動物園を残すべきか、閉じるべきか。この問いには、動物の扱いが残酷かどうかという話と、希少種を守るのに役立っているかどうかという話が、同時に含まれています。
第13回で取り上げるのは、その2つの見方を並べて賛否を問うタスクです。かみ合っていない主張をどう受けるかという読み方から始めて、両側のアイデアをどこまで掘り下げられるかを考えます。飼育下繁殖からの野生復帰とコスタリカの動物園閉鎖という実例、動物と保全をめぐる語彙も扱います。
目次
このタスクでは何が問われているのか
動物園をめぐって、いま何が分かっているのか
閉鎖すべきだという側でよく使われるアイデアと、その掘り下げ方
保全に役立つという側でよく使われるアイデアと、その掘り下げ方
回答に入れられる実例はどれか
中級と上級で押さえたい語彙とコロケーション
モデルアンサーはどう作るか
よくある質問
まとめ
01 このタスクでは何が問われているのか
動物園の是非を正面から扱ったタスクを1問見てみます。
Some people think that zoos are cruel and all the zoos should be closed. However, others think that zoos are useful to protect rare animals. Discuss both views and give your own opinion.
共通の読み方の手順は、シリーズの総論で扱っています。ここでは、このタスクで実際に起きる読み違いから見ていきます。
タスク深掘りシリーズ
タスク深掘りシリーズ:アイデア・実例・語彙・モデルアンサーまで1問ずつ徹底解説【総論】
1-1 2つの見方を、賛成か反対かの一直線に並べる
✗
論じる中身=動物園に賛成か、反対か残酷さの話と保全の話が混ざり、どちらにも答えきれない
○
論じる中身=①動物の扱いが残酷か ②希少種を守るのに役立っているか別々の軸なので、それぞれに答える
設問に並んでいる2つの見方は、同じことの裏表ではありません。前半の cruel は、動物園の中で動物がどう扱われているかを問題にしています。後半の useful to protect rare animals が問題にしているのは、動物園が外の世界にもたらしている結果です。片方が正しければもう片方が誤りになる、という関係にはなっていません。
この構造に気づくと、書ける立場が増えます。動物の扱いに問題がある種や施設があることを認めながら、保全の役割は果たされていると書けます。逆に、保全の実績は認めたうえで、その実績が飼育のあり方を正当化するとは限らない、と書くこともできます。両側が別の軸で話しているときは、どこで対立しているのかを導入で示しておくと、本文の2段落がつながります。
1-2 all the zoos の all を落として読む
✗
動物園には良い面もあるので、閉鎖すべきではない相手が言っている「すべて」に触れていない
○
基準を満たしている施設が1つでもあれば、すべてを閉じる根拠にはならないall という限定に正面から答えている
閉鎖すべきだという側の主張は all the zoos should be closed です。ここには例外が認められていません。ですから、この主張を崩すのに全部の動物園を擁護する必要はありません。条件を満たす施設が存在することを示せば、すべてという部分が成り立たなくなります。
逆に、閉鎖すべきだという立場で書く場合は、この all を自分で引き受けることになります。良い施設もあるが例外は認めない、と言い切るための理由が要ります。そこまで書けないと感じるなら、条件つきで賛成する立場のほうが組み立てやすくなります。
ライティング・タスク2
最上級・ONLYなどの極論に対するagree/disagree:反例を1つ挙げれば崩せる問題タイプの見分け方
タスクを3つの要素に分ける
要素 このタスクでの中身
前提として与えられている事実 動物園があり、その是非について意見が分かれている
論じる対象 残酷なのですべて閉鎖すべきだという見方と、希少種を守るのに役立つという見方
問われていること 両方の見方を論じたうえで、自分の意見を示すこと
Discuss both views の設問なので、片側だけを厚く書いて終える形は取れません。どちらの段落でも、その見方が何を根拠にしているのかを示してから、自分の評価を加えます。
ライティング・タスク2
問題タイプ別の答え方:Discuss both views【各論②】
02 動物園をめぐって、いま何が分かっているのか
このテーマは、好きか嫌いかの話になりやすいところです。制度と調査で確かめられていることから見ていきましょう。
保全への参加を法律で求めている地域がある
