります。
落とし方 解答に出る形 拾い方
綴りが違う accommodation を accomodation と書いている 頻出語だけを書き取りで確認する
語数の指定を超えた ONE WORD の指定に2語で答えている 解く前に指定語数へ印を付ける
数字の書き方 13と30、日付の順番を取り違えている 数字と日付だけを集めて練習する
複数形の s 音では聞こえていたが単数で書いている 書いたあとに名詞だけ見直す
先に見直すのは、聞き取りではなく書き方
模擬試験の解答を見返すとき、間違いを「聞き取れなかった」と「聞き取れたのに書けなかった」に分けてみましょう。後者が半分近くあるなら、シャドーイングを増やすより、書き方の確認のほうが早く改善につながります。
リスニング
スペルミスで失点しないために:起きやすいパターンと頻出単語リスト
03 リーディングも約7問から8問
アカデミックのリーディングは、5.0が16問から17問、6.0が23問から25問です。差はおよそ7問から8問で、リスニングと同じ幅になります。IELTS General Training(以下ジェネラル)は5.0が23問から26問、6.0が30問から31問なので、同じスコアでも多く正解する必要があります。
表を見る前に
こちらも学習上の目安です。実際に必要な正答数は、テストのバージョンや難易度によって変わることがあります。
スコア アカデミック ジェネラル
6.5 26問から29問 32問から33問
6.0 23問から25問 30問から31問
5.5 18問から22問 27問から29問
5.0 16問から17問 23問から26問
この帯で落としている問題は、読めなかったものばかりではありません。3つ目のパッセージに入る前に時間が尽きて、最後の10問前後をまとめて失っているケースが多くあります。まずは、時間切れによる失点を減らすだけでも、正答数を伸ばせる可能性があります。
読む速さを上げようとするより、1問あたりに使う時間を決めて、超えたら次へ進むと先に決めておきましょう。1問に3分かける読み方では、40問を60分で解ききれません。
解かない問題を決めておく
60分で40問なので、単純に割ると1問あたり1分30秒です。設問タイプによって必要な時間は違うので、すべてを1分30秒で処理するという意味ではありません。その前提で逆算すると、設問文を読んで本文の該当箇所を探すまでに1分を使った時点で、その問題は残り30秒で決めることになります。判断に迷う1問を粘って3分使うより、印を付けて次に進み、最後に戻るほうが全体の正答数は増えます。とくに Matching 系の設問は、時間を使った割に確信が持てないことが多いので、後回しの候補になります。
リーディング
IELTSリーディング60分の時間配分と読み方の切り替え:3種類の読み方の使い分けと撤退の目安
04 ライティングは全部に答えられているかの段階
ライティングで5.0から6.0を目指す段階では、難しい英語を使えるかどうかより先に確認したいことがあります。タスク2の採点基準(Band Descriptors)のうち Task Response を並べると、違いがはっきり出ます。
Band 5・Task Response(現行版)
The main parts of the prompt are incompletely addressed.(設問の主要な部分への対応が不完全である)
Band 6・Task Response(現行版)
The main parts of the prompt are addressed (though some may be more fully covered than others).(設問の主要な部分に対応している。一部はほかより十分にカバーされていないこともある)
6.0の側にも、一部の掘り下げが浅くてもよいと書かれています。つまり、この段階で求められているのは、設問に出てくる要素すべてに触れることであって、深い議論ではありません。両面を問うタスクで片方しか書いていない、理由を聞かれているのに事例だけ並べている、といった落とし方が5.0の側に残ります。
タスク1でも同じことが起きます。図表の全体的な特徴に触れないまま数字を並べた答案は、英語が正確でも Task Achievement の側で止まります。図が2つあるのに片方しか説明していない答案も同じです。
語彙や構文より先に、設問の要素を数える
書き始める前に、タスクの中にいくつ答えるべき要素があるかを数えておきましょう。両面と自分の意見を求めるタスクなら3つです。ただし、3つに触れれば6.0になるわけではありません。3つとも取り上げたうえで、それぞれについて自分の立場や理由が伝わるところまで書きます。この段階では、すべてを深く掘り下げることより、主要な部分を落とさず、理由や説明を添えることを優先します。
要素を数えたあとは、それぞれをどの段落で扱うかを決めます。要素の数と段落の数が一致するとは限りません。ボディを増やして厚みを出そうとすると、1段落あたりの語数が減り、どの要素も途中で終わります。主要な部分を落とさず、それぞれに理由や説明を添えられる構成を優先しましょう。
ライティング・タスク2
タスクを読み違えるのはなぜか?IELTSライティング・タスク2で起きる3つの誤読と読み方の練習
05 スピーキングは話し続けられるかの段階
スピーキングも同じで、5.0から6.0を目指す段階では、難しい語彙を増やすことより先に確認したいことがあります。Fluency and Coherence の記述を並べます。
Band 5・Fluency and Coherence(現行版)
Usually able to keep going, but relies on repetition and self-correction to do so and/or on slow speech.(たいてい話し続けられるが、そのために繰り返しや言い直し、あるいはゆっくりとした発話に頼ることもある)
