ジェネラル・トレーニングのリーディングSection 2では、社内規定や研修の案内といった職場の文書から語を抜き出し、空欄を埋める設問がたびたび出題されます。文法が苦手な人にとって、本文の該当箇所を見つけても、どの形の語を書けばよいかを決められないこの設問は、大きな関門になります。
この記事では、空欄の前後の語から入る品詞を決める方法と、本文の語が名詞か形容詞かを語尾から見分ける方法を、職場の文書を使った例で説明します。文法書を最初からやり直す前に何を練習すればよいかも、あわせて紹介します。
目次
Section 2で文法の知識が必要になるのはどの設問か
文法が苦手な人は穴埋め問題でどう間違えるか
空欄に入る語の品詞は、前後のどの語で決まるか
本文の語が名詞か形容詞かを語尾から見分けるには
文法が苦手な人は何から練習すればよいか
よくある質問
まとめ
01 Section 2で文法の知識が必要になるのはどの設問か
ジェネラル・トレーニングのリーディングに、文法だけを問う設問はありません。文法の知識が必要になるのは、本文から語を抜き出して空欄を埋める穴埋め問題です。空欄に入る語の品詞や単数・複数を判断できないと、該当箇所を見つけていても正解にはなりません。
リーディングは60分で40問、3つのセクションに分かれています。Section 2で読むのは、求人への応募、社内規定、給与や勤務条件、研修の案内など、職場に関する文書です。設問には、文の空欄を埋める Sentence Completion のほか、ノート・表・フローチャートの空欄を埋める形式もたびたび出てきます。
指示文の例
Complete the sentences below. Choose ONE WORD ONLY from the text for each answer.
ONE WORD ONLY なら1語だけ、NO MORE THAN TWO WORDS なら1語か2語を書きます。本文の語句を長めに写すと制限を超えるので、空欄の前後と文法的につながる語を、本文の中から1語か2語だけ選ぶ必要があります。
抜き出した語は、本文に書かれている形のまま使うのが基本です。設問に合わせて completion を complete に直すような書き換えはしません。そのため、空欄に合う形を文法で先に決めてから、その形の語を本文で探す順番で解きます。
文や表の空欄を埋める設問は、アカデミックのリーディングにも出てきます。アカデミックは学術的なテーマの文章を読むので題材は違いますが、空欄の前後から入る語の形を決める手順は変わりません。
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02 文法が苦手な人は穴埋め問題でどう間違えるか
Section 2の穴埋め問題で落とすのは、該当箇所が見つからなかった問題だけとは限りません。該当箇所まではたどり着いたのに、そこから形の合わない語を取ってしまう誤答もあります。
2-1 意味の合う語を、品詞を確かめずに書く
本文
New employees are expected to complete the online safety course within their first two weeks. Completion of the course is recorded automatically, so there is no need to submit a certificate. Staff who fail to complete it on time may have their access to the building restricted.
設問文(ONE WORD ONLY)
Staff do not have to hand in a certificate because the system records .............. automatically.
✗
complete「完了する」という意味にひかれて、動詞を書いている
○
completionrecords の目的語になる名詞
設問文は、本文2文目の Completion of the course is recorded automatically を言い換えたものです。「完了」という意味だけを頼りに探すと、本文に2回出てくる complete が先に目に入ります。
空欄の直前は records という動詞で、うしろは automatically という副詞です。何を記録するのかにあたる目的語が抜けているので、空欄には名詞が入ります。本文で名詞の形になっているのは completion だけです。本文の該当箇所に complete と completion のような形違いの語が並んでいるときは、空欄の前後を読み直してから品詞を決めます。
2-2 単数と複数を取り違える
本文
Each department has been given two parking permits for visitors. Permits must be collected from reception on the morning of the visit and returned before 5 pm. A permit that is not returned by this time will be cancelled.
設問文(ONE WORD ONLY)
Visitors' .............. need to be returned to reception by the end of the afternoon.
✗
permit本文3文目の A permit を写している
○
permitsうしろの need に -s が付いていないので、主語は複数
本文には permit と permits の両方が出てきます。設問文の Visitors' .............. だけを見ると、どちらでも入りそうに見えます。
手がかりになるのは空欄のうしろの need です。主語が単数なら needs になるので、-s の無い need から、主語は複数だと分かります。本文2文目も Permits must be collected ... and returned と、複数形で書かれています。
単数と複数の違いは語の末尾の s だけなので、該当箇所が合っていても、書き写すときに落としがちです。形が1文字違うだけでも、本文の語と違う語を書いたことになります。解き終えたら、空欄のうしろの動詞の形と、答えの語の末尾を見比べておくと安心です。
2-3 空欄のうしろにある名詞を見落とす
本文
From next month, the number of days staff may work from home will rise gradually. Employees will start with one day a week, and a second day will be added after three months. The HR team believes a gradual approach will give managers time to adjust their schedules.