EUには、1999年に採択された動物園指令(Council Directive 1999/22/EC)があります。加盟国に対し、動物園の免許制と定期的な検査の仕組みを整えることを求めるもので、2005年4月からは各国での本格的な実施と執行が求められています。
この指令が動物園に求めているのは、保全に役立つ研究への参加、保全技術の訓練、種の保全に関する情報交換、必要に応じた飼育下繁殖や個体群の回復、野生への再導入といった取り組みのいずれかを行うことと、生物多様性の保全について来園者への教育と啓発を行うことです。あわせて、その種の生物学的な必要に合った飼育環境、環境エンリッチメント、獣医療、栄養管理の水準も求めています。
つまり、このタスクで問われている2つの論点は、EUでは制度としてすでに条件になっています。ただし、この指令が及ぶのはEU域内だけです。世界全体では、免許や検査の仕組みの強さは国によって違います。
どれくらいの規模で運営されているのか
世界動物園水族館協会(WAZA)は、世界で年間7億人以上が動物園や水族館を訪れていると推計しています(GussetとDickによる調査、Zoo Biology、2011年)。ヨーロッパでは、EAZA(欧州動物園水族館協会)が500種を超える動物について域内共同の個体群管理計画を運営しています。1つの施設ではなく、複数の施設が血統を共有して繁殖の組み合わせを決める仕組みです。
飼育下の福祉については、数字が更新されている
2008年に Science に掲載された研究では、ヨーロッパの動物園のゾウの寿命の中央値が、生息国の保護された個体群のおよそ半分だと報告されました。この数字は、動物園への批判の根拠として長く引用されてきたものです。
一方、2026年7月に Scientific Reports に掲載された研究では、3,000頭を超えるアフリカゾウとアジアゾウの記録をもとに、1960年から1992年までと1992年から2024年までが比較されています。後の期間では平均寿命がメスで最大21%、オスで最大44%伸び、直近の期間の生存率は、ケニアのアンボセリとサンブルの野生個体群や、ミャンマーで働く半野生のアジアゾウと同等かそれ以上になったと報告されています。
どちらの数字も実在します。回答で古いほうだけを引いて「いまもそうである」と書くと、事実として正確ではなくなります。年を添えて、いつの時点の話なのかが分かる形にしておきましょう。
日本の感覚との違い
日本では動物園は身近な公共施設で、閉鎖という選択肢そのものが想像しにくいかもしれません。ただ、実際に州立の動物園を閉じた国があります。この前提の違いを意識しておかないと、閉鎖すべきだという側の議論を、現実味のない主張として片づけてしまいます。
03 閉鎖すべきだという側でよく使われるアイデアと、その掘り下げ方
まず自分で書き出してから、以下を読むことをおすすめします。先に完成品を読むと、そこに書いてあった議論しか浮かばなくなります。
3-1 もともとの行動の範囲を、施設の中では再現できない種がある
同じ広さの飼育場でも、そこに入る動物によって意味はまったく変わります。小型の動物と、1日に何十キロも移動する動物や、広い縄張りを持つ大型の肉食獣とでは、必要とする条件が別物だからです。
動物園全体ではなく種の側から線を引くと、議論が具体的になります。02で見たゾウの調査が使えるのはこの段落です。批判の対象になってきた種について実際に何が測られてきたのか、それが近年どう変わったのかを示せば、感情に頼らずに書けます。すべての動物がかわいそうだ、という書き方をすると、そこで議論が止まります。
ライティング・タスク2
感情論に頼らない論理的な議論の構築:かわいそう・怒っているを根拠にしない書き方
3-2 保全に貢献しているのは、一部の施設に限られる
動物園という一語では、まとめきれません。02で見たとおり、保全への参加が法律で求められている地域がある一方で、免許や検査の仕組みが弱い国もあります。同じ「動物園」でも、実際に行っていることは違います。
この論点を掘り下げると、閉鎖側の主張を強くできます。保全の実績を挙げられる施設が一部だとすれば、残りの施設は何のために動物を飼育しているのか、という問いが立つからです。ただし、ここまで書くと、閉じるべきなのは基準を満たさない施設だ、という結論に近づきます。設問の all をどこまで引き受けるかを決めてから書き進めましょう。
3-3 展示として選ばれる種と、保全上の優先度が一致しない
3つ目は、運営の仕組みそのものに向けた指摘です。動物園は、入場料をはじめとする来園者からの収入で運営されています。そのため、来園者を集めやすい大型の哺乳類が展示の中心になりやすい、と言われます。
一方、絶滅の危険が高い種には、両生類や無脊椎動物など、来園者を集めにくい動物も多く含まれます。守るべき種と、集客に向く種が一致しないという指摘は、動物園が保全の担い手として最適かどうかを問う議論につながります。同じ費用を生息地の保護に使ったほうが多くの種を守れる、という主張も、ここから出てきます。
