「先生は、生徒のやる気を引き出すことより、教科を教えることに集中すべきだ」
そう聞くと、「やる気を引き出すのも先生の大事な仕事なのでは?」と感じるかもしれません。特に日本の学校を思い浮かべると、授業だけでなく、生活指導や部活動まで先生が担う姿が自然に思い浮かびます。
ところが、先生がどこまで生徒を支えるべきなのか、その線引きは簡単ではありません。教科を教えることはもちろん先生の中心的な仕事ですが、生徒が授業に参加できるように働きかけたり、学ぶ意欲を引き出したりすることも、教育の一部と考えられます。一方で、先生が担う仕事が増えすぎれば、本来の教科指導に使える時間が減ってしまうかもしれません。
こうした「先生は何をどこまで担うべきか」という問題は、IELTSでもよく登場するテーマです。今回の設問も、教科指導と生徒の動機づけのどちらが必要かを単純に選ぶ問題ではなく、先生の限られた時間や役割を、どこにどの程度振り分けるべきかを考える問題です。
目次
このタスクでは何が問われているのか
なぜ先生の役割をめぐる出題が続くのか
賛成側でよく使われるアイデアと、その掘り下げ方
反対側でよく使われるアイデアと、その掘り下げ方
回答に入れられる実例はどれか
中級と上級で押さえたい語彙とコロケーション
モデルアンサーはどう作るか
よくある質問
まとめ
01 このタスクでは何が問われているのか
今回のタスクは、先生の仕事を2つ並べて、どちらを優先すべきかを聞いてきます。
タスク
Some argue that teachers should focus on academics more than motivating students. To what extent do you agree or disagree?
教科の学習のほうを優先すべきで、生徒のやる気を引き出すことはそこまでではない、という主張です。この主張にどの程度賛成するかが問われています。
タスクの読み方や準備の進め方は、シリーズの総論で詳しく説明しています。あわせてお読みいただくと、この記事の内容も使いやすくなります。
タスク深掘りシリーズ
タスク深掘りシリーズ:アイデア・実例・語彙・モデルアンサーまで1問ずつ徹底解説【総論】
このタスクでは、次の2つのような読み違いに注意したいところです。
1-1 more than を「〜だけ」と読む
✗
主張=先生は生徒のやる気に関わるべきではない動機づけを先生の仕事から外すかどうかの話になる
○
主張=先生は、やる気を引き出すことよりも教科の指導に重きを置くべきだ2つの仕事のあいだで、どちらをどれだけ優先するかの話になる
なぜ読み違えるのか
focus on A more than B は、AとBを比べて、Aのほうに重きを置くという意味です。Bをしないとは述べていません。ところが日本語で「学業重視」とまとめてしまうと、比較の部分が落ちて、残った側が消えたように読めます。
回答では何が起きるか
この読み方で書き始めると、「先生は生徒の気持ちに立ち入るべきではない」という極端な主張になります。すると反対側の議論とかみ合わなくなり、譲歩を入れる場所もなくなります。設問が聞いているのは程度なので、そこに答えないまま段落が進みます。
読むときのポイント
more than と to what extent がそろっているタスクは、どちらか一方を選ぶ必要がありません。教科の指導により多くの時間と労力を割くべきだという主張に、どこまで賛成できるのかを書けば、設問に正面から答えられます。
1-2 academics を学校生活のすべてだと思う
✗
論じる対象=学校教育のあり方全般宿題の量、制服、試験制度、いじめへの対応まで広がる
○
論じる対象=先生が担う2つの仕事の重み教科の内容を教えることと、学ぼうという気持ちを引き出すことを比べる
academics は、教科の学習や学問のことです。academic subjects、academic achievement のように使う語で、学校で起きることのすべてを指すわけではありません。生徒指導や進路の相談を academics に含めて書くと、タスクが比べている2つがぼやけます。
motivating students のほうも、同じように範囲を確かめておきましょう。ここで言われているのは、勉強に向かう気持ちを引き出すことです。悩みを聞くことや家庭の事情に関わることまで広げると、今度は反対側が「先生は何でも引き受けるべきだ」という主張になり、これも設問からずれていきます。
タスクを3つの要素に分ける
要素 このタスクでの中身
前提として与えられている事実 先生の仕事には、教科を教えることと、生徒のやる気を引き出すことの両方が含まれている
論じる対象 その2つに、先生がどれだけの時間と労力を割くべきか
問われていること 教科の指導を優先すべきだという主張に、どの程度賛成するか
前提の欄は、タスクの中では受け入れて書きます。やる気を引き出すのは家庭の仕事だという考えを持っていても、それを導入で言い切ってしまうと、先生の仕事の中での優先順位という論点が残りません。家庭の役割に触れるなら、ボディの中で理由として使うほうが設問に沿います。
