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ライティング・タスク2

ライティング・タスク2はアカデミックとジェネラルで同じか:共通の採点基準と、タスクの違い

執筆:高橋 響 公開日: 最終更新:

ライティング・タスク2はアカデミックもジェネラルも同じ、といえば同じなのですが、実は少しだけ毛色が違います。目標時間40分で250語以上のエッセイを書くことが求められているという点も、使われる採点基準表も同じです。しかし、実際のタスクを見比べると、問われ方には微妙な違いがあることに気づきます。

01アカデミックとジェネラルのタスク2で共通していることは何か

ライティング・タスク2は、語数・時間の目安・採点基準のすべてがアカデミックとジェネラルで共通です。どちらも250語以上のエッセイを書き、ライティング全体の60分のうち40分程度をタスク2に配分するのが目安とされています。

採点基準(Band Descriptors)も1種類しかありません。IELTS公式サイト(ielts.org)で公開されている Writing Task 2 Band Descriptors には、見出しに「Scoring criteria for Academic and General Training tests」とあり、同じ表で両方のモジュールが評価されます。タスク1の採点基準は Task Achievement の記述が (Academic) と (General Training) に分かれていますが、タスク2の表にはこの区別がありません。

項目アカデミックジェネラル
語数250語以上250語以上
時間の目安40分程度40分程度
採点基準共通(Writing Task 2 Band Descriptors)
公式サイトが示す文体academic or semi-formal/neutral stylesemi-formal/neutral discursive essay

表のとおり、試験としての枠組みはほぼ同じです。差があるとすれば、文体の説明とタスクそのものの問われ方です。後者は表には出てきません。

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02ジェネラルのタスク2の文体はアカデミックとどう違うのか

ジェネラルのタスク2は、アカデミックより少しだけ個人的な書き方が許されています。違いはその程度で、文体の基準そのものは大きく変わりません。

IELTS公式サイトの説明では、アカデミックが「You should write in an academic or semi-formal/neutral style.」、ジェネラルが「a semi-formal/neutral discursive essay」です。どちらにも semi-formal/neutral という語が入っています。IELTSの共同運営団体であるIDPの解説には「The essay can be slightly more personal in style compared to an Academic Writing task.」とあり、slightly という語のとおり、差は小さいと読むのが自然です。

自分の経験を例に使えるかどうかも、両モジュールで同じです。IELTS公式サイトはアカデミックとジェネラルのどちらについても「use relevant examples (which can be from your own experience, if relevant) or evidence」と説明しています。ただ、ジェネラルのタスクには職場や家庭、買い物のような身近な場面を扱うものが多いので、自分の経験が例としてなじみやすいのは確かです。

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03タスクの問われ方はどう違うのか

アカデミックのタスクでは手段や条件が細かく指定されていることが多く、ジェネラルのタスクでは身近な選択について広く意見が問われることが多くなっています。規則として決まっているわけではありませんが、実際のタスクを見るとその違いがよくわかります。

たとえば、アカデミックで出題された次のタスクです。

The best way to provide enough homes in large cities is to build tall apartment blocks.

To what extent do you agree or disagree with this statement?

高層マンションの是非を聞いているように見えますが、The best way(最善の方法)、to provide enough homes(十分な住宅を確保する)、in large cities(大都市で)という条件が付いています。論じるのは、大都市の住宅不足を解決する手段として高層マンションが最善だという主張の是非です。何について書くかは、タスクを読んだ時点でかなり絞られています。

一方、ジェネラルで出題されたタスクはこんな感じです。

Some people say that it is better to work for a large company than a small one.

Do you agree or disagree?