04 保全に役立つという側でよく使われるアイデアと、その掘り下げ方
4-1 飼育下で殖やした個体が、実際に野生へ戻された種がある
アラビアオリックスは、1972年に野生では絶滅したとされた種です。ところが飼育下で繁殖された個体をもとに1982年にオマーンで放獣が始まり、2011年にはIUCNレッドリストで危急種(Vulnerable)に評価が変わりました。野生絶滅とされた種が、この段階まで回復した最初の例とされています。反対側で使える材料としては、これがいちばん強いものです。
モウコノウマも同じ経路をたどっています。飼育下の個体から個体群が再建され、モンゴルでは500頭を超える個体が自由に生息しています。2024年にはカザフスタンへの再導入も行われました。どちらも数十年かかっている点は、書き添えておきたいところです。飼育下で個体群を保つ仕組みがなければ、この時間を稼ぐことは難しかったはずです。
4-2 1つの施設ではできない個体群管理を、共同で行っている
少ない個体から殖やすと近親交配が進み、世代を重ねるうちに個体群が弱くなります。これを避けるには、どの個体とどの個体を組み合わせるかを、施設をまたいで決めなければなりません。繁殖を管理する仕組みは、そのために作られています。
02で触れたEAZAの計画が、その具体例になります。500種を超える動物について、血統の記録を共有し、繁殖の推奨を出しています。1つの動物園が単独で希少種を守っているのではなく、記録と個体を共有する仕組みが動いている、という書き方をすると、動物を見せているだけだという批判に答えられます。
4-3 保全のための資金と関心を、来園者から集めている
生息地での保護活動には資金が要ります。ただ、その出どころを確保するのは簡単ではありません。
ここで、2011年の調査で年間7億人以上と推計された来園者の規模が意味を持ちます。ただし、意識が高まるという書き方で止めると、根拠として弱いままです。入園料と寄付が生息地での活動の財源になっていること、野生で見る機会がほとんどない種を実際に見た経験が支持につながることまで書けば、議論を掘り下げられます。
自分の意見をどう決めるか
01で見たとおり、この設問では2つの軸が別々に立っています。それぞれにどう答えるかを決めると、立場がはっきりします。
立場 動物の扱いについて 保全の役割について
すべて閉鎖すべき 飼育そのものが認められない 役割は認めるが、飼育を正当化しない
条件つきで残す 問題のある施設と種がある 基準を満たす施設では果たされている
閉鎖すべきでない 飼育の水準は改善されてきた 他に代わる仕組みがない
取りやすいのは真ん中の立場です。批判されてきた事実を認めたうえで、すべてを閉じるという結論には同意しない。こう書けば、両方の見方を論じるという設問の要求にも沿います。
05 回答に入れられる実例はどれか
深掘りの段階では、2件から3件ほど用意しておけば十分です。回答への入れ方、たとえば主張のあとに1文か2文で添えることや、数字は原則として1つに絞ることは、シリーズの総論にまとめています。
事例 何を示しているか 報告されていること
アラビアオリックスの再導入
飼育下繁殖が野生復帰につながった例。4-1で使う
1972年に野生では絶滅したとされ、飼育個体をもとに1982年にオマーンで放獣が始まった。2011年にIUCNレッドリストで危急種(Vulnerable)に評価が変わっている
コスタリカの州立動物園の閉鎖(2024年)
閉鎖が現実に選ばれた例。3-2や導入で使える
2012年の野生生物保全法の改正のあと、閉鎖をめぐる訴訟が10年以上続いた。運営委託の契約は2024年5月9日に満了し、更新されなかった。287頭の動物が評価とリハビリのための施設へ移された
ゾウの生存率に関する研究(2008年と2026年)
批判の根拠が更新されている例。3-1で使う
2008年のScienceでは、ヨーロッパの動物園のゾウの寿命の中央値が生息国の保護された個体群のおよそ半分と報告された。2026年7月のScientific Reportsでは、1992年以降の期間で平均寿命がメスで最大21%、オスで最大44%伸びたと報告されている
3件のうち、閉鎖側で使いやすいのはコスタリカの例です。ただし、この閉鎖が決まってから実行されるまでに10年以上かかっている点まで書くと、簡単な話ではないことも同時に示せます。
このタスクでの入れ方
✗
The Arabian oryx was declared extinct in the wild in 1972, and after captive breeding in zoos, animals were released in Oman in 1982, so that by 2011 the IUCN had moved the species to the Vulnerable category, with around 1,200 individuals in the wild.年号と数字が4つ並び、報告書のような文章になっている