02 なぜ先生の役割をめぐる出題が続くのか
先生が何をどこまで引き受けるのかは、実際に各国で見直しが進んでいるところです。公表されている調査と制度を見ておくと、両側の議論に具体性が出ます。
授業に使われている時間は、思ったより短い
OECDの国際教員指導環境調査(TALIS)の2024年調査は、2025年10月7日に結果が公表されました。日本の中学校教員の仕事時間は1週間あたり55.1時間で、OECD平均の41.0時間を大きく上回ります。一方、授業に使われているのは17.8時間にとどまり、平均の22.7時間より短いと報告されています。課外活動の指導は5.6時間(平均1.7時間)、事務業務は5.2時間(平均3.0時間)でした。
つまり、勤務時間が長いのは授業が多いからではありません。教科を教える以外の仕事が積み上がっているという内訳です。このタスクの賛成側は、この点を理由として挙げられます。
TALISは教員本人が回答する調査で、報告書にも、社会的・文化的な背景の影響を受けるため国際比較には注意が要ると書かれています。数字を使うときは、そこまで含めて「報告されている」と書いておくと安全です。
学校は教科の成果だけで評価されているわけではない
イングランドでは、学校を検査する機関であるOfstedの枠組みが2025年11月10日から変わりました。学校は、achievement(学力の伸び)、attendance and behaviour(出席と行動)、personal development and wellbeing(人としての育ちと心身の健康)など、6つの評価領域ごとに結果を示される形になっています。
ここから言えるのは、少なくともイングランドの制度では、学習の意欲や態度に関わる部分が学校の仕事として扱われている、ということです。反対側の議論は、この事実を出発点にできます。
役割を狭める方向の動きもある
日本では、部活動を学校から地域へ移す取り組みが進んでいます。2025年12月に文部科学省が示したガイドラインでは、2026年度から2031年度までの6年間を「改革実行期間」と位置づけ、休日については原則としてすべての学校部活動で地域展開の実現を目指すとしています。
この動きは、先生が担ってきた課外活動の一部を学校の外へ移すものです。賛成側のアイデアを、思いつきではなく実際に進んでいる制度として書けます。
日本の感覚のまま書くと起きること
日本の学校では、授業も部活も生活面の指導も同じ先生が担当することが多く、その範囲の広さが当たり前に見えます。そのため、教科指導に集中すべきだという主張が、現実味のない極論のように感じられるかもしれません。ただ、上の数字が示しているのは、授業に使われている時間そのものはむしろ短いということです。先生の仕事の中身は国によって違うので、自分の学校で見てきた形を世界共通の前提として書かないようにしましょう。
ライティング・タスク2
日本の常識は世界の非常識?ライティング・タスク2で「日本基準」のまま書いていないか確認する
03 賛成側でよく使われるアイデアと、その掘り下げ方
賛成側は、教科の指導を優先すべきだという立場です。先に自分で思いつくかぎり書き出してから、続きを読むとよいでしょう。
3-1 教科の専門性は、先生でなければ担えない
いちばん立てやすい論点です。数学を分かりやすく説明することや、生徒がどこでつまずくのかを見抜くことは、その教科を学んできた人ほど担いやすい仕事です。
ここで止まると、先生は専門家だから専門的な仕事をすべきだ、という同じ内容の言い直しになります。一段掘り下げるなら、時間の話につなげます。授業の準備や教材の見直しに使える時間は、1日の中で限られています。生徒一人ひとりの気持ちに向き合う仕事を減らせば、そのぶんを教材研究に回せる、とつなげると、主張に理由がつきます。
3-2 分かる授業そのものが、学ぶ気持ちにつながる
動機づけは、教科指導と切り離さなくてもよいという考え方もあります。できるようになれば続けたくなり、分からないままだと離れていきます。授業を分かりやすくすること自体が学ぶ気持ちを支えている、という組み立てができます。
この論点の強いところは、反対側の主張を正面から否定せずに済むところです。やる気は大切だと認めたうえで、それを引き出す方法として教科の指導を挙げているので、譲歩と主張がぶつかりません。
3-3 やる気を支える役割は、学校の中で分担できる
3つ目は、担い手の話です。進路の相談、生活面の支援、スポーツや文化活動の指導には、それぞれ別の担当者を置くことができます。先生が全部を引き受ける必要はない、という議論です。
ここは実例を足すと具体的になります。日本で進んでいる部活動の地域展開は、学校が担ってきた活動を地域のクラブへ移していく取り組みです。役割を分けることが現実に可能だという材料として使えます。
ほかに考えられる賛成側のアイデア
学ぶ意欲の有無にかかわらず、教科の内容を身につける機会はすべての生徒に必要になる