大企業と中小企業のどちらで働くほうがよいかを聞いていますが、何の点で better なのかは指定されていません。給料、雇用の安定、若いうちに任される仕事の幅、人間関係、キャリアの選択肢など、どの面から論じても、それが自分の立場を支える理由になっていれば、タスクには答えられます。ここでいうジェネラルは、答え方の幅が広いという意味でのジェネラルです。

比べる点アカデミックに多いタスクジェネラルに多いタスク
話題の中心都市、政策、教育制度、社会全体の変化仕事、家庭、買い物、余暇などの身近な選択
タスクで指定されているもの手段、目的、場所などの条件選択の対象だけで、条件は少ない
書き手が決めること指定された範囲の中でどう論じるかどの面から論じるか

とはいえ、これは傾向の話です。アカデミックにも It is important for everyone, including young people, to save money for their future. のような条件の少ないタスクがありますし、IELTS公式サイトがジェネラルのトピック例に挙げているのは、環境問題の解決策や公共の場での喫煙の禁止といった社会的な話題です。モジュールの名前より、目の前のタスクにどれだけ条件が付いているかのほうが、書き方には関わってきます。

04ジェネラルのタスクは Task Response を外しにくいのか

タスクを読み違えて大きく外すことは、条件の少ないタスクのほうが起きにくいと言えます。割と何でも書けるので、大きくずれることは少ないわけです。ただ、外しにくいことと、Task Response で高い評価を得やすいことは、少し分けて考えたほうがよさそうです。

採点基準の Band 4 には「the answer is tangential, possibly due to some misunderstanding of the prompt」という記述があります。タスクを誤解して論点からずれた回答のことで、高層マンションのタスクで住宅の確保という条件を落とすと、この状態に近づきます。大企業か中小企業かのタスクなら、給料の話を書いても人間関係の話を書いても、どちらが働く場所としてよいかにつながっていれば、タスクからずれることはまずありません。

一方で、Band 7 には「there may be a tendency to over-generalise or there may be a lack of focus and precision in supporting ideas/material」とあります。一般論に流れる、あるいはサポートの焦点が定まらない、という状態です。何でも書けるタスクだと、給料も安定も研修制度も福利厚生もと理由を並べたくなりますが、250語の中に5つも入れると、どの理由も「なぜそう言えるのか」まで説明しきれません。どれもタスクに関係しているので、書いている本人はずれている感覚がないのが厄介なところです。

設問が2つあるタスクでも、似たことが起きます。

Some people spend most of their lives living close to where they were born.

What might be the reasons for this?

What are the advantages and disadvantages?

生まれた土地に住み続ける理由は、家族、仕事、費用、愛着と、誰でもいくつも思いつきます。書きやすいぶん1つ目の設問で語数を使ってしまい、利点と欠点は最後に少し触れるだけ、ということになりがちです。Band 5 の記述には「The main parts of the prompt are incompletely addressed.」とあり、設問の一部に十分答えていない回答はここに近づきます。

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05アカデミックに慣れていると、ジェネラルで論点を絞りにくいのはなぜか

アカデミックのタスクでは論じる範囲がタスクの条件で決まっていることが多く、条件を正確に拾えば、何を書くかもおおよそ決まるからです。条件の少ないタスクでは、拾い終わってもまだ論点が決まっていません。

アカデミックのタスクに慣れている人ほど、タスクに書かれた語を1つも落とさないように読む習慣が身についています。それ自体は大切な読み方ですが、次のようなタスクでは少し勝手が違います。

It is important for children, young adults, working people and the retired to have at least one hobby.

What's your opinion about this?

1語も落とさないつもりで読むと、子ども、若者、働く人、退職した人の4つすべてに触れなければならないように見えてきます。それぞれについて趣味の利点を少しずつ書くと、4つの話が並ぶだけで、主張が1つにまとまりません。

このタスクで問われているのは、誰にとっても趣味が大切だという意見に賛成かどうかです。4つの対象を同じ分量で論じる必要はありません。たとえば「趣味は、学校や仕事とは別に、自分で選んだ目標を持てる場になる」という主張を1つ決めて、働く人や退職した人を例に掘り下げ、ほかの年代にも当てはまることを示せば、論点を絞ったままタスク全体に答えられます。

候補がたくさん出てくるのは、条件の少ないタスクでは自然なことです。見方を変えれば、自分がいちばん具体的に書ける面を選べるということでもあります。ジェネラルでは少し個人的な書き方が許されているので、自分の職場や家族の経験から例を出しやすい面を選ぶのも1つの手です。