○
The Arabian oryx, which no longer existed in the wild in the 1970s, was returned to the desert from animals bred in zoos and is now classified as Vulnerable rather than extinct.主張のあとに1文。何がどう変わったのかが分かる
IELTSの回答では、出典を詳しく示す必要はありません。何が、どこで、どうなっているのかが分かれば、具体例として十分です。
06 中級と上級で押さえたい語彙とコロケーション
このテーマでは、動物を飼育している状態を表す言い方と、保全の活動を表す言い方の両方が要ります。日本語では同じ「守る」で済む場面が多いので、英語で書き分けられるようにしておきましょう。
中級:バンド6を目指す段階
表現 意味と使いどころ
keep animals in captivity 動物を飼育下に置く。captivity は不可算で、in captivity の形でよく使う
an endangered species 絶滅の危険がある種。species は単複同形で、a species / many species のどちらも使う
a breeding programme 繁殖計画。動物園が参加している取り組みを指すときの基本の言い方
release an animal into the wild 動物を野生に戻す。前置詞は into。to は使わない
be cruel to animals 動物に対して残酷である。cruel は to をとる。設問も zoos are cruel の形
animal welfare 動物福祉。飼育されている動物の状態を論じるときの語
protect wildlife 野生生物を守る。wildlife は不可算で、複数形にしない
a natural habitat 本来の生息地。生息地の保護を論じるときに使う
上級:バンド7以上を目指す段階
表現 意味と使いどころ
captive breeding 飼育下繁殖。4-1の中心になる語
reintroduce a species into the wild 種を野生に再導入する。名詞は reintroduction
ex situ conservation / in situ conservation 生息地の外で行う保全と、生息地で行う保全。動物園の役割を位置づけるときに使える
genetic diversity 遺伝的多様性。近親交配を避ける話で使う
an international studbook 国際血統登録。施設をまたいだ個体群管理を指す語
stereotypic behaviour 常同行動。同じ動きを繰り返す状態を指し、飼育環境の評価で使われる
enrich an enclosure 飼育施設の環境を豊かにする。名詞は environmental enrichment
a flagship species 象徴となる種。関心や資金を集める役割を説明するときに使う
phase out ... 段階的にやめる。すべてを一度に閉じる案との違いを示すときに便利
よくある誤り
✗
Zoos should protect endanger animals from extinction.形容詞は endangered。endanger は動詞
○
Zoos should protect endangered animals from extinction.
✗
Keeping large mammals in cages is cruel for animals.cruel は to をとる
○
Keeping large mammals in cages is cruel to animals.
✗
These animals were released to the wild after ten years.release は into the wild の形で使う
○
These animals were released into the wild after ten years.
✗
Governments should spend more money on protecting wildlifes.wildlife は不可算。複数形にしない
○
Governments should spend more money on protecting wildlife.
