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リーディング

Cambridge IELTS 20 リーディングの言い換えシリーズ:4つのテストから選んだ60組を型で読む

執筆:高橋 響 公開日: 最終更新:

ここまで、Cambridge IELTS公式問題集 vol.20 の4つのテストから、本文と設問の言い換えを15組ずつ見てきました。今回は、その60組をまとめて並べてみます。カカポの保護から野球の判定システム、ロボット、オキーフの生涯まで、さまざまなテーマが出題されていましたが、特に人物と発言を結びつける問題は、難しいと感じた人も多いのではないでしょうか。

言い換えに気づくのは簡単ではないかもしれませんが、60組を型ごとに並べてみると、自分がどの型で見落としやすいのかが見えてきます。あなたが見落としやすいのは、どの型でしょうか?

01Cambridge IELTS 20 の4つのテストでは、どんな言い換えが目立つか

Cambridge IELTS 20 では、人物の発言が設問で言い直されている組と、否定の文が肯定の語句でまとめられている組が目立ちます。4つのテストのうち3つに人物と発言を結びつける問題があり、発言の言い換えはその設問に多く出てきます。

テストパッセージの題材このテストで目立つ言い換え
Test 1飛べないオウムのカカポ/ニレの木の再導入/ストレスと判断1語も重ならない同義語の組、as a result と because のような因果の並び順の入れ替え
Test 2マナティー/先延ばしの心理/野球のロボット審判本文の形容詞と名詞が、語群ではどちらも別の語に置き換えられている組、否定がいくつも並んだ描写を名詞1つにまとめる言い換え
Test 3冷凍食品の歴史/サンゴ礁の保全/ロボットをめぐる専門家の問答名詞を説明の句に広げる言い換え、段落の見出しと発言の要旨の対応
Test 4画家ジョージア・オキーフ/気候変動への備え/野生動物を守る番犬人物の発言の語だけを入れ替えた組、慣用句を平らな言い方にする言い換え

発言を扱う問題では、話し言葉の慣用句や否定の文が、設問では短い評価の語になっています。Test 1 の Q21 では、I don't see how it can be entirely down to luck(すべてが運によるとは思えない)という発言が、設問では There must be an explanation(説明がつくはずだ)になっていました。否定の発言を裏返して、話し手が結局何を主張しているかを考えると、設問との対応が見えてきます。

02言い換えの4つの型を、20巻の例で見るとどうなるか

各回の記事では、言い換えを4つの型に分けて並べています。

型本文 → 設問の例気づくための手がかり
同じ意味の別の語に置き換えるcountless arguments → numerous disputes(Test 2 Q36)
a huge advertising budget → invested a great deal of money in the promotion(Test 3 Q11)
形容詞と名詞の両方が別の語になっていることがある
品詞や文の組み立てを変えるplayers complained → criticisms were received from players(Test 2 Q28)
portraits of O'Keeffe → O'Keeffe was the subject(Test 4 Q11)
主語の入れ替え、能動態と受け身の入れ替え、動詞と名詞の入れ替え
具体的な内容を、範囲の広い語でまとめるthis coastal city → a location in Britain(Test 1 Q17)
froze ... trampled ... dried → a method of freezing then drying(Test 3 Q1)
地名や手順の一部が、設問では消えていることがある
本文の説明を、ひと言の評価で言い換えるthe threat is right on our doorstep → not very far away(Test 1 Q22)
a matter of life and death → vital for our survival(Test 4 Q24)
慣用句や比喩が、設問では意味をそのまま表す言い方になる

1つ目と2つ目の型は、本文の語と設問の語を並べると対応を確かめやすい型です。3つ目と4つ目の型では、設問の語が本文に出てこないことが多く、本文の中身が設問の語の範囲に入るかどうかを考えることになります。1つの組に2つの型が重なっている例もあります。Test 2 の Q37 で、no heckling、no shouted disagreement、Nobody said a word という3つの否定の文が語群の total silence の2語になっていたのも、3つ目の型の例です。

03言い換えを見つけても判定を誤るのは、どんなときか

Test 1〜4 の各記事の05では、言い換えを見つけていても判定を誤りやすい設問を3つずつ取り上げています。取り上げた例の多くは、言い換えの組そのものではなく、その前後にある短い語を読み落としたときに起きています。

読み落としやすいもの例
条件を付ける語Test 1 Q2:breed in summer and autumn のうしろに but only in years when が続く
比べている相手Test 1 Q37:more than のうしろは most daily activities で、ほかの電子機器ではない
範囲を広げる語Test 2 Q9:沿岸の範囲を示した文のあとに also で始まる文が続く
目的を表す語Test 3 Q10:ラブラドールへ行った目的は to trap and trade furs
言い換えの前に付く動詞Test 4 Q8:shifting art trends の前に remained independent from が付いている
増えたものの中身Test 4 Q13:increased の目的語は the size of her canvases

