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スピーキング

ラスト1か月でスピーキング7.0を目指す:1週目に確かめるBand 7の採点基準と短く終わる回答【第1回】

執筆:高橋 響 公開日: 最終更新:

試験まで、あと1か月。スピーキングで7.0を達成したいのに、何から手をつければいいのか決めきれず、気づけばトピック集を眺めているだけで1日が終わっている。そんな状態で焦っている人は多いと思います。

この連載では、残りの4週間を1週ずつ区切って、スピーキング7.0に向けた準備を進めていきます。第1回は、いわば「足場を固める週」です。まず採点基準のBand 7が実際に何を求めているのかを確認し、4週間をどの順番で使うかを決めます。そのうえで、多くの人がつまずく「回答が短く終わってしまう」問題に取り組みます。

話を広げるには何を足せばいいのか。録音して、何を記録していけばいいのか。週の終わりに「ここまでできていれば次に進める」と言える状態を目指して、一つずつ整理していきます。

01採点基準のBand 7では、何が求められているのか

最初に確かめたいのは、4つの採点項目それぞれで、Band 7の記述が何を求めているかです。スピーキングのスコアは、Fluency and Coherence、Lexical Resource、Grammatical Range and Accuracy、Pronunciation の4つのバンドを平均し、0.5刻みになるよう端数を切り下げて出すと説明されています。3つの採点項目がBand 7でも、残る1つがBand 6なら平均は6.75で、スコアは6.5です。4つすべてでBand 7の記述を満たすことが、現実的な目標になります。

成績証明書に載るのはスピーキング全体のスコアで、採点項目ごとのバンドは記載されません。そのため、どの採点項目がBand 6なのかは、自分では判断しにくくなっています。見当が付いたとしても、「Fluency and Coherence を上げる」と決めただけでは、次の練習で何を変えればよいかまでは分かりません。Band 7の記述を1つずつ読み、自分の録音がそれを満たしていそうかを照らし合わせるほうが、変えることが具体的になります。

Band 7の記述と、自分の録音で確かめること

採点項目Band 7の記述(要約)自分の録音で確かめること
Fluency and Coherence目立った苦労なく話し続け、長い発話をすぐに作ることができる。言葉を探すためらいや言い直しがあっても、話の一貫性は崩れない。話し言葉のつなぎの表現を柔軟に使う質問に一言で答えて止まっていないか。言葉を探して止まったあと、話が質問から離れずに続いているか
Lexical Resourceさまざまな話題について語彙を柔軟に使う。あまり一般的でない語やイディオムを使う力もある程度あり、文体やコロケーションへの意識が見られる。必要に応じて効果的に言い換える話題が変わっても、同じ語ばかりで答えていないか。言いたい語が出てこないとき、別の言い方で話を続けられたか
Grammatical Range and Accuracy幅広い構文を柔軟に使い、誤りのない文が頻繁に見られる。単文も複文も効果的に使われるが、基本的な誤りが多少残る過去の話、比べる話など、話の中身に合わせて文の形が変わっているか。同じ種類の誤りを繰り返していないか
PronunciationBand 6の良い特徴をすべて備え、Band 8の良い特徴の一部も備えている聞き返したときに、自分でも聞き取りにくくて巻き戻した箇所はどこか。意味のまとまりの途中で区切っていないか

表の「Band 7の記述」は、IELTS公式サイト(ielts.org)が公開しているスピーキングの Band Descriptors(現行版)を日本語で要約したものです。Pronunciation は隣のバンドを参照する書き方になっていて、Band 6では、意味のまとまりで概ね適切に区切れていること、大きな労力なしに最後まで理解できることなどが挙がっています。原文と、ほかのバンドとの違いは次の記事で確認できます。

スピーキング スピーキング 採点基準表(Band Descriptors):新旧の記述を徹底比較

独学なら自分の録音と照らし、レッスンなら講師に確かめる

独学の場合は、Part 1 から Part 3 までの質問にいくつか答えて録音し、表の「自分の録音で確かめること」に沿って聞き返します。満たしていなさそうな記述を書き出し、どう話せば満たせそうかを1行添えておきましょう。たとえば「Part 3で、一般論を1文言って止まっている。そう考える理由を、身近な場面を1つ挙げて説明する」のような1行です。この1行が、次の練習で変えることになります。

話した直後は、自分の回答が実際より長く、なめらかに感じられがちです。記憶ではなく録音を聞いて判断し、満たしているか分からない記述は「分からない」として残しておくほうが安全です。

