Cambridge IELTS 20 Test 1 リーディングの言い換え15組:本文と設問のパラフレーズを型で見抜く
執筆:高橋 響公開日:最終更新:
今回も、本文と設問の言い換え(パラフレーズ)を探していきましょう。今回は、Cambridge IELTS公式問題集 vol.20 の Test 1 を見ていきます。飛べないオウムのカカポの保護、ニレの木の再導入、消防士のストレスと判断といったテーマが出題されていますが、特に研究者たちの発言を設問と結びつける Passage 2 は、難しいと感じた人も多いのではないでしょうか。
言い換えに気づくのは簡単ではないかもしれませんが、on our doorstep が設問の not very far away のことだと、どこで見抜けばよいのでしょうか?
01同じ意味の別の語に置き換える言い換えとは
Test 1 の同義語の組は、動詞も名詞もまとめて別の語になっているものが中心です。本文の語を1つ覚えていても、設問の側に同じ語は残っていないので、意味で結びつける必要があります。
1-1 rescuing and hand-raising any failing chicks → caring for struggling young birds(Q6)
本文 Passage 1・第8段落
... rescuing and hand-raising any failing chicks.
設問文 Q6
One Recovery Plan initiative that helped increase the kākāpō population size was caring for struggling young birds.
failing(弱っている)が struggling(苦しんでいる)に、chicks(ひな)が young birds(若い鳥)に置き換えられています。rescuing and hand-raising(救い出して人の手で育てる)は、設問では caring for(世話をする)の1語句になっています。
kākāpō や Recovery Plan は両方にあるので、段落は見つけやすい組です。ただ、この段落には鳥を島から島へ移すこと、親鳥に餌を足すことなど、取り組みがいくつも並んでいます。設問のどの語句が、並んでいるうちのどれに当たるのかを、1つずつ照らし合わせることになります。
1-2 ignore bad news → took relatively little notice of bad news(Q31)
本文 Passage 3・第5段落
People are normally quite optimistic
... they will ignore bad news and embrace the good. This is what happened when the firefighters were relaxed ...
設問文 Q31(文の続きを選ぶ問題)
At times when they were relaxed, the firefighters usually
選択肢の1つ:took relatively little notice of bad news.
ignore(無視する)が took relatively little notice of(あまり気に留めなかった)に変わる一方で、bad news は両方に同じ形で残っています。normally(ふだんは)と設問の usually も対応しています。
本文の ignore は「まったく見ない」とも読める強い語ですが、選択肢は relatively little(比較的少ししか)と程度を弱めています。この組では近い内容として対応していますが、程度の違いが設問の主張そのものを変えることもあるので、強さの差は判定の前に確かめておきたいところです。設問の At times when they were relaxed は、本文の This is what happened when the firefighters were relaxed を受けた部分です。
1-3 the number of these mature survivors is relatively small → only a few surviving large elms(Q14)
本文 Passage 2
... opportunities are limited as the number of these mature survivors is relatively small.
設問文 Q14(情報がどのセクションにあるかを答える問題)
reference to the research problems that arise from there being only a few surviving large elms
the number ... is relatively small(数が比較的少ない)が only a few(ほんのわずかな)に、mature survivors(生き残った成木)が surviving large elms(生き残った大きなニレ)と言い換えられています。mature(成熟した)が large(大きな)になり、名詞 survivors が形容詞の surviving に変わっています。
opportunities are limited(機会が限られている)という状況が、設問では research problems(研究上の問題)とまとめられています。この文の前には、生き残った木を調べる必要があるという研究者の考えが紹介されていて、ここでの opportunities が研究の機会を指していることが分かります。
02品詞や文の組み立てを変える言い換えとは
Q5 では、本文の As a result(その結果)が設問では because(なぜなら)に変わり、原因と結果の並び順が逆になっています。動詞が名詞に変わった組もあり、単語を1語ずつ探していると対応を見落としやすくなります。
2-1 led to a rapid decline ... As a result, ... was evacuated → were transferred ... because they were at risk(Q5)
本文 Passage 1・第7段落
Unfortunately, predation by feral cats on Rakiura Island led to a rapid decline in kākāpō numbers.
As a result, ... the surviving population was evacuated to three island sanctuaries ...
設問文 Q5
Kākāpō were transferred from Rakiura Island to other locations because they were at risk from feral cats.
