「買い物に行く」と聞けば、go shopping がまず思い浮かぶ人が多いでしょう。一方で、英語では I do the shopping on Saturdays. のような言い方もします。
この違いは何でしょうか。同じことが do the dishes と wash the dishes のあいだでも起きています。
01意外と口から出てこない do the …
do the dishes や do the laundry に使われている語は、どれも難しいものではありません。それでもSpeakingでは、知っている表現がそのまま出てこないことがあります。理由の一つは、同じ内容を別の形でも言えるからです。
1-1 wash the dishes で止まってしまう
○
I do the dishes every night after dinner.夕食のあとの片づけを毎晩担当している
○
I wash the dishes every night after dinner.皿を洗うという動作そのものを述べている
どちらも正しい英語です。違うのは焦点の置きどころで、wash the dishes は「食器を洗う」という動作を指します。一方の do the dishes は、食後の食器洗いという家事そのものを指す表現です。
Who does the dishes in your family? という質問が聞いているのは、洗うという動作ではなく、その仕事を誰が引き受けているかです。I wash the dishes. でも答えとしては通じますが、担当を述べる言い方としては do the dishes のほうがそのまま重なります。
1-2 go shopping と do the shopping を同じものだと思う
○
I do the shopping for my family every Saturday.家族のための買い出しを担当している
○
I go shopping with my friends every Saturday.友人と買い物に出かける
go shopping は「買い物に行く」という行為を表します。何を買うかが決まっている場合にも、特に決まっていない場合にも使えます。一方の do the shopping は、食料品など家に必要なものを買ってくる「買い出し」の意味で使われることが多く、家事の分担を話すときによく出てきます。
Who does the shopping in your household? に I go shopping every weekend. と答えても、英語として間違いではありません。ただ、質問が聞いているのは誰が担当しているかなので、出かける習慣の話になると焦点が少しずれます。
1-3 the のうしろに動詞をそのまま置く
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My father does the cook on weekends.動詞の cook をそのまま置いた形
○
My father does the cooking on weekends.週末の料理を父が担当している
the のうしろに来るのは名詞です。cooking、cleaning、washing、ironing は、ここでは名詞として使われています。動詞のままでは名詞の位置に入れません。I do the clean on Sundays. も同じ理由で成り立たず、I do the cleaning on Sundays. になります。
どれも、do the … を知らないから起きているわけではありません。別の言い方で用が足りているうちは、do the … を選ぶ理由が出てこないだけです。
02do the … の the は何を示しているのか
do the dishes、do the laundry、do the shopping では、the を含めて「食器洗い」「洗濯」「買い出し」といった、ひとまとまりの仕事を指す表現になっています。特定の一枚の皿や一回の洗濯を指しているわけではなくても、the dishes、the laundry、the shopping のように the が付きます。
shopping は不可算名詞なので、a shopping や shoppings の形にはなりません。「少し買い物をした」と言いたいときは do some shopping を使います。
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I did a shopping yesterday.不可算名詞に a を付けた形
○
I did some shopping yesterday.昨日、少し買い物をした
housework と chores は the が無くても使える
家事をまとめて言う語には、the を付けない形もあります。housework は不可算名詞で、do housework が基本の形です。Cambridge Dictionary の housework の項にも I hate doing housework. という例文が載っています(2026年9月4日時点)。
chores は、定期的にやらなければならない用事を指す可算名詞です。do my chores、do the household chores、split the chores のように使われ、家事だけでなく事務的な用事もここに入ります。
宿題には所有格を使う
宿題は do my homework、do your homework のように所有格を使うのが基本の形です。homework も不可算名詞なので、a homework や homeworks の形にはなりません。
03do と make のどちらを使うか
do と make は、意味で完全に線が引ける2語ではありません。ただ、学習上の目安としてよく挙げられるのが、do は目の前にある仕事をこなす、make は無かったものを作り出す、という分け方です。do the dishes と make dinner は、この目安でそのまま説明できます。
do を使う
make を使う
do the dishes(食器を片づける)
make dinner(夕食を作る)
do the shopping(買い出しをする)
make a shopping list(買い物リストを作る)
do the cleaning(掃除をする)
make a mess(散らかす)
do my homework(宿題をやる)
make a mistake(間違える)
do the washing-up(食後の片づけをする)
make a cup of tea(お茶をいれる)
ただ、この線引きだけで全部が決まるわけではありません。make the bed はベッドメイキングを指すので do の側に入りそうですが、実際には make を使います。分け方は目安として持っておいて、個々の組み合わせは表現ごとに覚えるほうが確実です。
✗
I did a mistake in the test.mistake は make と組む
○
I made a mistake in the test.テストで間違えた
✗
I make my homework after dinner.homework は do と組む
○
I do my homework after dinner.夕食のあとに宿題をやる
04家事以外で使われる do the …
do the … は家事だけの型ではありません。複数の人がいる場面で、誰がどの役を引き受けるかを述べるときにも使います。do the cooking が「料理を担当する」であるのと同じ構造で、talking や driving、packing が入ります。
