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ライティング・タスク2

動画のコンテンツは英語で content か contents か:単数形と複数形で迷う名詞

執筆:高橋 響 公開日:

日本語には単数形と複数形の区別がありませんので、動画などのコンテンツを英語で表現する際は、content と contents のどちらを選ぶかを判断しなければなりません。一般的に明らかに数えられそうなものは複数形にしますし、明らかに数えられなさそうなものは単数形にするのですが、コンテンツのように一見数えられそうに見える上、英語にも contents という可算名詞の用法があるだけに、非常にやっかいです。

同じような迷いは staff、information、equipment、software でもよく起きます。どの語にどちらの形を使うのか、選び間違えると読み手に何が伝わってしまうのかを、語ごとに見ていくことにしましょう。

01content と contents はどう違うのか

本や講座の中身をまとまりとして指すなら content です。contents と複数形にすると、中に入っているもの全体か、本の目次を指します。日本語の「コンテンツ」はどちらの意味でも使えるので、英語にするときに形が決まらなくなります。

content のほうは不可算名詞で、the ideas that are contained in a piece of writing, a speech, or a film(文章やスピーチ、映画に含まれている考え)というのが Cambridge Dictionary の定義です。複数形の contents のほうには、everything that is contained within something(何かの中に入っているものすべて)と、the articles or parts contained in a magazine or book, with the number of the page they begin on(雑誌や本に収められている記事や部分と、その開始ページ番号)の2つが並びます。後者が、日本語でいう目次です。

形指しているものCambridge Dictionary の例文
content(不可算)文章・講座・映画などの中身、主題It's a very stylish and beautiful film, but it lacks content.
content(不可算)ウェブサイトや動画に載っているものAll this cool content is available to subscribers only.
contents(複数形)容器や建物の中に入っているものThe contents of his bag spilled all over the floor.
contents(複数形)本や雑誌の目次the table of contents
a ... content(単数形)ある成分の含有量Chocolate has a high fat content.

content は不可算名詞ですが、含有量を表すときには a high fat content、a low sugar content のように a が付きます。不可算名詞だから a を付けないと覚えていると、この形で迷います。

タスク2の回答ではどちらを選ぶか

○

The content of this course is easy to follow.この講座の中身は分かりやすい

△

The contents of this course are easy to follow.収録されている項目の一覧が分かりやすい、という意味に近づく

✗

This course has many contents.量を言うなら a lot of content、plenty of content

ウェブや動画について「コンテンツ」と言うときも、英語では content のままです。日本語では「コンテンツが豊富」と、いくつもあるイメージで言えますが、英語では a lot of content、plenty of content のように量として表します。

なお、contents が「内容」を指す使い方そのものが誤りというわけではありません。Cambridge のビジネス英語の項には、the ideas that are contained in something という語義に Our description of the contents of the report was completely accurate. という例文が添えられています。報告書のように、中に項目が並んでいる文書については contents も使われます。迷ったときは、一つひとつに分けて数えられるものを指しているかどうかで選びましょう。

02日本語につられて -s を足す誤りと、-s が足りない誤り

日本語から英語にするときに起きる数の誤りは、まず -s を足してしまう側と、-s を足さずに使ってしまう側に分けられます。どちらも、日本語の名詞に単数形と複数形の区別がないところから来ています。

2-1 カタカナ語のまま -s を足してしまう語

information、advice、equipment、furniture のように、日本語ではいくつもあるように感じられても、英語では通常は不可算名詞として使う語があります。a を付けず、複数形にもしません。数を言いたいときは a piece of、two items of のような形を使います。

語日本語書きがちな形自然な形
information情報informationsa piece of information/a lot of information
advice助言advicesa piece of advice/some advice
equipment設備、機材equipmentsa piece of equipment/two items of equipment
furniture家具furnituresa piece of furniture
evidence証拠evidencesa piece of evidence/plenty of evidence
homework宿題homeworksa lot of homework
luggage手荷物luggagestwo pieces of luggage
traffic交通量trafficsheavy traffic
damage被害damagesserious damage(damages は「損害賠償金」)
softwareソフトウェアsoftwaresa piece of software
feedback意見、反応feedbacksuseful feedback

knowledge と research も、通常は不可算名詞として使います。ただし、例外もあります。a limited knowledge of French のように a の付く形は Cambridge Dictionary にも載っていますし、research には複数形の項目があります。回答では knowledge、research のまま使っておくと確実です。

staff も -s を足したくなる語です。Cambridge は staff を the group of people who work for an organization(組織のために働く人々の集まり)と定義したうえで、There are over a hundred staff in the company. のように、複数の人を staff のまま数える例文を載せています。1人を指すなら a member of staff、複数なら two members of staff です。staffs という形は、複数の組織それぞれの職員集団を並べるようなときに使われます。

