ここまで、Cambridge IELTS公式問題集 vol.21 の4つのテストから、本文と設問の言い換えを15組ずつ見てきました。今回は、その60組をまとめて並べてみます。砂糖の歴史から夢を見る動物、ダルエスサラームのバス、地球儀職人まで、さまざまなテーマが出題されていましたが、特に語群から選ぶ要約問題やノート形式の空欄補充は、難しいと感じた人も多いのではないでしょうか。
言い換えに気づくのは簡単ではないかもしれませんが、60組を型ごとに並べてみると、自分がどの型で見落としやすいのかが見えてきます。あなたが見落としやすいのは、どの型でしょうか?
目次
リーディングの言い換えに気づけないと、何が起きるか
本文と設問の言い換えには、どんな型があるか
言い換えに見えて、内容がずれているのはどんなときか
Test 1〜4では、それぞれどんな言い換えを取り上げているか
このシリーズはどう使えばよいか
よくある質問
まとめ
01 リーディングの言い換えに気づけないと、何が起きるか
言い換えに気づけないと、設問の語を本文でそのまま探すことになり、該当箇所が見つからないまま時間が過ぎていきます。IELTSのリーディングでは、設問が本文と同じ語句で書かれているとは限らず、同じ内容が別の語や別の文の形で書かれていることがよくあります。
たとえば Test 2 の Q15 は、本文の a series of droughts(相次ぐ干ばつ)を、設問では a climatic factor(気候の要因)と書いています。climate という語は本文のどこにもないので、設問の語を手がかりに探しても、この箇所にはたどり着けません。
もう1つ起きるのが、同じ語につられて違う箇所で判定してしまうことです。設問と同じ語が本文にあっても、それが設問と同じ内容を言っているとは限りません。言い換えに気づく力は、場所を見つける速さと、判定の確かさの両方に関わっています。
02 本文と設問の言い換えには、どんな型があるか
シリーズの4本では、言い換えを次の4つの型に分けて見ています。1つの設問の中に複数の型が重なっていることもよくありますが、型を知っておくと、本文を読みながら「ここは言い換えられているかもしれない」と気づきやすくなります。
型 本文 → 設問の例 読むときに見るところ
同じ意味の別の語に置き換える troops → soldiers(Test 1 Q6) overriding aim → primary objective(Test 4 Q18) following(〜のあとで)のように、ふだん別の意味で見ている語
品詞や文の組み立てを変える reveal their preference for → showed they liked(Test 1 Q4) have dried up and vanished → the disappearance of(Test 3 Q7) 名詞と動詞の入れ替え、能動態と受け身の入れ替え、否定の形の変化
具体的な内容を、範囲の広い語でまとめる a series of droughts → a climatic factor(Test 2 Q15) the 1980s → the last century(Test 4 Q7) 数値・年代・具体例が、設問では data や the last century のような語になる
本文の説明を、ひと言の評価で言い換える Contrary to popular belief → addressing a misconception(Test 1 Q29) that ship has sailed → It is too late(Test 4 Q25) 語どうしの対応ではなく、本文の文全体がどういう意味や働きを持っているか
同じ意味の語に置き換える型は、辞書で意味を知っていれば結びつきますが、読んでいる最中に気づけるとは限りません。品詞や組み立てを変える型は、1語ずつ照らし合わせていると対応が見つかりません。範囲の広い語でまとめる型と評価で言い換える型は、設問の語が本文に出てこないので、本文の中身がその語の範囲に入るかどうかを考えることになります。
このシリーズで取り上げた設問を見ると、設問の形式によってよく出てくる型にも違いがあります。ノート形式の空欄補充では、本文の動詞を名詞にしたり、能動態を受け身にしたりして短く書く言い換えが目立ちます。情報がどの段落にあるかを答える問題では、設問が data や examples のような情報の種類を表す語で書かれ、本文ではその中身が具体的に書かれています。
03 言い換えに見えて、内容がずれているのはどんなときか
言い換えの組がそろっているように見えても、その語が本文の中で別の語と結びついていると、設問と同じ内容にはなりません。各回の記事の最後の節に、この読み違いの例があります。各回で取り上げた読み違いには、次のような型があります。
ずれ方 例
語の組み合わせが違う Test 1 Q38:luxury は regarded と結びつき、promoted の中身は a valuable source of energy
主語や段落が違う Test 2 Q9:hunting の言い換えにあたる pursuing a crab は、別のタコの段落にある
修飾先が違う Test 3 Q37:non-traditional が付いているのは journal で、調査の methods ではない