設問文(ONE WORD ONLY)
According to the HR team, a .............. change gives managers enough time to rearrange schedules.
✗
gradually「徐々に」という意味は合っているが、名詞の change を修飾できない
「徐々に」という意味は合っているので、本文1文目の gradually を書きたくなります。ところが空欄のうしろには change という名詞があります。名詞を修飾するのは形容詞なので、入るのは本文3文目にある gradual です。
空欄の前の a だけを見ると、名詞が入りそうに思えるかもしれません。a と名詞のあいだが空欄になっているときは、形容詞か、名詞を修飾する名詞が入ります。空欄の前とうしろの両方を読んでから、品詞を決めましょう。
03 空欄に入る語の品詞は、前後のどの語で決まるか
空欄に入る品詞は、空欄の直前の語と直後の語の組み合わせから見当が付きます。本文を探し始める前に、次の表の組み合わせに当てはめて、入る語の形を決めておきます。
空欄の前後 入る語 例
the・a・my・their などのうしろで、次に名詞が続かない 名詞 the .............. of the new system(introduction)
a・the と名詞のあいだ 形容詞、または名詞を修飾する名詞 a .............. meeting(weekly/team)
前置詞(of・for・in・without など)のうしろ 名詞、または -ing形 apply for .............. in advance(leave)
be動詞・feel・become・seem のうしろ 形容詞(-ed形・-ing形を含む)、または名詞 staff feel .............. when ...(valued)
不定詞の to、can・must・should のうしろ 動詞の原形 staff must .............. their manager(inform)
has been・have been のうしろで、by などが続く 過去分詞 the form has been .............. by HR(approved)
文の先頭の空欄で、うしろに動詞が続き、ほかに主語が見当たらない 名詞(単数か複数かは、うしろの動詞の形で決まる) .............. are available at reception(forms)
表の中には、前の語だけでもうしろの語だけでも決まらない組み合わせがあります。the のうしろには名詞が来ることが多いものの、the .............. meeting のように次に名詞が続いていれば、空欄は形容詞か名詞を修飾する名詞になります。2-3の gradual は、この組み合わせでした。
職場の文書には、staff canteen、health insurance、training session のように、名詞を2つ並べた言い方がよく出てきます。ONE WORD ONLY の設問で a .............. session のような空欄があれば、training のような名詞1語が入ることもあります。a と名詞のあいだには形容詞しか入らないと決めつけず、本文にある語のまとまりを確かめる必要があります。
品詞が決まったら、名詞なら単数か複数か、動詞なら -s や -ed が要るかまで見ておきます。本文を探す前にここまで決めておけば、該当箇所に形違いの語が並んでいても、迷わずに答えの語を決められます。
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04 本文の語が名詞か形容詞かを語尾から見分けるには
空欄の品詞が決まっても、本文の中でどの語が名詞でどの語が形容詞なのかが分からなければ、どれを取ればよいか判断がつきません。語の意味は知っていても、品詞まで意識して覚えていない人もいるでしょう。そういうときに手がかりになるのが語尾です。
品詞 よく見る語尾 職場の文書に出てくる語の例
名詞(もの・こと) -tion・-sion・-ment・-ness・-ity・-ance・-ence completion, payment, availability, attendance
名詞(人) -ee・-er・-or・-ant employee, employer, supervisor, applicant
形容詞 -ful・-less・-ous・-ive・-able・-ible・-al useful, various, effective, available, annual
動詞 -ise・-ize・-ify・-en organise, notify, shorten
副詞 -ly gradually, promptly
語尾は見当を付けるための手がかりで、例外もあります。proposal や arrival は -al で終わる名詞、representative は -ive で終わる名詞、friendly は -ly で終わる形容詞です。最後に確かめるのは、その語を空欄に入れて文が成り立つかです。
同じ語族の語を並べて覚える
Section 2の本文では、同じ語族の語が近い位置に続けて出てくることがあります。2-1の complete と completion、2-3の gradually と gradual がその例です。語を1つ覚えるときに、形違いの語も一緒に並べておくと、本文の中で見分けやすくなります。
動詞 名詞(もの・こと) 名詞(人)
employ employment employee/employer
apply application applicant
supervise supervision supervisor