本文は「猫に捕食された、その結果(As a result)避難させた」と、原因から結果へ書いています。設問は「移された、なぜなら(because)猫の危険があったから」と、結果を先に置いて原因をうしろに回しています。
語の置き換えも重なっています。was evacuated(避難させられた)が were transferred(移された)に、three island sanctuaries(3つの島の保護区)が other locations(ほかの場所)に、predation by feral cats(野良猫による捕食)が at risk from feral cats(野良猫の危険にさらされて)になっています。as a result と because のどちらも因果を表す語なので、並び順が逆でも同じ関係を述べていることに気づけるかが要点です。
2-2 ensure ... continue to be fully engaged in the preservation → maintain the involvement of ... in protection(Q13)
本文 Passage 1・第10段落
... and ensure ... continue to be fully engaged in the preservation of the species.
設問文 Q13
a current goal of the Recovery Plan is to maintain the involvement of ___ in kākāpō protection
本文の continue to be fully engaged in(引き続き十分に関わる)という動詞の組み立てが、設問では maintain the involvement(関わりを保つ)という動詞と名詞の組になっています。continue が maintain に、be engaged in が involvement に変わっています。
the preservation of the species(その種の保護)は kākāpō protection に置き換えられています。本文では、この目標が Its key goals are のうしろに3つ並べられていて、設問はそのうちの3つ目だけを取り出しています。a current goal の current は、本文の段落の書き出し Today に対応する語です。
2-3 a second epidemic was triggered by shipments of elm from Canada → how Dutch elm disease was brought into Britain(Q16)
本文 Passage 2
... a second epidemic was triggered by shipments of elm from Canada.
設問文 Q16(情報がどのセクションにあるかを答える問題)
reference to how Dutch elm disease was brought into Britain
本文の名詞 shipments(輸送された荷)が、設問では動詞 was brought into(持ち込まれた)になっています。triggered by(〜がきっかけになった)という因果の語は設問に残っていません。カナダから運ばれた木材が2度目の流行を引き起こしたという経緯は、設問では how(どのように)で始まる語句にまとめられています。
a second epidemic(2度目の流行)は Dutch elm disease に変わっています。本文にはこの前に1920年代の first epidemic もあり、どちらも同じ病気の流行です。from Canada は設問の into Britain と、出発地と到着地の関係で対応しています。国名で探すなら、設問の Britain ではなく、本文の Canada が目印になります。
3-1 this coastal city / strong winds from the sea → a location in Britain / the conditions(Q17)
本文 Passage 2
Strong winds from the sea make it difficult for the determined elm bark beetle to attack this coastal city's elm population.
設問文 Q17(情報がどのセクションにあるかを答える問題)
a description of the conditions that have enabled a location in Britain to escape Dutch elm disease
本文の this coastal city(この海沿いの町)は、同じ段落に出てくるブライトンを指しています。設問はそれを a location in Britain(イギリスのある場所)と、地名を出さずに書いています。Strong winds from the sea(海からの強い風)は the conditions(条件)とまとめられています。
make it difficult for the beetle to attack(甲虫が襲うのを難しくする)は、設問では have enabled ... to escape(逃れることを可能にした)と、守られた側を主語にした言い方になっています。Brighton を目印に探すことはできないので、病気を免れた場所の話がどこにあったかを覚えておけるかどうかで、探す時間が変わります。
3-2 These ups and downs → The regular changes of stress levels(Q28)
本文 Passage 3・第2段落
Firefighters' workdays vary quite a bit.
These ups and downs presented the perfect setting for an experiment ...
設問文 Q28(選択問題)
What point does the writer make about firefighters in the second paragraph?
選択肢の1つ:The regular changes of stress levels in their working lives make them ideal study subjects.
本文は、トラックを洗ったり料理をしたりする穏やかな日と、燃える家に入って人を助ける慌ただしい日を具体的に書き、それを ups and downs(浮き沈み)と受けています。選択肢はこの2種類の日を、changes of stress levels(ストレスの度合いの変化)とまとめています。
本文の the perfect setting for an experiment(実験にうってつけの環境)は、選択肢では消防士を主語にして make them ideal study subjects(理想的な研究対象にしている)と書かれています。workdays vary(仕事の日によって違う)は in their working lives と言い換えられています。stress という語は、この段落の最後にある feel under pressure(重圧を感じる)の言い換えとして選択肢に入っています。
3-3 From medical decisions to financial and professional ones, we are all ... → a challenge faced by everyone(Q27)
本文 Passage 3・第1段落
From medical decisions to financial and professional ones, we are all sometimes required to weigh up information under stressful conditions.
設問文 Q27(選択問題)
In the first paragraph, the writer introduces the topic of the text by
選択肢の1つ:mentioning a challenge faced by everyone.
