ビルの高さが高い場合、high ではなく tall を使うということは一度は聞いたことがあるかもしれません。しかしスピーキングでとっさに話すときにはついつい The building is really high. のように言ってしまうものです。これは high のイメージがまだしっかり定着していないために、日本語訳から「翻訳」をしてしまうことで起こります。
日本語の「高い」は、この2つを区別しません。ビルも、棚も、山も、背の高さも、値段も同じ1語で言えるので、英語にするときに語を選び直すことになります。ここでつまずくと、There are many high buildings. のように言ってしまい、意味は伝わっても英語としては不自然です。
辞書はどう説明しているか
Cambridge Dictionary「High or tall?」
We use high for mountains and for things which are a long way above the ground. … We use tall to describe things which are high and thin in their shape (e.g. buildings, trees). … Warning: We don't use high when we talk about people. We use tall.
人について high を使わないことは、辞書がはっきり書いています。建物と木については、高くて細い形のものに tall を使う、という説明になっています。
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Sally is very high and slim.人の背の高さに high は使いません
○
Sally is very tall and slim.サリーはとても背が高くてほっそりしている
○
The building next to my office is really tall.建物そのものの高さなので tall
○
The light switch is too high for a child to use.地面から離れた位置の話なので high
日本語の「高い」が英語でどう分かれるか
何の高さか
使う語
例
人の背
tall
My brother is quite tall.
建物・木・塔
tall
There are a lot of tall buildings near the station.
山
high
There are some high mountains in the north.
天井・棚・スイッチ
high
The flat has very high ceilings.
値段・家賃
high
Rents in Tokyo are very high.
声・音
high
She has quite a high voice.
山は high、建物は tall と、辞書は別々に示しています。どちらも空に向かって伸びているのに語が変わるので、a high mountain、a tall building と例文ごと覚えてしまうのが近道です。
high building は誤りなのか
high building という言い方がまったく無いわけではありません。high-rise(高層の)のように、建物を指す語に high が入る組み合わせもあります。ただ、建物そのものの高さを言うときに標準的なのは tall のほうなので、tall building を選んでおけば不自然になりません。
高さをたずねるとき
人の背の高さをたずねるときは How tall are you?、棚や天井のように地面からの距離をたずねるときは How high is it? です。建物についても How tall is that building? になります。答えるほうも It's about 200 metres tall. と、同じ語で受けます。
02「広い部屋」は wide room でよいのか
部屋の広さを言うなら large か spacious を使います。wide は端から端までの距離が大きいという意味の語なので、wide room と言うと部屋の横幅の話になります。
Cambridge Dictionary は wide を、長さと比べたときに一方の端からもう一方の端までの距離が大きいこと、と説明していて、例に a wide river、a wide road を挙げています。narrow はその逆で、a narrow street のように細い道に使います。どちらも面積ではなく幅の語です。
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My room is wide.部屋の横幅があるという意味になります
○
My room is quite large.私の部屋はけっこう広い
○
The living room is spacious and full of light.空間にゆとりがあるときは spacious
「狭い」も同じことが起きます。My room is narrow. は、細長い部屋という意味で受け取られます。面積が小さいという話なら small です。
△
My room is narrow.細長い部屋という意味になります
○
My room is quite small, but I like it.私の部屋は狭いけれど気に入っている
道や川の話であれば、wide と narrow がそのまま合います。The streets in my hometown are quite narrow. は自然な文で、部屋に使ったときだけ意味がずれる、ということです。
言いたいこと
使う語
例
部屋・家・公園の面積
large / small
There is a large park near my flat.
道・川・入口の幅
wide / narrow
The road in front of my house is very narrow.
空間にゆとりがある
spacious
The new library is bright and spacious.
種類や範囲の多さ
a wide range of
The shop sells a wide range of local food.