練習の素材としては、アカデミックとジェネラルのどちらのタスクを使っても大きな差はありません。形式も採点基準も同じだからです。ただ、アカデミックを受ける人がジェネラルのタスクばかりで練習していると、主題さえ拾えば外れないタスクに慣れて、条件を1つずつ確かめる読み方がおろそかになるかもしれません。本番で高層マンションのタスクのように条件の多いタスクが出たとき、Task Response の面で不利になる可能性はあります。

逆に、ジェネラルを受ける人がアカデミックのタスクで練習していて、条件の読み落としで Task Response に苦戦するようなら、無理にアカデミックのタスクにこだわらず、ジェネラルの過去問題集を使うのもよいでしょう。本番で出るのはジェネラルのタスクなので、そちらで論点を絞る練習を重ねたほうが実戦に近くなります。

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06よくある質問

ライティング・タスク2の採点基準は、アカデミックとジェネラルで違いますか

違いはありません。IELTS公式サイトで公開されている Writing Task 2 Band Descriptors は、アカデミックとジェネラルの両方に使われる1種類だけです。タスク1の採点基準にはモジュールごとの記述がありますが、タスク2にはその区別がありません。

タスク2の語数と時間の目安は、アカデミックとジェネラルで同じですか

同じです。どちらも250語以上で、ライティング全体の60分のうち40分程度をタスク2に配分するのが目安です。

ジェネラルのタスク2では、自分の経験を書いてもよいですか

書いてかまいません。IELTS公式サイトは、アカデミックとジェネラルのどちらについても、関連があれば自分の経験から例を出してよいと説明しています。ジェネラルはアカデミックより少し個人的な書き方が許されていますが、文体は semi-formal/neutral が基準です。

ジェネラルのタスク2は、アカデミックより簡単ですか

同じ採点基準で評価されるので、一方が甘く採点されるわけではありません。ジェネラルのタスクは条件が少ないものが多く、読み違えて大きく外すことは起きにくいと言えます。その代わり、どの面から論じるかを自分で絞る必要があり、理由を並べるだけの回答になると Band 7 の記述にある lack of focus に近づきます。

ジェネラルのタスク2でも、Task Response を外すことはありますか

あります。とくに設問が2つあるタスクで、1つ目の設問に語数を使いすぎて2つ目の答えが薄くなると、設問の一部に十分答えていない回答になります。

練習には、アカデミックとジェネラルのどちらのタスクを使ってもよいですか

形式も採点基準も同じなので、どちらを使っても練習としては大きな差はありません。ただ、アカデミックを受ける人がジェネラルのタスクばかりで練習すると、条件を1つずつ確かめる読み方がおろそかになり、Task Response の面で不利になる可能性があります。逆に、ジェネラルを受ける人がアカデミックのタスクで Task Response に苦戦するなら、ジェネラルの過去問題集で練習するのもよいでしょう。

タスクに挙がっている人や場面は、すべて論じなければなりませんか

同じ分量で論じる必要はありません。たとえば子どもから退職した人までが挙がっている趣味のタスクでは、誰にとっても趣味が大切かどうかが問われています。1つの主張を決め、それが特定の年代だけの話になっていないことを示せば、タスク全体に答えられます。

07まとめ

ライティング・タスク2は、語数も採点基準もアカデミックとジェネラルで共通です。違いがあるとすれば、タスクの中で論じる範囲がどこまで絞られているかという点で、それも傾向の話にとどまります。

  • タスク2の採点基準は1種類で、アカデミックとジェネラルの両方に同じ表が使われる
  • 文体の差は小さく、ジェネラルは少し個人的な書き方が許されている程度
  • ジェネラルのタスクは条件が少ないものが多く、大きく外すことは起きにくい
  • その代わり、何でも書けるぶん論点を自分で絞る必要がある
  • 練習はどちらのタスクでもよいが、アカデミックの人がジェネラルに慣れすぎると条件の読み落としにつながるかもしれない
  • ジェネラルの人がアカデミックのタスクで苦戦するなら、ジェネラルの過去問題集に切り替えてもよい

ふだん練習しているタスクに条件がいくつ付いているか、一度気にして読んでみると、同じタスク2でも少し違って見えてくるかもしれません。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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