やる気の引き出し方は生徒によって違うため、教科の指導ほど成果を確かめにくい
教員の仕事量が増えすぎると、授業の質そのものが下がりかねない
04 反対側でよく使われるアイデアと、その掘り下げ方
反対側は、やる気を引き出すことも先生の仕事のうちだという立場です。教科指導の価値を下げずに書けるかどうかが、この側のポイントになります。
4-1 授業に参加していない生徒には、内容が届かない
教室に座っていても、聞いていない生徒には教科の内容が入りません。授業が成り立つ前提として、参加している状態を作る必要がある、という論点です。
掘り下げるなら、順を追って書きます。関心を失うと授業への参加が弱まり、ときには欠席にもつながります。教室にいなければ、どれほど準備した授業も届きません。ですから、参加を促す働きかけは、教科指導を支える土台にあたります。イングランドの学校評価で出席と行動が一つの領域にまとめられていることも、この考え方と重なります。
4-2 同じ授業を受けても、続く生徒と離れる生徒がいる
同じ教え方をしても、すべての生徒に届くとは限りません。もともと勉強が得意な生徒は、説明が分かりやすければ自分で進んでいきます。一方、うまくいかない経験が重なった生徒には、やればできるという見通しのほうが先に要ります。
この点については、アメリカの高校生を対象にした全国規模の実験がNature誌に2019年に発表されています。1時間に満たないオンライン教材で、成績が下位の層の成績が上がり、上級の数学を選ぶ生徒が増えたと報告されています。効果が続いたのは、周囲の生徒のあいだにも同じ考え方が広がっている学校でした。働きかけ1回で完結するものではない、というところまで含めて使えます。
IELTSのエッセイに、このような研究データが必要なわけではありません。知っていれば書いてもよいですが、成績が下位の生徒ほど、意欲を支える働きかけが結果に表れることがある、という位置づけでも十分に役立つでしょう。
4-3 学校を出たあとに残るのは、学び方と学ぶ姿勢
もう一つ、時間の幅を広げる見方があります。教科の内容は、使わなければ忘れていきます。仕事に就いてから必要になる知識も、在学中に教わったものだけではありません。自分で学び続けられる状態を作ることも学校の仕事だと考えれば、学ぶ気持ちを育てることは教科指導と並ぶ目的になります。
ここは大きな話になりやすいところです。生涯学習のような一般論で終わらせず、教室で何をするのかまで下ろすと段落が締まります。うまくいった手順を自分で言葉にさせる、次に何をやってみたいかを選ばせる、といった具体的な行動です。
自分の立場をどう決めるか
to what extent で聞かれているので、完全に賛成でも、部分的な賛成でも構いません。決まった正解はありませんが、どの程度なのかが読み手に伝わる形にしておきましょう。
立場 書き方の目安
おおむね賛成 先生の時間には限りがあるという事実を中心に論じる。動機づけの価値は認めたうえで、担い手を分ける議論につなげる
部分的に賛成 教科の指導を中心にしながら、意欲を失っている生徒への働きかけは切り離せないとする。どこまでが先生の仕事かの線を自分で引く
反対 参加していない生徒には教科の内容が届かないという順序を中心に論じる。教科指導の価値を下げないことが条件になる
どの立場でも、導入で示した程度と結論で述べる程度をそろえておきましょう。導入で「ある程度は賛成する」と書いたのに、結論が「教科の指導こそがすべてだ」になっていると、読み手はどちらが主張なのか判断できなくなります。
ライティング・タスク2
問題タイプ別の答え方:agree/disagree【各論①】
05 回答に入れられる実例はどれか
深掘りの段階では、2件から3件ほど用意しておけば十分です。回答への入れ方、たとえば主張のあとに1文か2文で添えることや、数字は原則として1つに絞ることは、シリーズの総論にまとめています。
事例 何を示しているか 報告されていること
OECD国際教員指導環境調査(TALIS 2024)
先生の仕事に占める授業の割合。3-1で使う
2025年10月7日に結果が公表された。日本の中学校教員の仕事時間は週55.1時間でOECD平均の41.0時間より長い一方、授業は17.8時間で平均の22.7時間より短い。課外活動の指導は5.6時間(平均1.7時間)
日本の部活動の地域展開
役割を教科指導の側へ寄せる制度。3-3で使う
2025年12月に示されたガイドラインで、2026年度から2031年度までの6年間を「改革実行期間」と位置づけ、休日については原則としてすべての学校部活動で地域展開の実現を目指すとしている
イングランドの学校評価の枠組み(Ofsted)
学校が教科の成果以外でも評価されていること。4-1で使う
2025年11月10日から、achievement、attendance and behaviour、personal development and wellbeing など6つの評価領域ごとに結果を示す方式になった
