IELTSライティングのタスク2は、書くべきことは分かっていても、時間内に書き終えられるかどうかで悩む人が多いパートです。プランニングをする時間なんてない、と感じて設問を読んだらすぐ書き始める人もいれば、逆に丁寧に考えすぎて見直しの時間がなくなってしまう人もいます。
この記事では、タスク2に使える40分という時間を、プランニング・執筆・見直しの3つにどう配分すればよいかを整理します。全員に共通する唯一の正解があるわけではなく、自分がどのくらいの速さで書けるかから逆算するのが実践的な考え方です。
目次
タスク2にかけられる40分とは何か
プランニングに何分使うかの判断基準
執筆にはどれくらいの時間が必要か
見直しの時間をどう確保するか
40分の配分パターンを、自分の執筆スピードから考える
よくある質問
まとめ
01 タスク2にかけられる40分とは何か
IELTSのライティングは、タスク1とタスク2をあわせて60分で書き上げる試験です。解答用紙やタスクの指示文には、タスク1は「about 20 minutes」、タスク2は「about 40 minutes」という目安時間が示されています。この20分・40分という数字は、紙の解答用紙に手書きで書く場合でも、コンピューターでタイピングする場合でも、指示として示される目安です。
ここで誤解しやすいのが、この20分・40分が試験の中で強制的に区切られているという理解です。実際には、ライティングは60分通しの試験で、タスクごとに時間の壁があるわけではありません。タスク1を先に18分で切り上げてタスク2に42分使うことも、タスク2から先に書き始めることも、受験者の判断でできます。あくまで「目安として、このくらいの配分がちょうどよい」という推奨であり、守らなければ失格になるような規則ではありません。
一方で、語数の条件はタスク1・タスク2それぞれ独立していて、タスク2で長く書いた分をタスク1に回すことはできません。時間は融通が利くが語数は融通が利かない、という非対称な関係になっている点を押さえておくと、本番での判断がしやすくなります。
もう1つ押さえておきたいのが、タスク2はタスク1の2倍の配点でライティング全体のスコアに反映されるという点です。この記事では、多くの受験者にとって扱いやすい基準として、タスク2に40分を割り当てる前提で話を進めますが、配点の重みを考えると、タスク1に時間をかけすぎてタスク2の時間を圧迫することは避けたいところです。すでにタスク1を速く仕上げられる人は、その分タスク2の時間を増やしてかまいませんし、タスク1にまだ時間がかかる場合は、タスク1の練習を重ねてタスク2の持ち時間を確保する方向で調整していくとよいでしょう。
逆に、時間配分を意識せずに書き進めると、タスク2の途中で残り時間が少ないことに気づき、結論を十分に書けないまま提出することになりがちです。タスク2の配点の重みを踏まえると、時間が足りなくなった場合はタスク2の執筆時間を確保することを優先し、タスク1を必要以上に長く書かないようにする方が結果につながりやすくなります。どちらを優先するかを本番の場で初めて考えるのではなく、あらかじめ決めておくと迷いが減ります。
02 プランニングに何分使うかの判断基準
40分のうち最初に判断が必要になるのが、プランニングにどれだけ時間を割くかです。プランニングとは、書き始める前にアイデアを整理し、エッセイ全体の骨組みを決める作業のことで、目標スコアによってかけるべき時間の目安が変わります。
目標スコアが5.5までであれば5分から6分、6.0前後であれば5分から10分が目安になります。さらに上のスコアを目指す人の中には、15分から20分ほどプランニングにかける人もいます。目標スコアが上がるほどプランニングに時間をかける傾向がある理由は、アイデアの数を増やすためというより、書き始めてから論理の矛盾に気づいて修正する手戻りを減らすためです。
ただし、この目安は「このスコアならこの分数」という固定の対応関係ではありません。実際にかけるべき時間は、目標スコアよりも、自分がプランニングをどれだけの速さでこなせるか、そして残りの時間で書き切れるかによって変わります。この点は、後述する「自分の執筆速度から逆算する」考え方とあわせて判断するのが実践的です。
プランニングの時間がもったいないと感じる人ほど、実際には書きながら考える時間の方が長くかかっています。1文だけを取り出せば1分ほどで書けても、そのペースのまま最後まで書き切れることはまれで、途中でアイデアが足りなくなったり、同じ内容を繰り返してしまったりして、結果的に時間を失うことになります。プランニングにかける時間は、執筆の時間を削るための出費ではなく、書き直しの時間を減らすための投資だと考えると判断しやすくなります。
目標スコアがまだ定まっていない場合や、プランニングをしたことがない場合は、まず5分から始めるとよいでしょう。5分という短い時間でも、次の2点だけをメモしておけば、書き始めたときに手が止まりにくくなります。
ポジション:賛成か反対か、あるいはどちらの意見にも触れるのか
ボディで使う理由:2つ、それぞれ一言でよいので書き出す