Band 6・Fluency and Coherence(現行版)
Able to keep going and demonstrates a willingness to produce long turns.(話し続けることができ、長い発話を作ろうとする姿勢が見られる)
6.0で見られているのは、難しい語を使えるかどうかより、途中で止まりすぎず、ある程度まとまった内容を話し続けられるかどうかです。Part 1 で一言の答えを重ねている状態では、その様子が見えてきません。答えに理由や具体例を足して、ある程度まとまった内容まで伸ばす練習が、この段階では有効です。
もう1つ、5.0の記述には、比較的基礎的な語彙や文法を文の途中で探すためにためらいが出る、という説明が入っています。裏を返すと、複雑な構文を新しく覚えるより、いま使っている表現を止まらずに出せるようにするほうが近道だということです。
練習では、1つの質問に対して30秒話し切るところから始めます。話せた内容をそのまま書き出して、詰まった場所に印を付けると、探していたのが語なのか文の形なのかがわかります。語であれば言い換えを用意し、文の形であれば同じ形を何度か使って慣らします。
スピーキング
短期間でスピーキングの流暢さを上げるには:一文ずつ足して30秒に伸ばす練習法
06 この段階では後回しにしてよいこと
5.0から6.0の区間では、やらなくても届くことがいくつもあります。時間は限られているので、順番を決めておきましょう。
後回しにしてよいこと 理由 代わりにすること
アカデミックな難単語のリストを覚える
6.0の記述で求められているのは、身近な話題を扱えることまで
すでに知っている語を、書く・話すで使えるようにする
複雑な構文を新しく覚える
構文の数より、いま使える形を正確に出せるかのほうが先に必要になる
時制と単数複数の一致を見直す
発音を一から作り直す
大幅な発音矯正には時間がかかる
まずは止まらずに話す練習
模擬試験を毎週解く
解く数を増やしても、落とした理由を分けないと同じ間違いが残る
1回の模擬試験を、間違いの分類まで含めて見直す
模擬試験については、解いたあとの見直しに解いた時間と同じくらいかけるのが目安です。40問を解いて丸を付けるだけでは、次の回にも同じ場所で落とします。
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07 よくある質問
オーバーオール6.0を取るには、4技能すべてで6.0が必要ですか。
必要ありません。オーバーオールは4技能の平均で、合計23.0から6.0になります。リスニングとリーディングが6.5、ライティングとスピーキングが5.0でも合計23.0です。ただし提出先が技能ごとの最低スコアを指定している場合は、その条件を満たす必要があります。
5.0から6.0に上げるには、リスニングで何問増やせばよいですか。
およそ8問です。5.0が15問から18問、6.0が23問から26問という対応になっています。この対応は試験の難易度によって多少ずれるので、目安として見ておきましょう。
リーディングはアカデミックとジェネラルで必要な正答数が違いますか。
違います。6.0はアカデミックが23問から25問、ジェネラルが30問から31問です。同じスコアでもジェネラルのほうが多く正解する必要があります。
ライティングで6.0を取るには、難しい語彙が必要ですか。
語彙の難しさより、設問の主要な部分すべてに触れているかどうかのほうが大きく影響します。Band 6 の Task Response には、一部の掘り下げがほかより浅くてもよいという趣旨の記述があります。片面しか書いていない答案は、英語が正確でも5.0の側に残ります。
スピーキングで6.0を取るには何が足りていないのですか。
ある程度まとまった内容を話し続けられることです。Band 6 の Fluency and Coherence には、話し続けられることと長い発話を作ろうとする姿勢が挙がっています。一言で答えを切っていると、この点が見えません。
4技能を均等に上げるべきですか。
合計で23.0に届けばよいので、均等である必要はありません。正答数で目標を数えられるリスニングとリーディングのほうが、伸びるまでの見通しは立てやすくなります。ただし提出先が技能ごとの最低スコアを求めていないかは先に確認しておきましょう。
模擬試験は毎週解いたほうがよいですか。
この段階では、解く数より見直しの深さのほうが結果につながります。落とした問題を、聞き取れなかったのか、聞き取れたのに書けなかったのかというところまで分けると、次にやることが決まります。見直しには解いた時間と同じくらいかけるのが目安です。
発音の練習は必要ですか。
Pronunciation はスピーキングの4つの観点の1つとして評価されるので、練習は必要です。ただし、発音を一から作り直す作業には時間がかかります。この段階では、発音だけを大幅に作り直すより、同じ時間を止まらずに話す練習に使うほうが、スコアにつながりやすいでしょう。
08 まとめ
オーバーオール6.0は4技能の合計23.0から。均等に上げる必要はない
リスニングは5.0から6.0で正答数を約8問。まず、聞き取れたのに書けなかった分を拾う
リーディングも約7問から8問。3つ目のパッセージを時間切れで落としていないかを見る
ライティングの6.0は、設問の主要な部分すべてに触れているかどうか。掘り下げの深さは次の段階
スピーキングの6.0は、まとまった内容を話し続けられるかどうか。難しい語ではない
難単語のリスト、複雑な構文、発音を一から作り直すこと、模擬試験を解く回数を増やすことは後回しでよい
まずは直近の模擬試験の結果を、技能ごとに、正答数と落とした理由を書き出してみましょう。2.0点をどこで作るかは、そこから決められます。