employee は雇われる人、employer は雇う人です。どちらも人を表す名詞ですが、どちらを書くかで文の意味が逆になります。品詞を決めたあとに、本文の内容と合っているかも確かめておきたいところです。
形容詞と名詞の組では、available と availability、flexible と flexibility、responsible と responsibility のように、-ity が付いて名詞になるものが多くあります。
05 文法が苦手な人は何から練習すればよいか
文法が苦手だと、まず文法書を最初からやり直そうと考えるかもしれません。穴埋め問題のための準備なら、名詞のまとまり(冠詞・形容詞・名詞の並び)、主語と動詞の単数・複数の一致、助動詞や be動詞のあとに来る形から始めると、設問にそのまま結びつきます。空欄の前後と入る語の組み合わせを並べた表が、その範囲です。
練習には、公式問題集(Cambridge IELTS)の General Training のSection 2を使うと、本番と同じ種類の文書で練習できます。1回分を解くたびに、次の手順で空欄を見直します。
ステップ すること 確かめること
解く前 空欄ごとに、前後の語から品詞と単数・複数を決めて、設問の横にメモする 本文を見る前に形を決めたか
採点のあと 間違えた空欄を、意味・品詞・単複・綴りのどれで落としたかに分ける 品詞と単複の誤りが続いていないか
復習 正解の語と同じ語族の語が本文にあったかを探し、ノートに並べて書く 自分の誤答が、その語族の別の形ではなかったか
採点のあとに誤りを分けておくと、次に確認する文法事項がはっきりします。単複の誤りが続くなら主語と動詞の一致を、品詞の誤りが続くなら、空欄の前後で品詞を決める表と語尾の表を、もう一度見直します。
空欄の前後を見て品詞を決める判断は、短い時間で繰り返すほど速くなります。
品詞と形を決めても、答えが1つに決まるとは限りません。同じ品詞の語が本文に複数あれば、どれが設問の内容に合うかは、本文の意味を読み取って決めることになります。設問文が本文をどう言い換えているかに気づかなければ、候補の語が並ぶ箇所までたどり着きません。言い換えを見抜く練習も、あわせて進めておくといいでしょう。
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06 よくある質問
IELTSジェネラルのリーディングに文法問題はありますか
文法だけを問う設問はありません。ただしSection 2などに出る穴埋め問題では、空欄に入る語の品詞や単数・複数を判断する必要があります。本文の該当箇所を見つけても、形の合わない語を書くと正解になりません。
本文の語を空欄に合わせて変形して書いてもいいですか
本文から語を抜き出す設問では、本文に書かれている形のまま使うのが基本です。completion を complete に直すような書き換えはしません。本文の語をそのまま入れて文が成り立たないときは、別の箇所に空欄に合う形の語がないかを探し直します。
単数形と複数形を取り違えると不正解になりますか
形が1文字違うだけでも本文の語と違う語を書いたことになるので、正解にならないと考えて準備しておくと安心です。空欄のうしろに動詞があれば、need か needs かのように、動詞の形から主語の単数・複数を確かめることができます。
空欄の品詞はどこを見て決めればいいですか
空欄の直前の語と直後の語を両方見て決めます。to や must のうしろなら動詞の原形、前置詞のうしろなら名詞か -ing形が入ります。a と名詞のあいだが空欄なら、形容詞か名詞を修飾する名詞が入ります。
本文の語が名詞か形容詞か分からないときはどうすればいいですか
語尾が手がかりになります。-tion や -ment で終わる語は名詞、-ful や -able で終わる語は形容詞であることが多くあります。proposal や friendly のような例外もあるので、最後はその語を空欄に入れて文が成り立つかで確かめます。
ONE WORD ONLY の空欄に名詞が入るのか形容詞が入るのか迷うときはどうしますか
a .............. session のように、a と名詞のあいだが空欄なら、どちらも入る可能性があります。職場の文書には training session や health insurance のように名詞を2つ並べた言い方がよく出てくるので、形容詞に決めつけず、本文にある語のまとまりを確かめます。
文法が苦手なら文法書を1冊やり直したほうがいいですか
穴埋め問題の対策としては、名詞のまとまり、主語と動詞の単数・複数の一致、助動詞や be動詞のあとに来る形から始めると、設問に直接結びつきます。解いた問題の空欄を見直し、品詞と単複のどちらで間違えたかを分けておくと、次に確認する文法事項がはっきりします。
アカデミックのリーディングでも同じ解き方で対応できますか
文や表の空欄を埋める設問はアカデミックにも出てくるので、空欄の前後から入る語の形を決める手順はそのまま使うことができます。違うのは題材で、アカデミックでは学術的なテーマの文章から語を抜き出します。
07 まとめ
ジェネラルのリーディングSection 2に文法だけを問う設問はありませんが、穴埋め問題では空欄に入る語の形を文法で決めることになります。該当箇所を見つけても、品詞や単複を取り違えると得点になりません。
本文を探す前に、空欄の直前と直後の語から品詞を決める
名詞が入るなら、前の冠詞やうしろの動詞の形から、単数か複数かまで決める
a と名詞のあいだの空欄には、形容詞か、名詞を修飾する名詞が入る
本文の語は書かれている形のまま使い、合わなければ別の箇所を探す
語尾で品詞の見当を付け、空欄に入れて文が成り立つかで確かめる
採点のあとは、間違えた空欄を意味・品詞・単複・綴りに分けて見直す
文法が苦手でも、穴埋め問題に必要な判断は空欄の前後の数語から始まります。次に公式問題集のSection 2を解くときは、本文を開く前に、空欄ごとの品詞をメモするところから試してみましょう。