この3件はいずれも国や制度の話で、タスクが聞いている先生個人の優先順位そのものを決めているわけではありません。回答では、自分の主張を先に述べてから、その裏づけとして短く添えます。
このタスクでの入れ方
✗
According to OECD TALIS 2024, Japanese lower secondary teachers work 55.1 hours a week, of which only 17.8 hours are spent teaching, compared with OECD averages of 41.0 and 22.7 hours, and they spend 5.6 hours on extracurricular activities.数字が5つ入り、報告書のような文章になっている
○
In Japan, for example, teachers work some of the longest hours in the OECD, yet they spend fewer hours teaching than the average, which suggests that much of their workload lies outside the classroom.主張のあとに1文。数字を出さずに関係だけを示している
IELTSの回答では、出典を詳しく示す必要はありません。どこで、何が、どうなっているのかが分かれば、具体例として十分です。
06 中級と上級で押さえたい語彙とコロケーション
このテーマでは、motivate と motivation の使い分けと、focus on のうしろの形でつまずきます。先に確認します。
中級:バンド6を目指す段階
表現 意味と使いどころ
academic subjects 教科、学問的な科目。設問の academics を言い換えられる
academic achievement / academic performance 学業の成果、成績。このテーマでは、どちらも不可算で使う
motivate students to study 生徒に勉強する意欲を持たせる。motivate 人 to do の形で使う
focus on teaching 教えることに重きを置く。focus のうしろは on +名詞か動名詞
lose interest in a subject ある教科への関心を失う。interest のあとは in
fall behind in class 授業についていけなくなる
pay attention in class 授業で集中して聞く
the role of a teacher 先生の役割。role は of で受ける
a heavy workload 仕事量の多さ。教員の負担を述べるときに使う
extracurricular activities 課外活動。部活動を指すときにも使える
上級:バンド7以上を目指す段階
表現 意味と使いどころ
subject knowledge / subject expertise 教科についての専門的な知識。3-1で、先生にしか担えない部分を指すときに使える
student engagement / engage students in ... 学習への参加、生徒を参加させること。気持ちではなく、観察できる行動の側を指せる
disengaged students 授業から離れてしまっている生徒。4-1で使いやすい
intrinsic motivation / extrinsic motivation 内発的な動機づけ/外発的な動機づけ。どちらの意欲を論じているかを絞れる
pastoral care 生徒の生活面や心理面への支援。イギリスの学校について書かれた文章でよく使われる
classroom management 授業を成り立たせるための学級の運営
foster a love of learning 学ぶことへの関心を育てる。4-3の結論で使える
allocate time to ... 時間を割り当てる。優先順位を論じる文に合う
draw a line between A and B AとBの線引きをする。どこまでが先生の仕事かを述べるときに使える
a holistic approach to education 学力だけでなく、生徒の育ち全体を視野に入れる教育の考え方
よくある誤り
✗
Teachers should focus to teach academic subjects.focus のうしろは on +動名詞
○
Teachers should focus on teaching academic subjects.
✗
Motivate is important for students who have lost interest.motivate は動詞。主語には名詞の motivation を使う
○
Motivation is important for students who have lost interest.
