結論から言えば、IELTSのリスニングでメモは減らすほうが取れます。答えは画面にそのまま入力できるので、いったん紙に書いてから写す手順がありません。それでも、続けて出てくる数字のように、その場で処理しきれない情報はあります。書いている数秒のあいだにも音声は進むので、どこまで書くかは自分で決めることになります。IELTSは2026年半ばから紙ベースの試験を終了し、順次コンピューターでの実施に一本化されています(移行時期は国・地域によって異なります)。
目次
答えは直接入力するので、メモが要る場面は限られる
メモを取っている数秒で何が起きるか
メモに残す価値があるもの
Part 3 と Part 4 でのメモの使い方
音声が始まる前の時間に何を見るか
地図問題では書き込む場所が変わる
メモの量を決める練習
よくある質問
まとめ
01 答えは直接入力するので、メモが要る場面は限られる
IELTSのリスニングでは、設問が画面に表示され、答えもその場で入力します。聞こえた語をいったんメモに書き、あとから答案に写すという手順は必要ありません。この点を最初に押さえておくと、メモの量は自然に減ります。
音声が終わったあとには、解答を確認する時間が2分あります。ここで見直せるのは、すでに入力した答えです。メモから答えを組み立て直すための時間ではありません。
メモが要るかどうかは、その場で入力を終えられるかどうかで決まります。次の表のように場面ごとに分けておくと、本番で迷いません。
場面 メモ 理由
穴埋めで語が1つ聞こえた 要らない その場で入力できる
数字が続けて出てきた 要る 入力の途中で次の数字が来る
綴りに自信がない語 要る あとで確認の時間に直せる
選択肢を絞り込む途中 印だけ 語を書くと聞く時間がなくなる
02 メモを取っている数秒で何が起きるか
聞こえた内容をそのまま書き取ろうとすると、次のような形になります。
✗
The tour starts at nine thirty from the main entrance… と聞こえた内容を書き取っているあいだに、次の設問の答えにあたる and please bring a raincoat が流れる1問取って1問落とす
○
9:30 と答えを入力し、視線をすぐ次の設問へ移す聞こえた文を書き取る必要はない
IELTSのリスニングでは、答えは設問の並び順に出てきます。マッチングのように選択肢が順不同の形式でも、設問そのものは順番どおりに進みます。つまり、いま答えを入力している場所の少し先に、次の答えがあります。書く量が増えれば、その先に置いていかれます。
手を動かしながら聞ける量には個人差があります。日本語の講義でメモを取りながら話も追える人でも、英語では同じようにいきません。聞き取りに使う集中と、書くことに使う集中が同じところから出ているためです。母語なら自動で処理できる部分が、外国語では処理として残ります。
聞き逃したときは、そこで止まらない
1問落としたと気づいたあと、その答えを思い出そうとしているあいだに、次の設問の答えも流れていきます。落とした問題は空欄のままにして、視線を次の設問に移しましょう。空欄は確認の時間に埋められますが、聞き逃した音声は戻ってきません。
リスニング
IELTSリスニングで聞き逃したあとの連続ミスを防ぐ:音声の現在地に戻る手順
03 メモに残す価値があるもの
書き留めておく意味があるのは、その場で処理しきれないものです。答案の見直しをしていると、次の3つに集まります。
3-1 数字が続けて出てくるとき
電話番号、金額、日付、時刻が続けて読み上げられる場面では、入力が追いつきません。数字だけを走り書きして、確認の時間に入力し直します。桁を落とさないように、区切りの位置まで書いておきましょう。
0161 496 0208 → メモ:0161 496 0208 £4.50 for adults and £2.75 for children → メモ:£4.50 adult / £2.75 child
金額や時刻は、単位を落とすと答えとして成立しません。メモの段階で単位まで書いておくと、入力し直すときに迷いません。per adult と per child のように対になっている数字は、どちらがどちらかを1字で添えておきます。
3-2 綴りに自信がない語
固有名詞や、綴りが読み上げられる語がこれにあたります。音のとおりに書いておき、確認の時間に直します。入力欄に不確かな綴りを入れたまま忘れると、そのまま失点になります。
