IT は information technology の略で、日本語では情報技術と訳されますが、いざそれが何者かと問われると、説明できる人は少ないかもしれません。一方で、ライティング・タスク2では、information technology によって暮らしがどう変わったのか、などのタスクが出題されます。IT がどのあたりを指す用語なのか、英語で説明できるようになっておくと便利です。
01ITとは何を指す言葉か
IT は information technology の略で、コンピューターなどの電子機器を使って、情報を保存し、取り出し、処理し、送る技術と、その利用を指します。日本語では「情報技術」と訳されます。
どちらの定義でも、ITは情報を保存し、送るための技術とされています。
Oxford Learner's Dictionaries
information technology: the study or use of electronic equipment, especially computers, for storing, accessing, analysing and sending information
Cambridge Dictionary
information technology: the science and activity of using computers and other electronic equipment to store and send information
コンピューターは道具として出てきますが、その道具で何をするのかといえば、情報を扱うことです。technology の前に information が付いているのはそのためで、IT の中心にあるのは機械そのものよりも情報の扱い方だと考えると、説明がぶれなくなります。
When computers first appeared in offices, they were mostly used to type documents and do calculations. As IT developed, people began to use it to collect, store, process and share information on a much larger scale. Today, a single smartphone lets us check the news, pay bills and send files to someone on the other side of the world within seconds. In this way, IT has changed not only how we work but also how we study, shop and stay in touch with others.
1文目の When computers first appeared in offices は「コンピューターが職場に登場したころ」という意味で、when のうしろに主語と動詞のそろった節が続いています。were mostly used to は「主に〜に使われていた」という受け身です。昔の使い方を先に書いておくと、次の文で何が変わったのかがはっきりします。
2文目の As IT developed の as は「〜するにつれて」で、変化が進んでいく様子を表します。そのあとに 01 で見た collect、store、process、share の4つの動詞が続き、何ができるようになったのかがわかります。on a much larger scale は「はるかに大きな規模で」です。
3文目は具体例です。let + 人 + 動詞の原形で「人が〜できるようにする」という意味になり、スマートフォン1台でできることを並べています。4文目は In this way で段落をまとめ、not only how we work but also how we study, shop and stay in touch で、変わったのが仕事だけではないことを示しています。how we work は「働き方」という意味です。
もっと易しい英語で言うと
同じ内容を1文で言うと、こうなります。
Computers are still important, but today IT is more about what we do with information.コンピューターは今も大切ですが、いまのITは、情報をどう使うかのほうが中心です
ポイントは still と more about の2か所です。still は「今も変わらず」という意味で、コンピューターが要らなくなったわけではないことを示します。more about は「どちらかといえば〜が中心」という比べ方で、重点が情報の使い方に移ったことを表しています。
時代
中心にあったもの
昔
コンピューターそのもの
今
コンピューターを使って、情報を集めたり、保存したり、共有したりすること
さらに短く、2文に分けることもできます。
In the past, computers were the main focus. Today, the focus is on information.以前はコンピューターが中心でした。いまは情報が中心です
もう少し詳しい英語で言うと
変化が少しずつ進んだことまで伝えたいなら、次の形が自然です。
At first, the main goal of computing was to build faster and more powerful machines, but gradually the emphasis shifted to how data could be gathered, stored, analysed and shared across networks.最初は、より速く性能の高い機械を作ることがコンピューター技術の主な目標でしたが、しだいに、ネットワークを通じてデータをどう集め、保存し、分析し、共有するかに重点が移っていきました
At first と gradually を組み合わせると、変化が少しずつ進んだことを表せます。the emphasis shifted to は「重点が〜に移った」という意味です。how data could be gathered は受け身の間接疑問で、「データがどのように集められるか」です。データを主語にしているので、集める人が誰かを言わずに済み、話の中心を情報からそらさずに文を進められます。
information technology を正面から扱ったタスクには、たとえば次のようなものがあります。
タスク
Information technology is changing many aspects of our lives and now dominates our home, leisure and work activities. To what extent do the benefits of information technology outweigh the disadvantages?
One major benefit of information technology is that it allows people to access and share information far more quickly than before. In the past, people often had to visit a bank or a local government office to complete simple procedures, which could take a whole morning. Today, many of these tasks can be done online in a few minutes, from paying bills to applying for official documents. This saves time that people can spend with their families or on their hobbies, which shows that IT has improved not only work but also daily life.
