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リーディング

IELTSリーディングの該当箇所の探し方:キーワードにする語の選び方と注意点

執筆:高橋 響 公開日:

設問の答えが本文のどこにあるかを探すときは、設問の中から手がかりになる語を決めて、本文で同じ語やその言い換えを探すのが基本です。本文に戻ってから該当箇所が見つかるまでの時間は、この語の選び方で大きく変わります。

初級から中級の方がまず押さえておきたいのは、年号や人名のように見つけやすい語、パッセージのテーマの語のように手がかりにならない語、そして言い換えへの備え方です。どの設問にも通用する決まりはありませんが、選び方の傾向を知っておくと、本文の中で迷う時間を減らせます。

01手がかりにする語は、設問のどこから選べばよいのか

手がかりにする語は、本文で言い換えられにくく、しかも本文の中に何度も出てこない語から選ぶと見つけやすくなります。設問の中でいちばん意味の重そうな語が、探すときにいちばん役に立つとは限りません。

次の設問文で考えてみます。

設問文

The first library in the town was funded by a businessman in 1887.

この文から手がかりを選ぶとき、library や funded に目が行きやすいかもしれません。ところが本文のほうは、たとえば次のように書かれています。

本文

The town's library service has a long and uneven history. Its earliest reading room, which opened in 1887, was paid for by Thomas Hale, a wealthy merchant who had made his money in the wool trade. For the next forty years, the library relied almost entirely on private donations, and it was not until 1931 that the council agreed to cover its running costs.

設問文の語と本文の語を比べてみましょう。

設問文の語本文での形手がかりとしての使いやすさ
18871887(そのまま)使いやすい。形が目立ち、本文に何度も出てこない
librarylibrary(そのまま)使いにくい。パッセージのテーマなので、本文のあちこちに出てくる
fundedwas paid for使いにくい。動詞は言い換えられやすい
businessmana wealthy merchant補助として使う。意味の近い別の語になりやすい
firstearliest補助として使う。形容詞も言い換えられやすい

この例では、1887 で探せば、本文の中で読む場所がすぐに決まります。library で探すと、この段落だけで2回出てくるうえ、ほかの段落にも出てくるはずなので、場所が絞れません。funded で探した場合は、本文に同じ語がないので見つからないまま時間が過ぎます。

設問によっては、数字も固有名詞も含まれていないことがあります。そのときは、言い換えられても見当が付く語を選びます。どの設問でもこの順番で選べば正解にたどり着く、という手順があるわけではないので、選んだ語で見つからなければ別の語に切り替える前提で探しましょう。

リーディング IELTSリーディングのスキミングとスキャニング:どこを目で追うかの具体手順

02年号や数字はなぜ探しやすいのか

年号や数字は、アルファベットの並びの中で形が目立つので、意味を読まなくても目に留まります。言い換えられることも比較的少なく、設問に含まれていれば最初の手がかりとして使いやすい語です。ただし、年号が見つかったことと、答えの場所が見つかったことは同じではありません。

2-1 年号が合っただけで答えを決めてしまう

設問文

Work on the new bridge began in 1950.

本文

By the late 1940s, the ferry could no longer cope with the number of people crossing the river each day. In 1950, the city council finally approved plans for a bridge, but a shortage of steel after the war delayed the project. Construction did not start until 1956, and the bridge opened to traffic six years later.

In 1950 の文に bridge もあるので True年号と名詞がそろったところで読むのをやめている

1950年は計画の承認で、工事の開始は1956年なので False年号の文で何が起きたのかまで読んでいる

年号で見つけた文には、別の出来事も一緒に書かれていることがよくあります。この例の approved plans と construction did not start のように、同じ話題の中で段階が分かれている文章では、年号の一致だけで判断すると取り違えます。年号で場所を見つけたら、その文の主語と動詞が設問文の出来事と合っているかを確かめましょう。

同じ年号が本文に2回以上出てくることもあります。1か所目で読むのをやめず、ページの下まで目を通して、ほかに同じ数字がないかを見ておくと安心です。

2-2 設問の数字を、本文でも同じ形のまま探してしまう

数字は言い換えられにくい部類ですが、形が変わることはあります。設問が 50% と書いていても、本文では half になっているかもしれません。

設問文での形本文で出てきやすい形
50%half、one in two
25%a quarter、one in four
three times as manytripled
the 1800sthe nineteenth century
the 1990sthe last decade of the twentieth century
ten yearsa decade

設問に数字があるのに本文で同じ数字が見つからないときは、この表のような言い換えを疑ってみましょう。century、decade、half、quarter のような語も、数字と同じように目で拾いやすい語です。

03人名を手がかりにするときに気をつけたいことは何か

人名は大文字で始まるので、年号と同じく本文の中で見つけやすい語です。一方で、同じ人物が呼び方を変えて何度も出てきたり、別の人物が同じ話題について意見を述べていたりするので、名前を1か所で見つけただけでは答えの場所にたどり着けない場合があります。

3-1 フルネームで探して、2回目以降の登場を見落とす

英語の文章では、人物を最初に紹介するときだけフルネームと肩書きを書き、そのあとは姓だけ、あるいは代名詞や the researcher のような語で受けるのが一般的です。

本文

Dr Helen Carter, a marine biologist at the University of Plymouth, has spent over a decade studying coral reefs in the Pacific. … Carter's team found that reefs close to fishing villages recovered more slowly after storms. She believes that local fishing rules may matter as much as water temperature.