レッスンや添削を受けている場合は、どの記述を満たしていないか、どう話せば満たせるかを講師に確認するのが確実です。採点項目ごとのバンドを聞くだけで終えずに、記述のどの部分に届いていないのかまで聞いておくと、次の練習で何を変えればよいかがはっきりします。

1か月で変えやすいのは、すでに持っている力の使い方

語彙や文法の知識そのものを大きく増やすには、1か月では時間が足りないかもしれません。1か月で変えやすいのは、答えたあとに話をどう広げるか、質問にどう答え始めるか、録音をどう聞き返すかのように、すでに持っている英語をどう使うかです。このシリーズで1週ずつ確かめていくのも、この範囲です。

1か月で7.0に届くかどうかは、独学でもレッスンを受けても保証はありません。レッスンを受けると、自分の話し方が採点基準のどのあたりにあるかを、外から確かめる機会が増えます。独学なら費用を抑えられる一方で、録音を聞いて自分でずれに気づくための手間が増えます。

02残りの4週間を、どの順番で使うか

4週間は、回答の長さ、話の筋、型への頼り方、英語の正確さと発音の順に進めます。最初に回答の長さを扱うのは、答えが一言で終わっていると、ほかの3つの採点項目を示す場面そのものが少なくなるからです。語彙の幅も、文の形の使い分けも、話のリズムも、ある程度の長さを話してはじめて録音に表れます。

週この週に確かめること週の終わりの目安
1週目(この記事)Band 7の採点基準で求められていること、短く終わる回答Part 1 から Part 3 のそれぞれで、録音した回答が週の前半より長くなっている
2週目答えの1文目と、理由の支え方長く話しても、話が質問から離れずに最後までつながっている
3週目決まった型や用意した答えへの頼り方、「〜しなければならない」という思い込み決まった言い出しや型に頼らずに、質問に合わせて答え始められる
4週目繰り返す誤り、発音、本番前の数日の過ごし方記録してきた誤りの型を、録音を聞き返して自分で見つけられる

表の「週の終わりの目安」は、IELTSが定めた基準ではありません。次の週へ進む前に、自分の状態を確かめるための目安です。目安に届かなくても次の週には進み、残った項目は並行して続けます。

回答を長くする方法としては、答え方の型や、トピックごとに用意した回答を覚えるやり方もよく紹介されます。このシリーズでは、型を覚える代わりに、自分の答えから次の1文を引き出す練習を続けます。覚えた回答が試験のどこまで通用するのかは、3週目に詳しく扱います。

誤りと発音を扱うのは4週目ですが、録音の記録は1週目から始めます。4週目に誤りを減らすときには、どの種類の誤りを何回繰り返しているかという記録が手元にあるほど、聞き返すときに注意する場所を絞りやすくなります。

03回答が短く終わるとは、どういう状態か

回答が短く終わる状態とは、質問に答えた時点で、話すことがなくなっている状態です。英語の誤りが無くても起こります。どこで止まりやすいかはパートごとに違うので、Part 1 から順に見ていきましょう。

3-1 Part 1:一言で答えて止まる

Q. How do you usually spend your weekends?

△

I usually stay at home and relax.質問には答えていて、英語にも誤りはない。ただ、5秒ほどで答えが終わる

○

I usually stay at home and take it easy. I work long hours during the week, so by Saturday I'm pretty tired, and I tend to sleep in and catch up on housework. Sundays are a bit different, though. If the weather's nice, I often go cycling along the river with a friend.家にいる理由と、日曜日はどう違うかを足している

一言で答えること自体が、評価を下げるわけではありません。ただ、Part 1 で一言の答えが続くと、試験官は次の質問へ進み、話し続ける力を示す場面がそのまま減っていきます。Part 1 の答えを何文で切り上げるかの目安と、話しすぎて質問から離れていく場合については、次の記事で扱っています。

スピーキング IELTSスピーキングPart 1の答えの長さ:何文で切り上げるかの判断基準

3-2 Part 2:箇条書きを埋めたところで話すことがなくなる

Describe a useful object in your home that you cannot live without.
You should say:
what it is
what you can do with it
how often you use it
and explain why you cannot live without it.