○

The hospital employs over a hundred staff.その病院は100人を超える職員を雇っている

✗

The hospital employs over a hundred staffs.人数を数えるときに staffs にはしない

✗

I spoke to a staff about the problem.1人を指すなら a member of staff

2-2 -s を足さずに使ってしまう語

反対の誤りも起きます。data、media、criteria、phenomena は、もともとラテン語やギリシャ語の複数形で、単数形が別にあります。日本語では「データ」「メディア」「クライテリア」と単数のつもりで使うので、英語でもそのまま単数として扱いたくなります。

単数形複数形気をつけたいこと
datumdata実際に使うのはほぼ data のみ。単数・複数どちらの動詞でも受けられると Cambridge が注記している
mediummediathe media で報道機関の全体を指す。1つの伝達手段を指すなら medium
criterioncriteriacriterias は標準的な形ではないと Cambridge が注記している
phenomenonphenomenaa recent phenomenon/other psychic phenomena
analysisanalyses発音も /əˈnæləsɪs/ から /əˈnæləsiːz/ に変わる
hypothesishypotheses同じ -is/-es の交替
basisbases同上

people も、日本語から入ると形を間違えやすい語です。「人々」を表すときは複数扱いになり、単数形は person という別の語になります。a people、peoples という形も英語にはありますが、こちらは「民族」を指します。

○

Many people believe that technology has made life easier.多くの人が、技術によって生活が楽になったと考えている

✗

Many peoples believe that technology has made life easier.peoples は「諸民族」になる

2-3 species のように単数形と複数形が同じ語

species は、単数形も複数形も species です。1種類なら a species、100種類でも a hundred species で、speciess のような形にはなりません。1種類を指す The mountain gorilla is an endangered species.(マウンテンゴリラは絶滅危惧種である)と、複数を指す Over a hundred species of insect are found in this area.(この地域では100種を超える昆虫が見つかっている)の両方が、Cambridge Dictionary の例文に並んでいます。

specie という語も辞書には載っていますが、こちらは coins, especially those made of valuable metals(とくに貴金属でつくられた硬貨)という意味の別の語です。species の単数形ではありません。

species は、IELTSリーディングの生態系や保全をテーマにした文章や、ライティング・タスク2の環境に関するタスクで繰り返し出てきます。形は変わらないので、1種類について述べているのか複数の種について述べているのかは、うしろの動詞と、a や many などの語で示します。

○

This species is found only in Australia.1種類について述べているので動詞は単数

○

Many species are disappearing because of habitat loss.複数の種について述べているので動詞は複数

✗

Many specieses are disappearing because of habitat loss.複数形でも species のまま

同じように単数形と複数形が同じ形の語に、means(手段)、series(一続き)、aircraft(航空機)があります。a means of transport、two means of transport のように、a が付いていても複数形のように見えるので、動詞の形で迷いやすい語です。

リーディング テーマ別語彙シリーズ:動物の生態と保全の文章に出た191語と、一緒に出てきやすい語【第1回】

2-4 一般論を書くときに単数形を選ぶか複数形を選ぶか

ライティング・タスク2では、「〜というものは」と一般論を述べる場面がたくさんあります。英語には、無冠詞の複数形、a を付けた単数形、the を付けた単数形という3つの言い方があり、どれも一般論を表せます。

形例どう響くか
複数形(無冠詞)Computers are useful in the classroom.一般論としてもっとも使いやすい形
a + 単数形A computer is useful in the classroom.どの1台を取っても、という言い方
the + 単数形The computer has changed the way people work.その種類全体を1つのものとして扱う、やや硬い言い方

回答では、無冠詞の複数形がいちばん使いやすい形です。the elderly、the poor、the young のように the と形容詞を組み合わせて人の集団を指す形は、複数として扱います。

○

The elderly are often excluded from online services.高齢者は、オンラインのサービスから取り残されがちである

✗

The elderly is often excluded from online services.集団を指すので動詞は複数

同じ名詞でも、単数形と複数形のどちらが自然かはタスクごとに違います。次の2本で、実際のタスクに出てくる形を使って詳しく扱っています。

ライティング・タスク2 Cars on the road? Cars on the roads? 単数と複数、自然なのはどっち? ライティング・タスク2 development は数えられる?抽象名詞の可算・不可算の揺れ