3-3 話者が言い直した内容
予約の変更や日程のずれのように、いったん言ってから直す形は頻繁に出ます。最初に聞こえた語をそのまま入力すると、直したあとの内容を落とします。両方を短く書いておいて、あとで正しいほうを選びます。
Actually, let us make it Thursday instead. → メモ:Wed → Thu
反対に、書かないほうがよいものもあります。聞こえた文をそのまま書き取る、設問と関係のない詳細を書く、日本語に訳して書く。いずれも時間がかかり、そのあいだに次の答えを聞き逃す可能性が上がります。とくに日本語に訳しながら書くと、訳している数秒がまるごと空きます。
リスニング
IELTSリスニングの数字・日付・単位の聞き取りと書き方:聞こえた音を書くときに迷わないための整理
04 Part 3 と Part 4 でのメモの使い方
後半の2つは、前半とは事情が変わります。Part 3 は複数の話者が意見を交わす場面、Part 4 は1人が続けて話す講義形式です。どちらも1つの設問に対応する音声が長くなります。
複数の話者が出てくると、誰の意見なのかを取り違えやすくなります。必要なら、話者を区別するために頭文字を1字だけ付けておきます。名前をそのまま書き取ろうとすると、そのあいだに意見の中身のほうを聞き逃します。
Part 3 のマッチングでは、選択肢の全文を覚えようとせず、選択肢どうしの違いだけを見ておきます。違いが1語で言えていれば、音声を聞きながら目で照合できます。メモに書くのは、消した選択肢に付ける斜線と、残った選択肢の記号くらいで足ります。ここで意見の中身を書き取り始めると、次の話者の発言をまるごと落とします。
Part 4 は音声が途切れずに続くので、英文をそのまま書き取ろうとすると、書いているあいだに次の情報を逃します。数字や固有名詞、対比されている2つの語のように、あとから思い出しにくいものだけを短く残し、あとは話の流れを追います。
05 音声が始まる前の時間に何を見るか
各パートの前には、設問に目を通す時間があります。ここで何を見るかによって、聞いているあいだに書く量が変わります。設問を全部読もうとすると時間が足りないので、見る場所を決めておきましょう。
まず見るのは指定語数です。ONE WORD ONLY なのか、TWO WORDS AND/OR A NUMBER なのかで、聞こえた語をそのまま入れてよいかが変わります。そのうえで空欄の前後を見れば、名詞が入りそうなのか、数字が入りそうなのかがある程度わかります。
選択問題やマッチングでは、選択肢を全部読もうとしなくて構いません。選択肢どうしの違いだけ拾っておけば、音声を聞きながら照合できます。
空欄の前後を見ておくと、聞こえた語をそのまま入れてよいかどうかが判断できます。前置詞のあとなら名詞、a のあとなら単数形というように、入る語の形が決まるからです。ここまで済ませてあれば、聞いている最中に迷う場面自体がなくなります。
先読みの時間は思ったより短い
設問に目を通す時間は、パートによって長さが変わります。設問が多いパートで全部を読み切ろうとすると、最初の数問を読んでいるうちに音声が始まります。読む順番は、まず指定語数、次に空欄の前後、時間が残れば設問の全文です。全文まで届かなくても不利にはなりません。
音声が流れているあいだにも、先読みできる場面があります。1つのパートの中で設問が2つのまとまりに分かれているとき、前半の答えを入力し終えた時点で、後半の空欄の前後に目を通しておけます。ここを見ておけたかどうかで、後半の楽さがはっきり変わります。
06 地図問題では書き込む場所が変わる
地図や見取り図に場所を当てはめる設問では、メモ用紙を使う場面がほとんどありません。話者が説明している位置を、画面の図の上で目で追っていくほうが早く、書いている間に道順が先へ進むこともありません。
この形式では、位置関係を表す表現がそのまま答えの手がかりになります。opposite、next to、at the far end、on your left といった表現が聞こえた時点で、図のどこにいるかが決まります。表現の意味を考えている数秒で、話者は次の場所へ移っているので、聞いてすぐ図の上を動けるようにしておきましょう。
Go past the library, and the cafe is on your right, just before the car park.