設問に Helen Carter とあっても、Helen で探すと1段落目の紹介しか見つかりません。答えにつながる情報は、Carter's team や She のほうに書かれています。人名で探すときは姓で探し、見つけた位置から先の she、he、the researcher などが誰を指しているかを確かめながら追いましょう。

3-2 同じ話題について、別の人物の意見を読んでしまう

設問文

Carter believes that water temperature is far more important than local fishing rules.

本文

Carter's team found that reefs close to fishing villages recovered more slowly after storms. She believes that local fishing rules may matter as much as water temperature. Her colleague James Okafor disagrees. In his view, warmer water is by far the most important factor, and changes to fishing rules would make little difference.

warmer water is by far the most important factor を見つけて Yeswater temperature を手がかりにして、Okafor の意見を読んでいる

Carter は漁業のルールも水温と同じくらい重要だと考えているので No誰の意見なのかを確かめてから判断している

研究者の意見が並ぶパッセージでは、話題の語で探すと、設問に書かれていない人物の意見に先に行き当たることがあります。人名と話題の語の両方がそろっている文を探し、代名詞が誰を指しているかまで確かめるのが確実です。

なお、Matching Features のように人物名が選択肢として並ぶ設問では、名前そのものは手がかりになりません。この形式では、設問文の内容のほうから手がかりを選び、見つけた箇所の近くに誰の名前があるかを確認します。

04テーマの語をキーワードにすると、なぜ見つからないのか

パッセージのテーマを表す語は本文の多くの段落に繰り返し出てくるので、それだけを手がかりにしても場所を絞れません。設問に含まれていても、手がかりの候補からは外して考えましょう。

たとえば、教育現場のテクノロジーを扱ったパッセージで、次の設問が出たとします。

設問文

Some teachers were worried that technology would weaken children's handwriting.

technology で本文を探す段落ごとに見つかるので、どこを読めばよいか決まらない

handwriting で本文を探すテーマから外れた具体的な語なので、出てくる場所が限られる

technology は設問の内容をつかむうえでは欠かせない語ですが、テクノロジーの文章では本文のあちこちに出てくるので、探す場所を絞る役には立ちません。探すときには、テーマの中の特定の話題を指す handwriting を使います。

テーマの語かどうかは、次の点から見当を付けられます。

  • パッセージのタイトルに含まれている語
  • 複数の設問に続けて出てくる語
  • 本文の1段落目の最初の1文から、すでに出てくる語

こうした語は、設問を読んだ時点で手がかりの候補から外しておくと、本文に戻ってから無駄に探す時間を減らせます。テーマの語を外したあとに残った語が一般的な語ばかりのときは、次の節の考え方で手がかりを組み立てます。

05言い換えに備えて、手がかりをどう持っておけばよいのか

言い換えに備えるには、手がかりを1語に決めてしまわず、見つけやすい語と、本文で別の形になりそうな語を組にして持っておくのが有効です。IELTSのリーディングでは、設問文の語が本文でそのまま使われているとは限らず、同じ内容が別の語や別の文の形で書かれていることがよくあります。

言い換えの種類設問文本文
動詞を別の動詞にするincreaserise、grow、go up
形容詞を別の形容詞にするimportantsignificant、key、essential
名詞をより広い意味の名詞にするcars and busesvehicles
否定を使って言い換えるexpensivenot cheap
文の形を変えるwas funded by a businessmana businessman paid for it

表のうち、とくに言い換えられやすいのは動詞と形容詞ですが、名詞や文の形が変わることもあります。こうした語は手がかりの中心にはせず、「本文では rise や grow になっているかもしれない」と見当を付けておく程度にとどめます。探すのは数字や固有名詞、テーマから外れた具体的な名詞で、見つけた文の中で動詞や形容詞の言い換えを確かめる、という順番にすると迷いません。

名詞も、表の vehicles のように、より広い意味の語でまとめられることがあります。cars で見つからないときは、cars を含むもっと大きな分類の語が本文にないかを見てみましょう。

設問と同じ語が本文にそのまま出てきたとき

設問文と同じ語が本文に見つかると、そこが答えの場所だと思いたくなります。実際にそうであることも多いのですが、True・False・Not Given や選択問題では、同じ語が使われている別の文に目を向けさせる作りになっている場合もあります。同じ語を見つけたら、その文が設問文と同じことを述べているのかを、前後の1文と合わせて読んで確かめましょう。

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06それでも見つからないときは、どう範囲を絞るか

手がかりの語で見つからないときは、前後の設問の答えがあった場所を使って、探す範囲を挟み込みます。設問タイプによっては、設問の並び順が本文の順番に沿っているので、1問前と1問後の該当箇所のあいだに答えがあると考えられます。