03単数形と複数形で意味が変わる語

複数形にすると別の意味になる語があります。content と contents もその1つですが、同じことが custom、manner、good、arm などでも起きています。この種類の誤りは、数え方を間違えただけでは済まず、書いた内容そのものが変わります。

単数形複数形使い方の例
content 中身、主題contents 中に入っているもの、目次the content of the film/the table of contents
custom 慣習customs 税関(慣習の複数でもある)a local custom/go through customs
manner 方法、やり方manners 礼儀作法in a similar manner/good table manners
good 善、ためになることgoods 商品for the common good/imported goods
arm 腕arms 武器break an arm/the arms trade
pain 痛みpains 骨折り、労力back pain/take pains to explain
saving 節約できる分savings 貯金a saving of 20 per cent/spend their savings
term 用語、期間terms 条件、間柄a technical term/in terms of cost
work 仕事works 作品、工場look for work/the works of Shakespeare
time 時間times 時代、〜倍have enough time/in medieval times
force 力forces 軍the force of the wind/the armed forces
authority 権威authorities 当局speak with authority/the local authorities

回答で影響が出やすいのは、goods、terms、arms のように、複数形のほうが日常的に使われる語です。とくに in terms of は決まった言い方なので、term と単数形で書くとそこだけ形が崩れます。

○

In terms of cost, public transport is the better option.費用の面では、公共交通のほうがよい選択肢である

✗

In term of cost, public transport is the better option.in terms of の形で覚える

○

Governments often raise taxes on imported goods.政府は輸入品に課税することが多い

✗

Governments often raise taxes on imported good.商品を指すなら goods

意味そのものは変わらないものの、単数形と複数形で表す範囲が変わる語もあります。make an effort と make efforts、ability と abilities は、どちらの形も正しい英語で、1回の行いを指すのか、積み重ねを指すのかが、選んだ形によって伝わります。それぞれの使い分けは、続く2本の記事で解説しています。

ライティング・タスク2 make an effort か make efforts か:単数形と複数形のどちらを選ぶか ライティング・タスク2 ability と abilities の違い:可算名詞と不可算名詞の使い分け

04名詞の数が、うしろの動詞と前の修飾語をどう変えるか

名詞の形を決めたあとに、もう一段の判断が残ります。うしろの動詞と、前に付ける修飾語の形まで変わるためです。名詞だけを正しく書いても、動詞の形が合っていなければ誤りとして残ります。

4-1 主語と動詞の呼応

主語の中心になっている名詞がどれなのかで、動詞の形が決まります。名詞が2つ以上並ぶ形は、とくに判断が難しくなります。

主語の形動詞例
The number of + 複数名詞単数The number of students studying abroad is increasing.
A number of + 複数名詞複数A number of students have complained about the new rules.
One of the + 複数名詞単数One of the most serious problems is air pollution.
Each/Every + 単数名詞単数Each student has a different background.
There is/There are続く名詞に合わせるThere are several reasons for this trend.

The number of と A number of は、形がよく似ているのに動詞が逆になります。The number of は「数そのもの」が主語なので単数、A number of は「いくつかの」という意味で複数名詞にかかるので複数です。

one of のうしろは複数形です。one of the most important factors は「もっとも重要な要因のうちの1つ」という意味で、複数ある中から1つを取り出す言い方なので、factor と単数形にすると意味が通らなくなります。動詞のほうは、取り出した1つに合わせて単数です。

○

One of the main causes of obesity is a lack of exercise.名詞は複数形、動詞は単数

✗

One of the main cause of obesity is a lack of exercise.one of のうしろは複数形

集合名詞をどちらで受けるかは、地域や文脈によって揺れます。staff、data、media のいずれにも、単数と複数のどちらの動詞でも受けられるという注記が Cambridge Dictionary に付いています。data については The data was/were collected by various researchers. という例文が載っているので、どちらかが誤りというわけではありません。イギリスやオーストラリアでは、family、government、team を複数で受ける形もよく使われます。1本の回答の中ではどちらかにそろえておくと、読み手が迷いません。

4-2 名詞を修飾語に使うときは単数形に戻す

名詞を別の名詞の前に付けて修飾語として使うときは、単数形にするのが基本です。five years old の years は、a five-year-old boy になると year に戻ります。