Let me do the talking. 話は私がします
Who is doing the driving tonight? 今夜は誰が運転しますか
I will do the packing if you do the booking. 荷造りは私がやるので、予約をお願いします
ちなみに、家事や役割分担から離れたところにも、do the honours(飲み物を注ぐ、料理を取り分ける)、do the trick(必要な効果が出る)、do the rounds(話が出回る)のように、do the … の形の決まり文句があります。語の組み合わせが固定されていて応用が利かないので、文ごと覚える表現です。聞いて意味が分かれば十分で、IELTSのために無理に増やす必要はありません。
05地域によってよく聞く言い方が変わる do the …
同じ仕事に対して、地域によってよく使われる言い方が違うものがあります。IELTSのListeningでは、British、Australian、New Zealand、North American など、さまざまな英語に触れます。Speakingでは、自分が使いやすい言い方を一貫して使えば問題ありません。二択として暗記するのではなく、自分が知らなかったほうを聞いて分かるようにしておきましょう。
仕事
主にイギリスで使われる言い方
北米で特によく使われる言い方
食後の食器洗い
do the washing-up
do the dishes
洗濯
do the washing
do the laundry
掃除機をかける
do the hoovering
do the vacuuming
Cambridge Dictionary では washing-up と hoovering に UK の表示が付いており、hoovering には mainly US vacuuming という注記も添えられています(2026年9月4日時点)。do the dishes と do the laundry は北米でよく使われますが、他の地域でも問題なく通じます。
ただし、この表は「イギリスか北米か」という二択ではありません。オーストラリアでは do the dishes、do the washing-up、do the washing のいずれも耳にします。どちらか一方だけが正しいと考えないでおきましょう。
hoover は掃除機のブランド名に由来する語で、イギリス英語では「掃除機をかける」という意味の動詞としても使われます。Hoover 社の製品を使っていなくても do the hoovering と言えます。
06IELTSスピーキングでの使いどころ
do the … がいちばん使いやすいのは、日常の習慣を聞かれる Part 1 です。質問がそのまま Who does …? の形で来ることがあり、答えの主語と動詞をそろえるだけで答えが組み立てられます。
Q. Do you help with the housework at home?
Yes, quite a lot. I do the dishes after dinner and I do the laundry at weekends. My brother does the vacuuming, so we split the chores fairly evenly.
このように、家事の名前をいくつか使うだけでも、短い答えに具体的な情報を加えられます。仕事を一つずつ動詞で説明するより、do the dishes、do the laundry のように家事をひとまとまりの表現として覚えておくと、主語を替えるだけで答えを組み立てやすくなります。
Part 2 でも材料になります。Describe a time when you were very busy. のように忙しかった経験を話すときは、仕事や課題に家のことが重なった日を語る形が使えます。
I was working late every day, so I had to do the shopping on my way home and leave the laundry until the weekend.
Part 3 では、家庭内の分担や家電の話題に広がります。In many households, one person still does most of the cooking and cleaning. のように、家事の分担について述べるときにも使えます。
do the … だけで押し切らない
do the … は便利な型ですが、同じ表現ばかりを繰り返す必要はありません。担当を述べる言い方はほかにもあるので、あわせて使えるようにしておきましょう。
I am in charge of the cooking during the week. 平日の料理は私の担当です
My sister takes care of the gardening. 庭の手入れは姉がやっています
We split the chores fifty-fifty. 家事は半分ずつ分けています
Doing the ironing is my least favourite chore. アイロンがけがいちばん苦手な家事です
単語の意味は知っているのに、どの動詞と一緒に使えばいいか分からない。do the … はまさにその種類のつまずきです。自分が使いたい語にどの動詞が付くのかを確かめたいときは、コロケーションを調べられるツールを使うと早く済みます。
どちらも正しい英語です。wash the dishes は「食器を洗う」という動作に焦点があり、do the dishes は食後の食器洗いという家事そのものを指します。家庭内の担当を話す場面では do the dishes が使われます。
do the shopping と go shopping はどちらを使えばよいですか?
go shopping は「買い物に行く」という行為で、買うものが決まっていても、決まっていなくても使えます。do the shopping は食料品など家に必要なものを買ってくる「買い出し」を指すことが多い表現です。家庭内の担当を聞かれた場面で go shopping と答えると、出かける習慣の話に焦点がずれます。
do the cook や do the clean と言えますか?
the のうしろに来るのは名詞なので、動詞のままでは入れません。do the cooking、do the cleaning のように、動名詞の形が名詞として定着したものを使います。washing、ironing、vacuuming、gardening も同じ形です。
do the washing-up と do the dishes はどちらを覚えるべきですか?
どちらか一方に絞る必要はありません。Cambridge Dictionary は washing-up に UK の表示を付けています(2026年9月4日時点)。IELTSではさまざまな地域の英語に触れるので、話す側では言いやすいほうを使い、聞く側では両方を知っておくと迷いません。
08まとめ
go shopping も wash the dishes も make dinner も、どれも正しい英語です。何を伝えたいのかで使い分ければ十分で、do the … に置き換えなければいけないわけではありません。ただ、家の仕事の話になったときに do the dishes、do the laundry、do the cooking がひとまとまりで出てくると、答えがぐっと具体的になります。