設問タイプ設問の順番と本文の順番
True・False・Not Given、Yes・No・Not Given本文の順番に沿って並ぶのが一般的
文完成問題(Sentence Completion)本文の順番に沿って並ぶのが一般的
選択問題(Multiple Choice)本文の順番に沿って並ぶことが多い
Matching Headings、Matching Information、Matching Features本文の順番どおりには並ばない

たとえば、True・False・Not Given の3問目の答えが第2段落の後半、5問目の答えが第4段落の冒頭で見つかっていれば、4問目はそのあいだを読めば済みます。手がかりの語が言い換えられていても、読む範囲が1段落分ほどに絞れていれば、内容から該当箇所を判断できます。

そのためには、見つからない設問にこだわらず、印を付けて次の設問に進むのが近道です。次の設問の場所が決まってから戻ると、探す範囲が狭くなっています。

要約完成問題のように、パッセージの一部だけを対象にしている設問もあります。要約の1文目や見出しが本文のどの段落の話かを先に確かめておくと、そこから外れた場所を探さずに済みます。

07手がかりを選ぶ力はどう練習すればよいか

手がかりを選ぶ力は、解き終えた問題を使って、設問ごとに「どの語で探したか」「本文ではどの形だったか」を振り返ると身につきます。正解か不正解かだけを確認していると、場所を探すのに時間がかかった原因が残りません。

ステップすること確かめること
1設問を読んで、手がかりにする語に印を付けてから本文に戻るテーマの語や一般的な動詞に印を付けていないか
2解き終えたら、答えの根拠になった本文の文に線を引く印を付けた語が、その文にそのまま出てきているか
3設問文の語と、本文での形を横に並べて書き出す動詞の言い換え、上位語、否定を使った言い換えのどれだったか
4見つけるのに時間がかかった設問だけ、別の語で探していたらどうだったかを考える年号、人名、テーマから外れた具体的な名詞を選べていたか

ステップ3で書き出した言い換えは、ノートにためておくと、次に同じ種類の言い換えに出会ったときに気づきやすくなります。解いたことのある問題を使えば、内容を理解することに気を取られず、手がかりの選び方だけに集中できます。

08よくある質問

IELTSリーディングのキーワードは、設問のどの語を選べばよいですか。

本文で言い換えられにくく、本文の中に何度も出てこない語を選ぶと見つけやすくなります。年号や数字、人名、パッセージのテーマから外れた具体的な名詞が候補です。動詞や形容詞は言い換えられやすいので、見つけた文の中で確かめる語として扱います。

設問に年号があれば、その年号の文が答えの場所ですか。

年号で見つけた文が答えの場所とは限りません。同じ文や同じ段落に別の出来事が書かれていることがあり、年号が合っただけで判断すると取り違えます。年号の文で何が起きたのかを、設問文の主語と動詞に合わせて確かめましょう。

人名で探したのに、該当箇所を間違えるのはなぜですか。

同じ人物が2回目以降は姓や she、the researcher のような語で出てきたり、別の人物が同じ話題について意見を述べていたりするためです。人名は姓で探し、代名詞が誰を指しているかまで確かめると取り違えを防げます。

パッセージのタイトルにある語をキーワードにしてもよいですか。

タイトルにある語はパッセージのテーマであることが多く、本文の多くの段落に繰り返し出てきます。手がかりにしても場所が絞れないので、候補から外して考えるのがおすすめです。テクノロジーの文章なら、technology より handwriting のような具体的な語で探します。

設問と同じ語が本文に見つからないのはなぜですか。

設問文の語が、本文では別の語や別の文の形で書かれているためです。increase が rise になる、cars and buses が vehicles になる、expensive が not cheap になるといった言い換えがあります。数字も 50% が half になるように形が変わることがあります。

設問の順番と本文の順番は同じですか。

True・False・Not Given や文完成問題では、本文の順番に沿って並ぶのが一般的です。Matching Headings や Matching Information、Matching Features は本文の順番どおりには並びません。順番に沿う設問タイプでは、前後の設問の答えがあった場所から範囲を絞れます。

設問と同じ語が本文にそのまま出てきたら、そこを読めば解けますか。

そこが答えの場所であることも多いのですが、同じ語が使われている別の文に目を向けさせる作りの設問もあります。見つけた文が設問文と同じことを述べているかを、前後の1文と合わせて読んで確かめると安心です。

09まとめ

  • 手がかりは、本文で言い換えられにくく、本文に何度も出てこない語から選ぶ
  • 年号や数字は見つけやすいが、見つけた文で何が起きたのかまで読んで判断する
  • 数字も half や a decade のように形が変わることがある
  • 人名は姓で探し、代名詞や the researcher が誰を指しているかを確かめながら追う。別の人物の意見と取り違えない
  • パッセージのテーマの語は本文全体に出てくるので、手がかりの候補から外す
  • 動詞や形容詞は言い換えられやすいので、見つけた文の中で確かめる語として持っておく
  • 見つからない設問は印を付けて先に進み、前後の設問の場所から範囲を絞る

次に問題を解き終えたら、時間がかかった設問を1つ選び、自分がどの語で探していたかを振り返ってみましょう。本文での形と並べて書き出すと、次からどの語を選べばよいかが見えてきます。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

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