そのままの形修飾語にした形
The boy is five years old.a five-year-old boy
The lesson lasts two hours.a two-hour lesson
The walk takes twenty minutes.a twenty-minute walk
The trip lasted three days.a three-day trip
It costs ten dollars.a ten-dollar note

同じことは、名詞を2つ並べる形でも起きます。car park、shoe shop、book review のように、前に付いた名詞は単数形にします。

ただし、もともと複数形で使う語はそのままです。sports centre、savings account、clothes shop、careers adviser のように、-s が付いたまま修飾語になる語もあるので、すべてを単数形に直すと今度はこちらが崩れます。

○

Many companies now offer a four-day working week.修飾語になった day は単数形

✗

Many companies now offer a four-days working week.four days のままにしない

名詞の数の誤りは、IELTS公式の Writing Task 2 Band Descriptors では Grammatical Range and Accuracy の観点に関わります。Band 7 には A few errors in grammar may persist, but these do not impede communication.(文法の誤りが多少残ることもあるが、伝達を妨げることはない)という記述があるので、誤りが1つ残ったことがそのまま評価を決めるとは限りません。ただ、名詞は1本の回答に何十回も出てくるので、同じ種類の誤りが重なりやすい場所でもあります。

ライティング・タスク2 ライティング・タスク2 採点基準表(Band Descriptors):2023年5月改訂で何が変わったのか

05よくある質問

本の内容は content と contents のどちらで書けばよいですか

中身をまとまりとして指すなら content です。contents と複数形にすると、中に入っているもの全体か、本の目次を指します。報告書のように項目が並んでいる文書については contents も使われるので、一つひとつに分けて数えられるものを指しているかどうかで選びます。

情報が3つあると書きたいときは、どう数えればよいですか

three pieces of information の形で数えます。information は通常は不可算名詞として使うので、three informations とは書きません。advice、equipment、evidence も同じように a piece of、two items of で数えます。

data は is と are のどちらで受けますか

どちらも使われます。Cambridge Dictionary は data に、単数と複数のどちらの動詞でも受けられるという注記を付け、The data was/were collected by various researchers. という例文を載せています。1本の回答の中ではどちらかにそろえておくと、読み手が迷いません。

species の複数形はどう書きますか

species のままです。1種類でも a species、100種類でも a hundred species で、speciess のような形にはなりません。specie という語は硬貨を表す別の語なので、species の単数形として使うことはできません。

複数の職員について書くときは staffs にしますか

staff のままです。Cambridge Dictionary には There are over a hundred staff in the company. という例文が載っています。1人を指すなら a member of staff、複数なら two members of staff の形を使います。

一般論は Computers are useful. と A computer is useful. のどちらで書けばよいですか

どちらも正しい英語ですが、回答では無冠詞の複数形が使いやすい形です。a を付けた単数形は、どの1台を取っても、という言い方になります。the を付けた単数形は、その種類全体を1つのものとして扱う、やや硬い言い方です。

a five-year-old boy はなぜ five-years-old ではないのですか

名詞を別の名詞の前に付けて修飾語として使うときは、単数形に戻すためです。The boy is five years old. では years のままですが、a five-year-old boy では year になります。a two-hour lesson、a three-day trip も同じ形です。

単数形と複数形の誤りは、採点にどう関わりますか

IELTS公式の Writing Task 2 Band Descriptors では、Grammatical Range and Accuracy の観点に関わります。Band 7 には A few errors in grammar may persist, but these do not impede communication. という記述があるので、誤りが1つ残ったことがそのまま評価を決めるわけではありません。

06まとめ

  • content は中身をまとまりとして指す不可算名詞。contents は中に入っているもの全体か、本の目次
  • information、advice、equipment、furniture は通常は不可算名詞。数えるときは a piece of を使う
  • staff は staff のまま数える。1人を指すなら a member of staff
  • data、media、criteria、phenomena はもともと複数形。単数形は datum、medium、criterion、phenomenon
  • species は単数形も複数形も species。specie は硬貨を表す別の語
  • goods、terms、arms のように、複数形にすると意味が変わる語がある
  • The number of は単数、A number of は複数で受ける。one of のうしろは複数形
  • 名詞を修飾語として前に付けるときは単数形に戻す(a five-year-old boy)

日本語につられて -s を足してしまう誤りもあれば、species や goods のように英語の側の慣用で形が決まっているものもあります。書いている最中に1語ずつ判断するのは難しいので、書き終えたあとに名詞だけを目で追って、数が決まっているかを確かめてみましょう。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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