この2点を5分でメモしてから書き始めると、ボディの途中で理由が思いつかなくなって手が止まる、という事態を避けやすくなります。時間が余ったら、それぞれの理由について「なぜそう言えるのか」をもう一段掘り下げてメモを広げておくと、単に理由を並べるだけでなく、内容を発展させた状態で執筆に入れます。具体例まで先に用意できるならそれに越したことはありませんが、理由の掘り下げの方が優先度は高くなります。
ライティング・タスク2
プランニングの基本【初級】
03 執筆にはどれくらいの時間が必要か
執筆にかかる時間は、1分あたり何語書けるかという個人差が大きく、公式に定められた目安があるわけではありません。手書きで受験する場合と、タイピングで受験する場合とでも、実際にかかる時間は変わってきます。そのため、この記事で他の受験者の平均的な速さを示すよりも、自分自身の書く速さを事前に把握しておくことの方が実践的です。
目安になる分量としては、導入で40語から50語、ボディ2段落の合計で170語から190語、結論で30語から40語という配分がエッセイ全体の型として紹介されています。この配分で書くと、全体でおよそ260語から290語になり、250語以上という条件を満たしながら内容を十分に展開できる分量になります。
ブロック 語数の目安 役割
導入 40〜50語 設問の言い換えと、自分のポジションの提示
ボディ1 80〜100語 理由1つと、それを支える具体例
ボディ2 80〜100語 理由もう1つと、それを支える具体例
結論 30〜40語 ポジションの再確認と要約
ライティング・タスク2
IELTSエッセイの構成:ボディを2つにするか3つにするかの判断
この分量を自分がどのくらいの時間で書けるのか、一度は時間を測って確認しておくと本番での見通しが立ちます。たとえば270語のエッセイを30分で書き終えられるなら、プランニングに5分、見直しに5分をあてても40分に収まります。反対に、同じ270語に35分かかる場合は、プランニングか見直しのどちらかを削らざるを得なくなるため、先に自分のペースを知っておくことが配分そのものの判断材料になります。
普段の練習で320語や350語のような長いエッセイを書き慣れている場合、本番でも同じくらいの分量になりやすく、見直しの時間が圧迫されやすくなるため、目安の分量に近づける練習もあわせてしておくと安心です。書く速さは一朝一夕には変わりませんが、目安の語数に収める練習は、時間配分の見通しを立てやすくするという意味で効果があります。
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04 見直しの時間をどう確保するか
見直しの時間は、プランニングや執筆に比べて後回しにされがちですが、40分の中に3分から5分ほど残しておくと、単純な書き間違いをスコアに影響させずに済みます。見直しで確認したいことは、次の4点に絞るとその場で処理しきれます。
確認すること 具体的に見る箇所
語数が足りているか 250語を下回っていないか
設問に答えられているか タスクで問われている点にすべて触れているか
主語と動詞の一致 三単現のs、単数・複数の一致が崩れていないか
冠詞とスペル a/anの抜け、綴りの単純な間違い
ライティング・タスク2
IELTSライティングの語数:250語に足りないとどうなるか
見直しの時間が取れなかった場合、内容面の評価がすぐに下がるわけではありませんが、単純な文法ミスや語数不足に気づけないまま提出することになり、Task ResponseやGrammatical Range and Accuracyの観点で不利に働くことがあります。コンピューターで受験する場合は画面上にリアルタイムで語数が表示されるため、250語を超えているかどうかは書きながら確認できます。紙の解答用紙に手書きで書く場合はこの表示がないため、書き終えた時点で残り時間がほとんどなくても、語数だけは数え直しておくと致命的な不足には気づけます。250語を大きく超えること自体がスコアを下げるわけではありませんが、書きすぎて見直しの時間が削られることの方が実際には影響しやすい点です。
見直しの順番も、思いついた箇所から直すのではなく、上の表の並びで進めると効率がよくなります。語数がそもそも足りていなければ、文法の細かい修正よりも先に、結論やボディに1文足して語数を確保する方が優先度は高くなります。逆に語数が十分にある場合は、主語と動詞の一致や冠詞の抜けのような、短時間で直せる文法面のミスを優先して拾っていくと、限られた時間の中でも効果が出やすくなります。
段落の途中で改行が必要な箇所を見落としていないかも、見直しで拾える点のひとつです。1つの段落に複数のアイデアが混ざっていないかを確認する視点は、プランニングの段階だけでなく見直しの段階でも役に立ちます。
ライティング・タスク2
IELTSエッセイの段落分け:どこで改行するかの判断基準
05 40分の配分パターンを、自分の執筆スピードから考える
ここまで見てきたとおり、プランニング・執筆・見直しの配分に、全員に共通する唯一の正解はありません。目標スコアは1つの参考にはなりますが、実際に配分を決める軸として使いやすいのは、260語から290語程度のエッセイを自分がどのくらいの時間で書き終えられるか、という執筆スピードです。次の3パターンは、その執筆スピードを起点にした例で、いずれも合計40分になります。
270語前後を書くのにかかる時間 プランニング 執筆 見直し 合計
25分以内 10分 25分 5分 40分