どの例でも、設問の語やその言い換えは本文に見つかっています。読み落としているのは、but only、also、to、remained independent from のような、言い換えの組の外にある語です。言い換えを見つけたところで読むのをやめず、その文の最後までと、次の文の書き出しまで確かめる習慣をつけておくと、この種の読み違いは減らせます。

リーディング False と Not Given の違い:本文と矛盾するか、何も書かれていないか

04各回の記事は、どの順にどう読めばよいか

各回の記事は、そのテストを解き終え、本の解答で答え合わせをしてから開くとよいでしょう。記事には問題番号と段落を添えてありますが、正解の判定は書いていません。解く前に読むと該当箇所が分かってしまうので、解いたあとの振り返りに使うことを前提にしています。

読む順番は、解き終えたテストからでかまいません。4本とも、同義語、品詞や組み立ての変化、範囲の広い語でのまとめ、ひと言の評価、判定を誤りやすい箇所、の順に並べています。記事を開く前に、正解した設問も含めて本文と設問の対応を自分で書き出しておき、記事と見比べると、見落としていた組がどの型に入るのかが分かります。

リーディング Cambridge IELTS 20 Test 1 リーディングの言い換え15組:本文と設問のパラフレーズを型で見抜く リーディング Cambridge IELTS 20 Test 2 リーディングの言い換え15組:本文と設問のパラフレーズを型で見抜く リーディング Cambridge IELTS 20 Test 3 リーディングの言い換え15組:本文と設問のパラフレーズを型で見抜く リーディング Cambridge IELTS 20 Test 4 リーディングの言い換え15組:本文と設問のパラフレーズを型で見抜く

同じ形式で21巻の4つのテストも扱っています。21巻には、ノート形式の空欄補充や、語群から選ぶ要約問題の言い換えが多く入っています。

リーディング Cambridge IELTS 21 リーディングの言い換えシリーズ:4つのテストから選んだ60組を型で読む リーディング Cambridge IELTS 20 リーディングの重要語彙206語:分野別リストとマッチングクイズ

05よくある質問

Cambridge IELTS 20 のリーディングで、言い換えに気づきにくいのはどんな設問ですか?

人物と発言を結びつける問題や、情報がどの段落にあるかを答える問題です。発言の慣用句や否定の文が短い評価の語になっていたり、地名や具体的な方法が a location や a technology のような範囲の広い語になっていたりするので、設問の語を本文でそのまま探しても見つかりません。

1語も重ならないのに、同じ内容だと判断してよいのですか?

語が重ならなくても、意味が対応していれば同じ内容だと判断できます。ただし、主語や条件、比べている相手までそろっているかは、別に確かめる必要があります。Test 1 の Q6 では、本文の rescuing and hand-raising any failing chicks と設問の caring for struggling young birds に同じ語はありませんが、failing と struggling、chicks と young birds がそれぞれ同じ意味を表していました。

記事は解く前に読んでもよいですか?

解き終えて答え合わせをしてから読むことをおすすめします。各回の記事には問題番号と段落を添えているので、先に読むと該当箇所が分かってしまいます。記事に正解の判定は書いていないので、答え合わせは本の解答で行います。

否定の発言は、設問でどう書かれることがありますか?

裏返した肯定の形で書かれることがあります。Test 1 の Q21 では、すべてが運によるとは思えないという発言が、設問では There must be an explanation になっていました。「〜とは思えない」と言う人はほかの何かを主張しているので、その主張を肯定の文にしてから設問と比べるとよいでしょう。

言い換えを見つけたのに判定を誤るのは、なぜですか?

言い換えの組の外にある短い語を読み落としていることがあるからです。20巻では、but only in years when、also、to trap and trade furs、remained independent from のような語が判定に関わっていました。言い換えを見つけたら、その文の最後と次の文の書き出しまで確かめるとよいでしょう。

20巻と21巻では、どちらから読めばよいですか?

解き終えた巻から読んでかまいません。20巻には人物と発言を結びつける問題の言い換えが多く、21巻にはノート形式の空欄補充や、語群から選ぶ要約問題の言い換えが多く入っています。苦手な形式が多い巻から読むのも1つの方法です。

06まとめ

20巻の60組を比べると、発言の言い換えと、言い換えの組の外にある短い語が、判定の分かれ目になっている設問が目立ちます。

  • 人物の発言は、慣用句や否定の文が短い評価の語に言い換えられていることがある
  • 地名や手順のような具体的な内容は、設問では範囲の広い語になり、一部が消えていることがある
  • 言い換えを見つけたら、but only、also、目的の to のような、組の外にある語まで読む
  • 各回の記事は解き終えてから開き、自分で書き出した対応と見比べる

見落としていた組を型ごとに数えておくと、自分がどの型で見落としやすいのかが分かります。範囲の広い語でまとめる型が多ければ、次のテストでは、設問の語が本文に見つからないときに、本文の具体的な記述まで戻って照らし合わせてみるとよいでしょう。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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