この一文では、図書館、右側、駐車場の手前という3つの手がかりが順に出てきます。聞きながら文を書き取ろうとすると、3つ目に届きません。図の上を目で動かしていれば、最後まで追えます。
始点も確認しておきます。You are here のような表示や、話者が最初に触れる場所が出発点になります。ここを取り違えると、そのあとの位置関係を続けて誤って判断することになります。
リスニング
IELTSリスニング地図問題の位置関係表現:前置詞と方向のフレーズで迷わない整理
07 メモの量を決める練習
どのくらい書くかは、人によって変わります。手を動かしても聞ける人もいれば、書き始めた瞬間に聞こえなくなる人もいます。自分がどちらかを、練習で確かめておきましょう。
ステップ すること 確かめること
1 1回目は、いつもどおりメモを取りながら解く 正答数と、メモを書いた回数
2 2回目は別の音声で、数字以外は書かずに解く 正答数が上がるか下がるか
3 落とした問題を、聞き取れなかったものと書いていて逃したものに分ける どちらが多いか
ステップ3で「書いていて逃した」が多ければ、メモを減らします。反対に「聞き取れなかった」が大半なら、メモの量は原因ではないので、音そのものの練習に時間を回します。
迷ったときは、まず書かない状態で解いてみてください。それで正答数が落ちるなら、落ちた問題を見て、自分に必要なメモだけを戻します。減らしてから足すほうが、どのメモが効いているのかがはっきりします。
この3ステップは、本番形式で通す回とは分けて行いましょう。通しの回は本番と同じ条件で解くことが目的で、ここでは自分にメモが要るかどうかを確かめることが目的です。兼ねようとすると、どちらの目的も果たせません。
メモを取るための紙が用意される場合でも、扱いは試験会場の案内に従います。いずれにしても、書き方そのものは本番で考えるものではありません。数字の書き方も、話者の区別の付け方も、練習のうちに自分の形にしておきます。
08 よくある質問
IELTSのリスニングでメモは取ったほうがよいですか。
全体としては、取る量を減らすほうが取れます。答えは画面にそのまま入力できるので、いったんメモに書いてから写す必要がありません。残す価値があるのは、続けて出てくる数字、綴りに自信がない語、話者が言い直した内容です。
メモ用の紙は配られますか。
用意される場合でも、扱いは試験会場の案内に従います。いずれにしても、書き方そのものは本番で考えるものではありません。数字の書き方も、話者の区別の付け方も、練習のうちに決めておく部分です。
聞き逃したら、その問題を思い出してから次に進むべきですか。
空欄のまま次の設問に視線を移します。答えは設問の並び順に出てくるので、止まっているあいだに次の答えも流れていきます。空欄は解答を確認する2分で埋められますが、聞き逃した音声は戻ってきません。
綴りが分からない語はどうすればよいですか。
音のとおりにメモへ書いておき、確認の時間に直します。不確かな綴りを入力欄に入れたまま忘れると、そのまま失点になります。固有名詞は音声の中で1字ずつ読み上げられることがあるので、その部分を聞き逃さないようにしましょう。
メモは日本語で取ってもよいですか。
日本語に訳しながら書くと、訳しているあいだの音声を聞き逃しやすくなります。書くなら聞こえた英語のまま、数字や語を短く残す形にします。意味を考えるのは、答えを入力する段階で足ります。
メモを取ることで、かえってスコアが下がることはありますか。
書くことに気を取られているあいだに次の答えが流れ、1問取るために別の1問を落とすことがあります。模擬試験を、メモを取る回と数字以外は書かない回で解き比べると、自分がどちらの型かがわかります。
音声が始まる前の時間には何を見ればよいですか。
指定語数、空欄の前後の語、数字が入りそうな空欄、選択肢どうしの違いの4つです。設問を全部読もうとすると時間が足りません。空欄の前後を見ておくと、入る語の品詞が決まるので、聞きながら考える量が減ります。
音声が終わったあとの2分は何に使いますか。
入力済みの答えの見直しに使います。綴り、指定語数の超過、単数と複数の取り違えを確認しましょう。メモから答えを組み立て直すための時間ではないので、そこに頼る形にはしないほうが安全です。
09 まとめ
答えは画面に直接入力する。メモに書いてから答案へ写す手順はもう無い
残す価値があるのは、続けて出てくる数字、綴りに自信がない語、話者が言い直した内容
答えは設問の並び順に出てくる。書く量が増えれば、その先に置いていかれる
聞き逃したら空欄のまま次へ。止まっているあいだに、次の答えも流れていく
Part 3 は話者の頭文字と斜線で足りる。Part 4 は書き取りをやめ、数字や固有名詞だけ短く残す
メモの量が原因かどうかは、書かずに解く回を作って正答数で確かめる
次に模擬試験を解くときは、数字以外を書かない回を1度作ってみましょう。正答数が上がるようなら、そのままの形で本番に持っていけます。