△

It's my rice cooker. I use it to cook rice. I use it every day. I can't live without it because I eat rice every day.箇条書きの4項目に1文ずつ答えている。項目はすべて埋まっているが、20秒ほどで話すことがなくなる

○

I use it pretty much every day. I usually set the timer before I go to bed, so the rice is ready when I get up. Before I bought this one, I had a really cheap cooker that I got when I first moved out, and the rice often came out a bit hard, so I ended up eating toast most mornings.「どのくらいの頻度で使うか」の項目から、使っている場面と、前の炊飯器との違いまで話している

Part 2 では、1分間の準備のあと、1分から2分話すよう指示されます。箇条書きの項目は話の手がかりで、1項目に1文ずつ答えて埋めるための欄ではありません。項目に答えた1文のあとに、その場面を1つ思い出して話すと、1つの項目から30秒近く話が続くこともあります。話す速さを知って2分の見当を付ける方法や、準備の1分でメモに何を書くかは、次の記事が参考になります。

スピーキング トピックに左右されずに2分間話し続けるには?:Part2で言葉に詰まらないためのヒント スピーキング IELTSスピーキングPart 2の準備1分:メモに何を書き、何を書かないか

3-3 Part 3:答えを言ったところで話を終える

Q. Do many people have pets at home?

△

Yes, I think so. Many people have dogs or cats.答えとしては成り立っているが、理由や背景を話す前に試験官が次の質問に移る

○

Yes, quite a lot, at least where I live. Dogs are probably the most common, but I've noticed more people keeping cats recently, especially people who live in flats, because cats don't need to be walked and can be left alone while their owners are at work. Some buildings don't allow pets at all, though, so it depends a lot on the type of housing people have.犬と猫を比べ、最近の変化とその理由、住まいによる違いまで話している

Part 3 は Part 2 のトピックにつながる質問が続き、試験官とのやり取りの中で回答の長さが決まっていきます。答えを言ったところで話を終えると、理由や背景を話す機会を自分から手放すことになります。

Band 6とBand 7は、長く話すことの何で分かれているのか

Fluency and Coherence の記述では、Band 6もBand 7も「話し続けられる」ところから始まっています。

Band 6・Fluency and Coherence(現行版)

Able to keep going and demonstrates a willingness to produce long turns.

Band 7・Fluency and Coherence(現行版)

Able to keep going and readily produce long turns without noticeable effort.

Band 6は長く話そうとする姿勢(willingness)が見られる段階、Band 7は目立った苦労なく、長い発話をすぐに作れる段階として書かれています。1週目で目指すのは、まず長く話す回答を自分から作れるようになることです。ただ、長さだけでBand 7の記述を満たせるわけではありません。Band 7の記述には、ためらいや言い直しがあっても一貫性が崩れないことも含まれています。長くした回答の話の筋がつながっているかは、2週目に扱います。

04話を広げるときに、何を足せばよいのか

足す1文は、自分が言った1文目の中から探します。答え方の型を決めて毎回同じ順に足していくと、どの質問にも同じ形で答えることになるからです。

△

Q. Do you like reading? / Yes, I do. I like reading because it's both relaxing and educational. I particularly like novels, as they allow me to learn something new.英語として誤りではない

△

Q. Do you like going to museums? / Yes, I do. I like museums because they're both interesting and educational. I particularly like art museums, as they allow me to learn something new.質問が変わっても、文の形も語もほとんど同じ

1問だけを聞けば、まとまった答えに聞こえます。ところが、試験官はいくつもの質問を続けて聞きます。同じ形が繰り返されると、話題ごとに語を選び分ける場面がほとんど無くなり、用意してきた形をなぞっているようにも聞こえやすくなります。Band 7の Lexical Resource で挙がっているのは、さまざまな話題について語彙を柔軟に使うことです。

1文目の中の語を、自分に問い直す

型の代わりに使うのは、自分の1文目への問い直しです。3-1の I usually stay at home and relax. で試してみましょう。

1文目の中の語自分に問い直すこと足した1文
stay at homeなぜ出かけずに家にいるのかI work long hours during the week, so by Saturday I'm pretty tired.
relax家で実際に何をしているのかI tend to sleep in and catch up on housework.
usuallyいつもと違う週末はどんなときかIf the weather's nice, I often go cycling along the river with a friend.