医療、お金、仕事の判断という具体的な場面と、weigh up information under stressful conditions(ストレスのかかる状況で情報を比べて判断する)という内容を、選択肢は a challenge(難しい課題)の1語でまとめています。we are all は everyone に置き換えられています。
この段落は疑問文で終わるので、別の選択肢の questioning a widely held assumption(広く信じられている考えを疑う)が当てはまるように見えるかもしれません。段落の最後の問いは、ストレスの下で判断がよくなるのか悪くなるのかを尋ねているだけで、多くの人の思い込みを否定してはいません。段落の働きを問う設問では、疑問文があるかどうかではなく、その問いが何について尋ねているかを見る必要があります。
4-1 the threat is right on our doorstep → not very far away(Q22)
本文 Passage 2
'The beetles can just march in if we're not careful, as the threat is right on our doorstep,' says Bourne.
設問文 Q22(人物と発言を結びつける問題)
We need to be aware that insects carrying Dutch elm disease are not very far away.
on our doorstep は「玄関先に」、つまり「すぐ近くに」という意味の慣用句です。設問はこれを not very far away(それほど遠くない)と、否定を使った言い方にしています。if we're not careful(気をつけないと)は We need to be aware(気をつけておく必要がある)に変わっています。
The beetles(甲虫)は insects carrying Dutch elm disease(ニレ立枯病を運ぶ虫)と説明的に書かれています。甲虫が病気の菌を運ぶことは、本文の前のほうに書かれています。march in(どっと入ってくる)も比喩ですが、設問には対応する語がありません。慣用句が続く発言では、全部を言い換えで追おうとせず、中心にある主張をつかむとよいでしょう。
4-2 I don't see how it can be entirely down to luck → There must be an explanation(Q21)
本文 Passage 2
'What are the reasons for their survival?' asks Russell.
'I don't see how it can be entirely down to luck.'
設問文 Q21(人物と発言を結びつける問題)
There must be an explanation for the survival of some mature elms.
be down to 〜 は「〜のせいだ、〜による」という意味です。I don't see how it can be entirely down to luck で「すべてが運によるとは思えない」、つまり運以外の理由があるはずだ、という意味になります。設問はこの否定の文を、There must be an explanation(説明がつくはずだ)と肯定の形で書いています。
同じ発言の最初にある What are the reasons for their survival?(生き残った理由は何か)も、設問の an explanation for the survival と対応しています。reasons が explanation と言い換えられています。否定の文をそのまま訳すと、話し手が何を主張しているのかがつかみにくくなります。「〜とは思えない」という形の文は、裏返すと何を主張しているかを考えると、設問との対応が見えてきます。
4-3 stress didn't change how they responded to good news → behaved in a similar manner, regardless of the circumstances(Q33)
本文 Passage 3・第5段落
In contrast, stress didn't change how they responded to good news ...
設問文 Q33(文の続きを選ぶ問題)
When the firefighters were told good news, they always
選択肢の1つ:behaved in a similar manner, regardless of the circumstances.
本文の stress didn't change 〜(ストレスは〜を変えなかった)は、ストレスがあってもなくても反応が同じだった、という意味です。選択肢はこれを regardless of the circumstances(状況にかかわらず)と、否定の語を使わずに表しています。responded(反応した)は behaved in a similar manner(同じようにふるまった)に置き換えられています。
本文ではストレスが主語で、選択肢では消防士が主語です。stress という語は選択肢には入っておらず、the circumstances(状況)の中に、穏やかなときとストレスがかかっているときの両方が含まれています。設問の always も、どちらの状況でも、という意味で regardless of と対応しています。
Kākāpō breed in summer and autumn, but only in years when food is plentiful.
設問文 Q2
Adult kākāpō produce chicks every year.
✗
breed in summer and autumn=毎年、夏と秋に繁殖する季節が書かれているので、毎年決まった時期に繁殖すると読む
○
but only in years when food is plentiful繁殖するのは、食べ物が豊富な年だけ
breed(繁殖する)は設問の produce chicks(ひなを生む)の言い換えで、in summer and autumn という季節も書かれています。季節の語があると、毎年その季節に繁殖するものだと考えてしまいます。
この文には but only in years when 〜(ただし〜の年だけ)という条件が続いています。繁殖するのは食べ物が豊富な年に限られる、という意味です。設問の every year と照らし合わせるのは、季節ではなく、この only in years when のほうです。but のうしろに条件が続く文では、but の前だけで判断しないようにしましょう。
5-2 more than を見て、スマートフォンとほかの機器を比べていると思う(Q37)
本文 Passage 3・第10段落
Repeatedly checking your phone ... is related to stress.
Social media posting ... raises your pulse, makes you sweat, and enlarges your pupils more than most daily activities.
設問文 Q37(Yes・No・Not Given)
Phones have a greater impact on our stress levels than other electronic media devices.