30分前後 7分 30分 3分 40分
35分以上 3分 35分 2分 40分
執筆そのものが速い人は、その分プランニングと見直しに時間を回せます。逆に執筆に時間がかかる人は、プランニングを短めに切り上げて執筆時間を確保しないと、見直しの時間がほとんど残らなくなります。この表はあくまで一つの目安であり、これ以外の配分が誤りというわけではありません。大切なのは、3つの作業を合計したときに40分に収まっているかどうかを、練習の段階で一度確認しておくことです。
自分の執筆スピードがまだ分からない場合は、まず「30分前後」の行を出発点にして練習し、実際にかかった時間とのずれを見ながら、プランニングと見直しの配分を自分用に調整していくとよいでしょう。目標スコアが高い人ほどプランニングに時間をかける傾向があるのは事実ですが、それは目標スコアそのものが理由ではなく、内容を練り込む分、書きながら考え直す手戻りを減らす必要があるためです。書くスピードが速く、手戻りも少ない人であれば、プランニングを短めにしても同じような効果が得られます。
本番でこの配分どおりに進まなかった場合も、慌てて手順を飛ばす必要はありません。プランニングに時間をかけすぎたと感じたら、ボディの理由を1つに絞って執筆時間を確保する、見直しの時間がほとんど残らなかったら語数の確認だけに絞る、というように、優先順位をつけて削る部分を決めておくと対応しやすくなります。
時計の見方も配分の一部です。試験会場によっては壁掛け時計やモニター上の残り時間表示があるので、40分が経過した時点ではなく、途中の節目、たとえば残り25分の時点でどこまで進んでいるべきかを事前に決めておくと、書きながら軌道修正しやすくなります。プランニングを終えた時点、ボディ1を書き終えた時点というように、区切りごとの目標時刻をあらかじめ決めておく人もいます。
06 よくある質問
タスク2に使える時間は本当に40分と決まっていますか
決まった持ち時間ではありません。ライティングは60分通しの試験で、タスクごとに時間が区切られているわけではなく、40分はタスクの指示文に示された推奨の配分です。タスク1を早く終えてタスク2に多く時間を回すことも可能ですし、逆に配分を変えても失格になるような規則ではありません。
プランニングをしないで書き始めても大丈夫ですか
書き始めること自体はできますが、途中でアイデアが不足したり、内容が重複したりして、結果的に書き直しの時間がかかることがあります。まずは5分だけプランニングに使ってみて、その効果を試してみるとよいでしょう。
プランニングに10分以上かけるのは長すぎますか
目標スコアで決まる正解はなく、個人のペースによります。論理構成にこだわりたい場合や、執筆自体が速い場合は15分から20分かけることもあります。ただし、その分執筆と見直しの時間が短くなるため、40分全体でバランスが取れているかを確認しておくとよいでしょう。
見直しの時間が取れない場合はどうすればよいですか
見直しの項目を絞って対応します。すべてを確認する時間がない場合は、まず語数が250語を下回っていないかだけでも確認しておくと、最低限の不利益は避けやすくなります。
タスク1に時間がかかってタスク2の時間が減ってしまった場合はどうしますか
タスク2を優先して時間を確保する判断もできます。タスク2はタスク1の2倍の配点でスコアに反映されるため、タスク1を多少短く切り上げてでも、タスク2のプランニングと見直しの時間を残す方が結果につながりやすくなります。
見直しでは具体的に何を確認すればよいですか
語数、設問への対応、主語と動詞の一致、冠詞とスペルの4点を優先して見ます。時間が限られている場合は、この中で語数の確認を最優先にし、余裕があれば文法面の確認に進むという順番にするとよいでしょう。
手書きとタイピングで時間配分は変わりますか
書く速さそのものは手書きとタイピングで変わる可能性がありますが、40分という推奨時間の指示自体はどちらの受験方式でも同じです。自分がどちらの方式で受験するかに応じて、練習のときに実際の所要時間を測っておくとよいでしょう。
07 まとめ
タスク2の40分には、全員に共通する唯一の正解の配分はありません。プランニング・執筆・見直しという3つの作業に分けたうえで、自分が260語から290語程度のエッセイをどのくらいの時間で書けるかを起点に、残りの時間からプランニングと見直しの配分を決めるのが現実的です。目標スコアが上がるほどプランニングにかける時間は長くなる傾向がありますが、これは目標スコアが直接の理由ではなく、手戻りを減らす必要があるかどうかによるものです。どのパターンでも見直しの時間を数分残しておくことが、書き終えたあとの取りこぼしを防ぐことにつながります。
タスク2の40分は推奨の目安であり、タスク1との配分は自分で調整できる
タスク2はタスク1の2倍の配点でスコアに反映されるため、時間が足りない場合はタスク2を優先する
プランニングにかける時間は目標スコアで決まる固定値ではなく、自分の執筆スピードから逆算する
執筆は導入40語から50語、ボディ合計170語から190語、結論30語から40語を目安にする
見直しは3分から5分を確保し、語数・設問対応・文法・スペルの順に優先する
本番で配分どおりに進まなかったときのために、削る順番を先に決めておく