animal welfare と animal rights の使い分け
animal welfare は、飼育されている動物がどのような状態にあるかを問う語です。広さ、健康、行動の自由といった条件を評価する場面で使います。飼育そのものの是非を必ずしも問わずに、その水準を論じられます。
animal rights は、動物に権利があるという考え方を指す語です。この立場からは、条件を改善しても飼育や展示そのものが問題だという主張になります。設問の all the zoos should be closed という主張も、この考え方と結びつくことがあります。
回答でどちらを使うかによって、書ける結論が変わります。条件つきで残すという立場で書くなら welfare、すべて閉鎖すべきという立場で書くなら rights のほうが、主張と語が合います。
ここに並べた表現をすべて暗記する必要はありません。自分が使いやすいものを数個選び、実際の回答で使えるようにしておきましょう。
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コロケーション検索
species や habitat のような語を入力すると、その語と自然に組み合わさる表現を確認できます
07 モデルアンサーはどう作るか
このシリーズでは、モデルアンサーを先に読むのではなく、まず自分で材料を組み立てることを重視しています。モデルアンサーは、そのあとに比較対象として用意すると学習になります。作る手順はどの回でも同じなので、5つのステップとモデルアンサーの使い方は、シリーズの総論で解説しています。
実際に書いたあと、次の3点を確かめてみましょう。
2つの軸に答えているか: 動物の扱いと、保全の役割の両方について、自分の評価が読み取れるか
all を扱っているか: すべて閉鎖すべきだという部分に触れないまま、動物園の利点だけを並べていないか
実例の時点がそろっているか: 古い調査の数字を、いまの状況として書いていないか
同じ構造のタスクで練習したい場合は、収録タスクから環境や動物を扱ったものを探せます。2つの見方が別の軸で立てられている設問は、教育や技術のテーマでも出ます。
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タスク検索
ライティング・タスク2の収録タスクを、テーマや問題タイプから絞り込んで探せます
08 よくある質問
動物園に行ったことがなくても書けますか。
書けます。このタスクで問われているのは、動物の扱いが残酷かどうかと、希少種を守るのに役立っているかどうかです。個人の体験ではなく、制度や調査で確かめられることを材料にすれば十分です。
「動物園にも良い面がある」と書けば、閉鎖すべきという主張に反論したことになりますか。
それだけでは足りません。相手の主張は all the zoos should be closed で、例外を認めていません。基準を満たす施設が存在することを示して、すべてという部分が成り立たないと書くと、正面から答えたことになります。
どちらか一方に賛成しないといけませんか。
その必要はありません。飼育の水準に問題がある施設や種があることを認めたうえで、すべてを閉じるという結論には同意しない、という立場が取れます。ただし、どこまで認めてどこから認めないのかを導入で示しておきましょう。
動物がかわいそうだ、という理由で書いてもよいですか。
気持ちだけを根拠にすると、そこで議論が止まります。どの種で何が難しいのか、何が測られているのかまで書くと、同じ主張でも展開できます。ゾウのように調査が重ねられてきた種を選ぶと書きやすくなります。
古い研究の数字を使ってもよいですか。
使えますが、いつの調査かを添えましょう。動物園のゾウの生存率のように、あとの研究で状況が変わったと報告されているものがあります。年を書かずに「動物園の動物は短命だ」と断定すると、事実として正確ではなくなります。
日本の動物園の例を使ってもよいですか。
使えます。読み手が日本の事情を知らない前提で、その施設が何をしているのかを1文で説明しておきましょう。国際的な繁殖計画に参加している例なら、4-2の論点とつなげられます。
animal welfare と animal rights は同じ意味で使えますか。
別の語です。welfare は飼育されている動物の状態を評価する語で、飼育すること自体は前提にします。rights は動物に権利があるという考え方を指し、飼育そのものを認めない立場につながります。自分の結論に合うほうを選びましょう。
このタスクの準備は、他の設問にも使えますか。
使えます。2つの見方が別の軸で並んでいないかを確かめること、all や every のような限定に正面から答えることは、テーマが変わっても同じように使えます。環境や技術のタスクでも同じ形が出ます。
09 まとめ
動物の扱いの話と、保全の役割の話。この2つは、片方が正しければもう片方が誤りになるという関係ではありません。同じ軸に乗っていないことを確かめたうえで、閉鎖すべきだという側が all と言っている点を受け止めます。ここまで整理してから制度と実例で両側を埋めていけば、賛否のどちらに寄せても内容のある段落になります。
2つの見方が並ぶ設問では、それぞれが何について述べているのかを先に分ける
all や every で書かれた主張には、例外を1つ示すことで答えられる
調査の数字を使うときは、いつの時点のものかを添える
シリーズの共通の進め方は、総論の記事から確認できます。
タスク深掘りシリーズ
タスク深掘りシリーズ:アイデア・実例・語彙・モデルアンサーまで1問ずつ徹底解説【総論】