✗
more than most daily activities=ほかの機器より影響が大きい比較の表現があるので、設問の greater ... than と同じことを言っていると読む
○
比べている相手は most daily activities(日常の活動の多く)other electronic media devices(ほかの電子機器)との比較は書かれていない
本文には phone と stress がそろって出てきて、次の文には more than という比較の表現もあります。設問の greater ... than と組み合わせると、スマートフォンがほかの機器よりストレスに大きく影響する、という話に見えます。
本文で比べているのは、ソーシャルメディアへの投稿と most daily activities(日常の活動の多く)です。しかも主語は phone ではなく Social media posting です。スマートフォンとほかの電子機器を比べた文は、この段落にはありません。比較の表現を見つけたら、何と何を比べているのかを、主語と than のうしろの両方で確かめる必要があります。
5-3 exaggerating を「情報が受け取れなくなる」と読む(Q38)
本文 Passage 3・第11段落
The fact that stress increases the likelihood that we will focus more on alarming messages ...
... that has the effect of exaggerating existing danger.
設問文 Q38(Yes・No・Not Given)
The more we read about a stressful public event on social media, the less able we are to take the information.
stress increases the likelihood that we will focus more on alarming messagesストレスで、不安をあおる情報にかえって目が向きやすくなる
段落の後半には、災害や金融危機のあとに不安をあおる情報が広がり、それが existing danger(すでにある危険)を exaggerating(誇張する)という記述があります。情報が多すぎて混乱する、という話に読むと、設問の the less able we are to take the information(情報を受け取れなくなる)と結びつけてしまいます。
この段落の最初の文は、ストレスによって alarming messages(不安をあおる情報)に focus more(より目を向ける)ようになる、と述べています。段落の終わりにも、ストレスが否定的な報道を take in(取り込む)可能性を高める、と書かれています。筆者の主張は「取り込めなくなる」ではなく「取り込みやすくなる」のほうです。設問の take the information と照らし合わせるのは、この take in のほうだと気づけるかどうかが要点です。
あります。Test 1 の Q5 では、本文が「猫に捕食された、その結果(As a result)避難させた」と原因から結果の順で書き、設問は「移された、なぜなら(because)猫の危険があったから」と結果を先に書いていました。どちらも因果を表す語なので、並び順が逆でも同じ関係を述べています。
言い換えで程度が少し変わっていても、同じ内容と考えてよいですか?
設問によっては、程度の違いが判定に関わらないことがあります。Test 1 の Q31 では、本文の ignore(無視する)が、選択肢では took relatively little notice of(あまり気に留めなかった)と弱められていました。強さが少し違うだけで対応を外さず、そのうえで判定に関わる違いかどうかを考えるとよいでしょう。
人物の発言の慣用句が分からないときは、どうすればよいですか?
発言全体で話し手が何を言いたいのかをつかむと、設問との対応が見えてきます。Test 1 の Q22 の on our doorstep は「すぐ近くに」という慣用句ですが、同じ発言にある if we're not careful(気をつけないと)という語句からも、危険が迫っているという主張は読み取れます。
「〜とは思えない」という否定の発言は、設問でどう書かれますか?
裏返した肯定の形で書かれることがあります。Test 1 の Q21 では、I don't see how it can be entirely down to luck(すべてが運によるとは思えない)という発言が、設問では There must be an explanation(説明がつくはずだ)になっていました。
比較の表現が本文にあれば、設問の比較と同じ内容ですか?
比べている相手が同じとは限りません。Test 1 の Q37 では、本文に more than most daily activities という比較がありましたが、比べていたのはソーシャルメディアへの投稿と日常の活動でした。設問のスマートフォンとほかの電子機器の比較とは別の話です。主語と than のうしろの両方を確かめる必要があります。
地名が設問に出てこないときは、何を手がかりに探せばよいですか?
地名の代わりに、その場所で起きたことや条件の内容を手がかりにします。Test 1 の Q17 では、本文のブライトンが設問では a location in Britain になっていて、海からの強い風が the conditions とまとめられていました。どの場所で何が起きたのかを、読みながら覚えておくと探しやすくなります。
07まとめ
Test 1 の言い換えは、語が1つも重ならない組や、因果の並び順が逆になった組が目立ちました。発言を扱う Passage 2 では、慣用句や否定の文をひと言で言い換えた設問が多く出てきます。
同義語の組は、動詞も名詞もまとめて別の語になっていることがある
as a result と because のように、因果の並び順が逆でも同じ関係を述べていることがある
地名や具体的な場面は、設問では a location や a challenge のような範囲の広い語になることがある