住んでいる場所は Part 1 で繰り返し聞かれるトピックです。部屋、家、町のどれを説明するときも、面積の話なのか幅の話なのかで語が変わります。
「濃い」だけでも、コーヒーなら strong、霧なら thick、色なら dark と変わります。日本語では1語で足りるものが、英語では名詞ごとに違う形容詞になります。
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I drink deep coffee every morning.deep は深さを表す語で、味の濃さには使いません
○
I drink strong coffee every morning.毎朝、濃いコーヒーを飲みます
日本語
よく使う組み合わせ
補足
濃いコーヒー・紅茶
strong coffee / strong tea
味の濃さは strong
濃い霧
thick fog
雲や煙も thick
濃い青
dark blue
色の濃さは dark
強い風
strong wind
激しい雨
heavy rain
strong rain でも伝わりますが、heavy rain が一般的です
大雪
heavy snow
道路が混んでいる
heavy traffic
crowded は人が多いときに使います
音楽がうるさい
loud music
音の大きさは loud
値段が高い
a high price
品物そのものは expensive
表の最後にある「値段が高い」は、日本語から考えると迷いやすいところです。expensive と cheap は、品物やサービスそのものを説明する語です。値段のほうを主語にするときは high と low を使います。
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The price of the ticket was expensive.値段を expensive で受けることは通常ありません
○
The ticket was expensive.品物やサービスそのものは expensive
○
The price of the ticket was high.値段を主語にするときは high
こうした組み合わせは、規則というより習慣です。たばこを吸う量が多い人は a heavy smoker、雨が激しく降ったなら It rained heavily. と、名詞や動詞ごとに組み合わせが決まっています。覚えるときは、strong と coffee、heavy と rain のように2語のまとまりで頭に入れておくと、話しながら選び直さずに済みます。
Funny is an adjective and it means 'amusing' or 'causing laughter'. … Typical error: We don't use funny to mean 'enjoyable'.
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The trip to Kyoto was really funny.旅行が笑える出来事だったという意味になります
○
The trip to Kyoto was really fun.京都への旅行はとても楽しかった
funny には、おかしい、少し変だ、という意味もあります。There was something funny about the way he said it. は、笑えるとも、どこか妙だとも受け取れる文です。どちらの意味になるかは前後で決まります。
interesting は、もっと知りたいという気持ちを引き出すものに使います。The documentary was really interesting. は内容に引き込まれたという話で、笑ったかどうかには触れていません。映画や本の感想をたずねられて笑いの話をしていないなら、interesting のほうが伝わります。
なお fun はもともと名詞で、a fun day のように形容詞として使うのは口語的な言い方だと Cambridge Dictionary は説明しています。スピーキングでは自然に使えますが、ライティングでは It was fun to visit the museum. のように、名詞として使うほうが自然です。
言いたいこと
使う語
例
笑える、おかしい
funny
My friend is really funny.
楽しい、やっていて気持ちがよい
fun
Cooking with my family is fun.
興味深い、知りたくなる
interesting
I found the article very interesting.
05試験中に迷ったらどうするか
その場で語を思い出せないときは、言い直しを重ねずに、伝わる言い方で言い切って先へ進みます。I mean を何度も挟むと、話の流れが止まってしまいます。
数や具体で言い換える:tall が出てこなければ It has about 30 floors. と言えば高さは伝わります。形容詞を探し続けるより早く先へ進めます
IELTSの評価基準には less common and idiomatic items という観点があります。ただ、難しい形容詞を並べることより、合う場面で意味どおりに使えていることのほうが、語彙の幅を示す材料になります。high と tall、large と wide のような基本的な語を正確に使い分けられることも、その材料の1つです。
dark は色の濃さを表す語です。味の濃さを言うなら strong coffee になります。霧のように密度が高いものは thick fog と言います。
funny と fun はどう使い分けますか。
funny は笑える、fun は楽しいという意味です。Cambridge Dictionary は、enjoyable の意味で funny を使わないよう注意しています。旅行が楽しかったのなら The trip was fun. です。
値段のことを expensive price と言ってよいですか。
expensive と cheap は、品物やサービスそのものを説明する語です。値段を主語にするときは a high price、a low price を使います。The ticket was expensive. と The price of the ticket was high. のどちらも自然です。