語の意味を取り違える Test 2 Q38:overlooked は「見下ろされる」ではなく「見落とされる」
筆者の立場を示す語を読み飛ばす Test 4 Q33:見方の中身は設問と一致しているが、前に contrary to が付いている
どの例も、設問の語やその言い換えは本文に見つかっています。そこで判定してしまうと読み違えるので、言い換えを見つけたら、その語が本文の中で何と結びついているか、誰について書かれているかまで確かめることになります。
リーディング
False と Not Given の違い:本文と矛盾するか、何も書かれていないか
05 このシリーズはどう使えばよいか
各回の記事は、そのテストを解き終えてから開くことを前提にしています。問題番号と段落を添えているので、先に読むと該当箇所が分かってしまうからです。正解の判定は書いていないので、答え合わせは本の解答で行い、そのあとで記事を読むと、自分が見落としていた言い換えがどれだったかを確かめることができます。
記事を読む前に、自分で本文と設問の対応を書き出してみると、さらに効果的です。
ステップ すること 確かめること
1 テストを時間どおりに解き、本の解答で答え合わせをする 正解・不正解だけでなく、迷った設問にも印を付けておく
2 正解した設問も含めて、本文と設問で対応している語句を書き出す troops と soldiers のように、1組ずつ本文側と設問側を並べる
3 その回の記事を開き、自分の書き出しと比べる 記事にあって自分が書き出せなかった組が、どの型に入るか
4 書き出せなかった組を型ごとに分けてためていく 4回分をためると、自分が見落としやすい型がはっきりする
正解した設問を書き出すのは、言い換えに気づかないまま当たっていることがあるからです。本文の中の同じ語を頼りに当たった設問は、次のテストで言い換えられていると見落としやすくなります。
本文に出てくる語彙そのものは、巻ごとの語彙リストで確認できます。言い換えのパターンと日々の練習法は、パラフレーズを扱った記事で詳しく解説しています。
リーディング
Cambridge IELTS 21 リーディングの重要語彙241語:分野別リストとマッチングクイズ
リーディング
リーディングのパラフレーズ(言い換え)を見抜く読み方トレーニング:パターンの把握から日々の練習法まで
06 よくある質問
IELTSリーディングのパラフレーズ(言い換え)とは何ですか?
本文と同じ内容を、設問が別の語や別の文の形で書いていることを指します。Test 1 では、本文の troops が設問では soldiers、本文の prior to and following が before and after になっていました。設問の語を本文でそのまま探しても見つからないことがあるので、言い換えに気づけるかどうかが正答率に関わります。
このシリーズの記事は、テストを解く前に読んでもよいですか?
解き終えて答え合わせをしたあとに読むことをおすすめします。各回の記事には問題番号と段落を添えているので、先に読むと該当箇所が分かってしまいます。解いたあとに読むと、自分が見落としていた言い換えを確かめることができます。
記事に正解は載っていますか?
正解の判定は載せていないので、答え合わせは本の解答で行います。記事で扱っているのは、本文と設問のどの語句が対応しているか、その言い換えがどの型に入るか、どこで読み違えやすいかです。
言い換えの型はいくつありますか?
このシリーズでは、同じ意味の別の語に置き換える型、品詞や文の組み立てを変える型、具体的な内容を範囲の広い語でまとめる型、本文の説明をひと言の評価で言い換える型の4つに分けています。1つの設問の中に複数の型が重なっていることもあります。
言い換えを見つけたのに判定を間違えるのは、なぜですか?
言い換えの組がそろっていても、その語が本文で別の語と結びついていることがあるからです。Test 3 の Q37 では、本文の non-traditional と設問の unconventional が対応していましたが、non-traditional が付いていたのは journal で、設問の methods ではありませんでした。言い換えを見つけたら、何と結びついているかまで確かめます。
どのテストから読めばよいですか?
解き終えたテストから読んでかまいません。どの回も同じ型の順に並べているので、途中の回から読んでも型の説明は追えます。語群から選ぶ要約問題が苦手なら Test 4、ノート形式の空欄補充が苦手なら Test 3 に、その形式の言い換えが多く入っています。
07 まとめ
4つの型を知っておくと、各回の記事で15組を読むときに、自分がどの型を見落としているのかを確かめやすくなります。
言い換えは、同じ意味の語への置き換え、品詞や組み立ての変化、範囲の広い語でのまとめ、評価への言い換えの4つの型に分けて見ることができる
設問の語が本文に出てこない型では、本文の中身がその語の範囲に入るかどうかを考える
言い換えを見つけたら、その語が本文で何と結びついているかまで確かめる
記事は解き終えてから開き、自分が書き出した対応と比べる
4回分の書き出しがたまると、自分がどの型を見落としやすいかが見えてきます。次に公式問題集を解くときは、その型を意識しながら本文を読んでみるとよいでしょう。