問い直す先は、1文目で何を言ったかによって変わります。同じ質問でも、I usually work part-time at a café. と答えた人なら、なぜ週末に働いているのか、平日とどちらが忙しいのか、と別の問いが浮かびます。足す方向は、理由、具体的な場面、以前との違い、ほかの人との違いなどいくつもありますが、毎回この順に並べるのではなく、その答えから問い直しやすいところを選びます。

どれを選ぶか迷うときは、1文目の一部を入れ替えるだけで続けられる比較から試すと、話が止まりにくくなります。理由を足そうとして That's because と言ってから、理由を探し始めてしまう人は、次の記事が参考になります。

スピーキング スピーキングで「あと1文」足したいときの考え方:短い答えのあとに何を続けるか

That's an interesting question. や Let me see. のような言い出しを決めておき、考える時間を作ろうとする人もいます。言い出しで時間はつなげても、答えの中身は1文も増えません。決まった言い出しへの頼り方は、3週目にあらためて取り上げます。

05録音して、回答の長さと誤りを記録し始める

この週の練習は、答えて、録音を聞き返し、問い直してから、同じ質問にもう一度答える流れで進めます。スマートフォンの録音機能があれば始められます。

ステップすること確かめること
1 録音して答える質問を読んだらすぐに答え始める。途中で録音を止めない考え込んで答え始めが遅れていないか
2 聞き返す回答が何秒あったかを測り、止まった箇所に印を付ける答えた時点で止まったのか、言葉を探して途中で止まったのか
3 問い直す1文目の中の語を問い直し、足せそうな内容を日本語でメモする毎回同じ方向(理由だけ、など)で足そうとしていないか
4 もう一度答える同じ質問に、メモを見ずにもう一度答える1回目より長くなったか。足した内容が話の中に入っているか

ステップ3のメモを日本語で書くのは、英文で書くと、2回目にその英文を思い出して読み上げる練習になってしまうからです。メモに残すのは足す内容だけにして、英語はその場で組み立てます。

回答の長さは、Part 1 なら1問15秒から20秒ほどが練習上の目安になります。IELTSが1問あたりの時間を定めているわけではなく、Part 1 全体が4分から5分であることから逆算した数字です。Part 2 は2分を目安に話し、何秒で話すことがなくなったかを記録します。Part 3 は目安になる時間が示されないので、週の前半と後半の録音を比べて、長くなっているかを見ます。

練習の組み方の一例として、平日は毎日 Part 1 の質問を5問ほどと Part 3 の質問を2問ほど、週に2回か3回は Part 2 を1問、準備の1分も含めて本番と同じ時間で通す、という配分があります。質問は、受験する時期に出題が報告されているトピックから選ぶと、そのまま本番の準備にもなります。

スピーキング 2026年9-12月に試験を受ける人が押さえておきたいトピック:出題傾向を踏まえた学習計画の立て方

誤りを、誤りの型に言い換えて記録する

聞き返したときに気づいた文法や語彙の誤りも、この週から記録しておきましょう。4週目に誤りを減らすとき、自分がどの種類の誤りを何回繰り返しているかが分かっていれば、聞き返すときに注意する場所を絞れます。記録するときは、言い間違えた語をそのまま書き写さずに、誤りの型に言い換えて書きます。

✗

go が went になっていなかったその1語の記録にしかならない

○

過去の出来事を話している途中で、動詞が現在形に戻る次に別の動詞で同じことが起きても当てはまる

記録は、たとえば次のような表にしておくと続けやすいでしょう。

質問回答の長さ誤りの型自分で気づいた数指摘された数
Part 1・週末の過ごし方1回目6秒、2回目18秒過去の出来事を話している途中で、動詞が現在形に戻る12
Part 3・ペットを飼う人1回目8秒、2回目35秒数えられる名詞を、単数のまま a も付けずに言う02

「自分で気づいた数」と「指摘された数」を分けておくのは、聞き返す順番にも意味があるからです。録音をすぐにAIの添削にかけると、自分で誤りを探す工程が抜けます。先に自分で聞き返して気づいた誤りを記録し、そのあとで講師やAIの指摘と照らし合わせると、自分では気づけなかった誤りがはっきりします。4週目に重点的に確かめるのは、この自分では気づけなかった誤りです。

文字起こしの機能を使うときは、自動の文字起こしが言い淀みや小さな誤りを整えて書き出すことがある点に注意が必要です。文字だけを読まずに、録音を聞きながら照らし合わせましょう。録音を振り返るときに、表現を調べることより先に何を見ればよいかは、次の記事でも扱っています。