✗
Teachers are responsible to the motivation of their students.責任の対象を示すときは for
○
Teachers are responsible for the motivation of their students.
motivate と encourage の使い分け
motivate は、行動を起こす意欲を与えるという意味です。motivate students to take an interest in science のように、まだそちらを向いていない相手にも使えます。
encourage は、すでにある動きを後押しする意味で使いやすい語です。encourage students to ask questions なら、質問してよいのだと伝えて背中を押している場面が浮かびます。どちらも 人 to do の形を取るので、迷ったら、気持ちを生み出す話なのか、後押しする話なのかで選びましょう。
ここに並べた表現を全部覚える必要はありません。自分が使いやすいものを数個選んで、実際の回答で使ってみるとよいでしょう。
07 モデルアンサーはどう作るか
このシリーズでは、モデルアンサーを先に読むのではなく、まず自分で材料を組み立てることを重視しています。モデルアンサーは、そのあとに比較対象として用意すると学習になります。作る手順はどの回でも同じなので、5つのステップとモデルアンサーの使い方は、シリーズの総論で解説しています。
実際に書いたあと、次の3点を確かめてみましょう。
比較のまま論じているか: やる気を引き出すことを、先生の仕事から外す主張になっていないか
2つとも扱っているか: 教科の指導と動機づけの両方について、自分の評価を書いているか
程度が読み取れるか: 導入と結論で、どのくらい賛成しているのかがそろっているか
同じ形のタスクで練習したい場合は、2つのものを more than や rather than で比べている設問を探してみましょう。教育に限らず、政府の支出や個人の選択を扱うタスクでも同じ読み方が使えます。
08 よくある質問
more than は「〜だけ」という意味ですか。
比較を表しています。focus on A more than B は、Bをしないという意味ではなく、Bより Aに重きを置くという意味です。ですから、両方について書いても設問から外れません。
to what extent と聞かれたら、部分的に賛成と書かなければいけませんか。
そのような決まりはありません。強く賛成しても、反対しても構いません。導入で示した程度と結論で述べる程度がそろっていれば、立場は読み手に伝わります。
自分の国の学校の様子を書いてもよいですか。
書けます。ただし、読み手がその国の事情を知らない前提で、何がどうなっているのかを1文で説明しておきましょう。日本の学校の形をそのまま世界共通の前提として書くと、主張の土台が崩れます。
教育学の専門用語を使ったほうが評価されますか。
その必要はありません。専門分野の知識そのものは、採点項目に入っていないためです。intrinsic motivation のような語も、意味と使いどころが分かっているときだけ使いましょう。
統計や研究を入れないと弱くなりますか。
そうとは限りません。参加していない生徒には内容が届かない、といった順を追った説明でも、議論は十分に成り立ちます。数字を使うときは原則として1つに絞り、主張とつながる形にしましょう。
やる気を引き出すのは家庭の役割だと考えています。そう書いてもよいですか。
書けます。ただし、家庭の話だけで段落を埋めると、先生の仕事の中での優先順位という論点から離れます。家庭に触れたあと、だから先生は何に時間を使うべきなのかまで書いておきましょう。
motivate と motivation は、どう使い分けますか。
motivate が動詞、motivation が名詞です。主語や目的語の位置には motivation を置き、人に働きかける動作を書くときは motivate students to do の形を使います。
このタスクの準備は、ほかの設問にも使えますか。
使えます。more than や rather than で2つを比べる設問は、テーマを変えて繰り返し出ています。一方を否定せずに重み付けとして論じる書き方は、政府の支出や個人の時間の使い方を扱うタスクでも同じように使えます。
09 まとめ
more than は比較なので、一方を切り捨てる読み方はしません。academics と motivating students の範囲も、学校教育全般へ広げず、先生の仕事の中に収めます。どちらをどれだけ優先するのかという程度まで示せていれば、設問にそのまま答えた回答になります。
2つを比べる設問では、一方を否定する形にせず、どちらをどれだけ優先するかで書く
to what extent には、賛成か反対かだけでなく、どの程度なのかまで示す
制度や統計を実例に使うときは、設問が聞いている対象に引きつけてから添える
シリーズの共通の進め方は、総論の記事から確認できます。
タスク深掘りシリーズ
タスク深掘りシリーズ:アイデア・実例・語彙・モデルアンサーまで1問ずつ徹底解説【総論】