1文目で「情報をすばやく扱えるようになった」と述べ、2文目で以前の様子、3文目で今の様子を比べています。最後の文で、浮いた時間を家族や趣味に使えるという暮らしの変化までつないでいるので、work だけでなく home と leisure にも触れた段落になっています。
IT は、technology の中でも、情報を扱う技術を指して使われることが多い語です。似た語との違いは次のとおりです。
語
指すもの
よく見る文脈
IT(information technology)
コンピューターなどで情報を保存し、処理し、送る技術と、その利用
職場のシステム、the IT department(情報システム部門)
ICT(information and communication technology)
IT に通信の面を加えた言い方。Cambridge Dictionary は学校の科目名としての語義も載せている
教育、行政の文書
technology
技術全般。情報技術に限らない
医療、交通、エネルギーなど幅広い
digital technology
デジタル化された機器やサービス全般
社会の変化を大きく言うとき
tech
technology の口語的な短縮形
ニュースの見出し、会話
タスクに information technology と書かれていれば、エッセイでも information technology を使うのが確実です。導入で一度 information technology と書き、そのあとは IT と短くしても通じます。technology だけに言い換えると範囲が広がるので、03で見た読み違いにつながりやすくなります。
an IT company:IT の前の冠詞
IT は /ˌaɪˈtiː/ と読み、母音の音で始まります。そのため、うしろに名詞を続けて「あるIT企業」と言うときは a ではなく an を使います。
✗
He works for a IT company.IT は母音の音で始まるので a は使えない
○
He works for an IT company.彼はIT企業に勤めている
IT は数えない
IT は技術の分野を指す語なので、通常は不可算名詞として使います。複数形の ITs にはしません。種類や数を言いたいときは、うしろに名詞を足します。
✗
Many ITs are used in hospitals.IT を数えられる名詞として扱っている
○
Many IT systems are used in hospitals.病院では多くのITシステムが使われている
「ITに強い」「IT化」を英語で言うと
日本語の「ITに強い」をそのまま strong in IT とすると、意味は通じますが、IT分野の専門知識があるという意味にも取られます。パソコンの扱いが得意だと言いたいなら、good with computers のような言い方のほうが伝わります。
△
My father is strong in IT.IT分野の専門知識がある、という意味にも取られる
○
My father is good with computers.父はパソコンの扱いが得意だ
○
Young employees often have good IT skills.若い社員はITスキルが高いことが多い
tech-savvy(テクノロジーに詳しい)という形容詞もあり、会話ではよく使われます。エッセイで人の技能を述べるなら、good IT skills のように技能を名詞で言う形も使いやすいでしょう。
「IT化」は、digitalisation(デジタル化)か、the use of IT を使って言い表せます。
The digitalisation of public services has reduced waiting times at local offices.行政サービスのIT化によって、役所での待ち時間が短くなりました
The use of IT in hospitals has made it easier for doctors to share patient records.病院でITが使われるようになり、医師どうしが患者の記録を共有しやすくなりました
IT と組み合わせてよく使う表現
IT skills:ITスキル、パソコンやソフトを使いこなす力
IT support:社内の機器やシステムのトラブルに対応する部署やサービス
IT infrastructure:組織を支えるネットワークやサーバーなどの基盤
advances in information technology:情報技術の進歩
the IT industry / the IT sector:IT業界。業界そのものを話題にするときに使う
06よくある質問
ITとは英語で何の略ですか
IT は information technology の略で、日本語では「情報技術」と訳されます。コンピューターなどの電子機器を使って、情報を保存し、取り出し、処理し、送る技術と、その利用を指します。
ITで何が変わったのかを英語で簡単に説明するにはどうすればよいですか
Computers are still important, but today IT is more about what we do with information. と1文で言えます。コンピューターは今も大切だが、いまのITは情報をどう使うかのほうが中心だ、という意味です。
IELTSのエッセイで information technology を technology と言い換えてもよいですか
technology は技術全般を指すので、言い換えると範囲が広がります。タスクに information technology とあれば、そのまま使うのが確実です。導入で一度書いたあとに IT と短くするのは問題ありません。
a IT company と an IT company のどちらが正しいですか
an IT company が正しい形です。IT は /ˌaɪˈtiː/ と読み、母音の音で始まるため、a ではなく an を使います。冠詞は綴りではなく、最初の音で決まります。
IT と ICT の違いは何ですか
ICT は information and communication technology の略で、IT に通信の面を加えた言い方です。教育や行政の文脈でよく使われ、Cambridge Dictionary には学校の科目名としての語義も載っています。
「ITに強い」は英語でどう言いますか
good with computers や have good IT skills がよく使われます。strong in IT でも通じますが、IT分野の専門知識があるという意味にも取られます。tech-savvy という語もありますが、やや口語的です。