スピーキング スピーキングの自己練習では何を振り返るべきか:短期対策なら表現のインプットより優先したいこと

06この週の終わりに確かめること

週の終わりに、次の項目を確かめてみましょう。すべてにチェックが付かなくても2週目には進み、残った項目は並行して続けます。

  • 4つの採点項目それぞれで、Band 7の記述が何を求めているかを自分の言葉で言える
  • 自分の録音について、満たしていなさそうな記述と、どう話せば満たせそうかを書き出した。レッスンを受けている場合は講師に確認した
  • Part 1 から Part 3 のそれぞれで、週の前半より後半の録音のほうが回答が長くなっている
  • 1文目の中の語を問い直して、次の1文を足すことができる。足す方向が毎回同じになっていない
  • Part 2 で、箇条書きの項目に1文ずつ答えて終えずに、場面を思い出して話を続けられる
  • 聞き返して気づいた誤りを、誤りの型に言い換えて記録している
  • 誤りの数を、自分で気づいた数と指摘された数に分けて残している

07よくある質問

試験まで1か月で、IELTSスピーキングを6.0から7.0に上げることはできますか。

1か月で7.0に届くかどうかは、独学でもレッスンを受けても保証はありません。1か月で変えやすいのは、答えたあとに話をどう広げるかや、録音をどう聞き返すかのように、すでに持っている英語の使い方です。このシリーズでは、その範囲を1週ずつ確かめていきます。

スピーキングの採点項目ごとのバンドは、成績証明書で確認できますか。

成績証明書に載るのはスピーキング全体のスコアで、採点項目ごとのバンドは記載されません。どの採点項目がBand 6なのかを推測するより、Band 7の記述を採点項目ごとに読み、自分の録音が満たしていそうかを照らし合わせるほうが、次に何を変えるかが具体的になります。レッスンを受けている場合は、どの記述を満たしていないかを講師に確認するのが確実です。

3つの採点項目がBand 7なら、スピーキングは7.0になりますか。

残る1つがBand 6なら、平均は6.75で、スコアは6.5です。4つの採点項目の平均は、0.5刻みになるよう端数を切り下げて出すと説明されています。4つすべてでBand 7の記述を満たすことが、現実的な目標になります。

IELTSスピーキングは、長く話せばスコアが上がりますか。

長く話すことだけで、Band 7の記述を満たせるわけではありません。Fluency and Coherence のBand 7には、長い発話をすぐに作れることに加えて、ためらいや言い直しがあっても一貫性が崩れないことが含まれています。ただ、一言の答えが続くと、語彙や文の形の幅を示す場面そのものが少なくなるので、1週目はまず回答を長くすることから始めます。

回答を長くするために、答え方の型を覚えてはいけないのですか。

型を知っていること自体は問題ではありません。ただ、毎回同じ型に語を入れ替えて答えると、質問が変わっても文の形や語がほとんど同じになり、話題ごとに語を選び分ける場面が少なくなります。自分の1文目の中の語を問い直して、次の1文を足す練習から始めてみましょう。

Part 2 で、1分ほどで話すことがなくなってしまいます。どうすればよいですか。

箇条書きの項目に1文ずつ答えて終えていないかを、録音で確かめてみましょう。項目に答えた1文のあとに、使っている場面や以前との違いを1つ思い出して話すと、1つの項目から30秒近く話が続くこともあります。練習では準備の1分も含めて本番と同じ時間で通し、何秒で話すことがなくなったかを記録します。

録音を文字起こしするとき、自動の文字起こしを使ってもよいですか。

使ってかまいませんが、言い淀みや小さな誤りが整えられて書き出されることがあります。文字だけで判断せず、録音を聞きながら照らし合わせましょう。誤りは、自分で気づいた数と、講師やAIに指摘された数を分けて記録しておくと、4週目に確かめる場所を絞れます。

08まとめ

1週目に増やしたいのは、覚えた表現の数より、自分の1文目を問い直して次の1文を足す回数です。答えるたびに足す内容が変わるので、どの質問にも同じ形で答えることになりません。録音を聞き返して、週の前半より後半の回答が長くなっていれば、2週目に進む準備はできています。

2週目は、長くした回答の中身を扱います。答えの1文目で何を言い、その理由を最後まで支えて、話が質問から離れずにつながっているかを確かめていきます。付け始めた録音の記録は、4週目まで続けていきます。

シリーズの続きは、次の3本です。

スピーキング ラスト1か月でスピーキング7.0を目指す:2週目に確かめる答えの1文目と話の筋【第2回】 スピーキング ラスト1か月でスピーキング7.0を目指す:3週目に見直す決まった型と「〜しなければならない」という思い込み【第3回】 スピーキング ラスト1か月でスピーキング7.0を目指す:4週目に絞る繰り返す誤りと発音、本番前の数日【第4回】
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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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