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スピーキング

Part 2・Part 3出題トピック集:スピーキングで何が聞かれてきたか【総論】

執筆:高橋 響 公開日: 最終更新:

IELTSスピーキングのPart 2は、渡されたカード1枚に沿って2分近く話す部分です。何が出るかは当日まで分かりませんが、これまでに出題が報告されてきたカードを集めて並べると、選ばせる対象はいくつかの型に分かれます。人を選ばせるもの、場所を選ばせるもの、出来事を語らせるものといった分かれ方です。

報告されているカードを1問ずつ覚えようとすると、そこで手が止まります。カテゴリーごとに題材を決めて材料を集めておけば、初めて見るカードでもその場で組み立てられます。時間が限られているときにどのカテゴリーから手を付けるかも、ここで決められます。

01出題は8つのカテゴリーに分かれる

Part 2のキューカードは Describe ... で始まり、何を選ぶかを1行目で指定します。この1行目だけを集めて並べると、話題は人、場所、出来事、もの、メディア、抽象的なこと、仕事や学習、活動や趣味の8つに分かれます。

1問ずつ見ていくと手の付けようがないように思えますが、カテゴリーに分けたあとで見ると、同じカテゴリーのカードには共通して使える材料が多くなります。カードごとの条件は1問ずつ読む必要がありますが、話す材料は持ち回せます。

カテゴリーカードが選ばせるもの担当する回
人物知っている人を1人第1回
場所行ったことのある場所、住みたい場所第2回
出来事・経験自分が経験した出来事第3回
もの持っているもの、身の回りのもの第4回
メディア・テクノロジー本、番組、アプリ、使っている機器第5回
抽象・社会決めたこと、変わったこと、社会のこと第6回
仕事・学習仕事、勉強、学んだこと第7回
活動・趣味続けていること、体を動かすこと第8回

表は報告の多い順に並べてあります。人物と場所が飛び抜けて多く、活動や趣味はいちばん少なくなります。準備の時間が限られているなら、この順番のまま手を付けると無駄が出ません。

02Part 2とPart 3はどうつながっているのか

Part 2とPart 3は続けて行われます。カードを渡されて1分の準備、2分近く話し、そのあと4分から5分の質疑に移ります。この質疑がPart 3で、Part 2で扱ったテーマを引き継ぎます。

Part 2Part 3
話す形1人で話し続ける試験官との質疑
時間準備1分、発話2分ほど4分から5分
話す中身自分の体験や身近な人一般的な話、社会の話
答えの長さ指定された材料をすべて出す1問あたり3文から5文が目安

つながり方にはよく見る形があります。Part 2で個人の話をさせたあと、Part 3ではその話題を一段引き上げて、2つを比べさせたり、昔と今の違いを説明させたり、社会や制度の側から意見を聞いたりします。家族の話をしたあとに世代の話、街の話をしたあとに都市と地方の話、失敗の話をしたあとに学校や職場での扱い方の話、という具合です。

この引き上げ方が分かっていると、Part 3の質問を初めて見ても入り口で止まりません。聞かれているのは自分の体験の続きではなく、その体験が属している集団や仕組みについての考えだからです。各回では、カテゴリーごとにどの方向へ引き上げられるかを4つほどにまとめて、報告されている質問を並べています。

もう1つ、Part 3では答えの長さが変わります。Part 2のように話し続ける必要はなく、1問あたり3文から5文ほどが目安になります。決まった長さがあるわけではありませんが、質問に正面から答えてから理由と例を足す形にしておくと、話が散らかりません。

03カテゴリー別の一覧

公開している回は次のとおりです。どの回も、報告が増えたときにキューカードとPart 3の質問を足していく形にしてあります。

第1回 人物

家族、友人、仕事で出会う人、社会に知られている人の4つに分けています。人物のカードは相手を絞る条件が少ないぶん、選んだ理由の作り方で差が出ます。

スピーキング Part 2・Part 3出題トピック集:人物のキューカードで何が問われてきたか【第1回】

第2回 場所

住まい、街と公共の場所、自然、印象に残った場所の4つに分けています。課題文に絞り込みの語が重なるので、場所を思い出す前にそこを読む話から始めます。

スピーキング Part 2・Part 3出題トピック集:場所のキューカードで何が問われてきたか【第2回】

第3回 出来事・経験

祝いごと、旅と移動、うまくいかなかった経験、人とのやり取りの4つに分けています。あらすじで2分を使い切らないための時間の割り振りを扱っています。

スピーキング Part 2・Part 3出題トピック集:出来事のキューカードで何が問われてきたか【第3回】

第4回 もの

身につけるもの、道具と機械、買いものと贈りもの、手元に残るものの4つに分けています。見た目の描写を短く切り上げ、そのものが生活のどこに入っているかへ移る配分を扱っています。

スピーキング Part 2・Part 3出題トピック集:ものを説明するキューカードで何が問われてきたか【第4回】

第5回 メディア・テクノロジー

映像作品、読みもの、音楽、ネットとアプリの4つに分けています。内容の説明を短く切り上げ、試験官が知らない作品をどう紹介するかを扱っています。

スピーキング Part 2・Part 3出題トピック集:映画、本、音楽、アプリのキューカードで何が問われてきたか【第5回】

第6回 抽象・社会

目標と達成、学びと変化、健康とお金の習慣、判断と気持ちの4つに分けています。描写する対象がないトピックを、その考えが生まれた場面から話し始める組み立て方を扱っています。

スピーキング Part 2・Part 3出題トピック集:目標や習慣を語るキューカードで何が問われてきたか【第6回】

残りは仕事・学習(第7回)、活動・趣味(第8回)の2本です。順に出していきます。

04どのカテゴリーから準備するか

8つを均等にやる必要はありません。試験までに使える時間で順番が変わります。

試験までの時間手を付ける範囲理由
1週間人物と場所の2つ報告数が多く、限られた時間で優先しやすい
1か月上の2つに出来事を足す報告がとくに多い3つがそろう
3か月8つすべて取りこぼしを無くす。1週間に1カテゴリーで足りる

1週間しかない場合でも、人物と場所を捨てて全体を薄くなぞるより、この2つを厚くしたほうが本番で使えます。報告が集中している2つなので、当たったときの効果が違います。

出題されていないカテゴリーが出たときは

準備していないカテゴリーのカードが出ることは当然あります。そこで支えになるのは、カテゴリーごとの知識ではなく、カードの読み方のほうです。1行目で何を選ぶかの条件を確かめ、箇条書きで出す材料を確かめ、最後の1行で何を求められているかを確かめる。この読み取りの手順はどのカテゴリーでも同じなので、準備した2つで身につけておけば、初めて見るカードでも同じ順に読めます。題材はその場で選ぶことになりますが、条件から外れる事故は防げます。

05どのカテゴリーにも共通する準備の形

各回はカテゴリーごとの話をしていますが、準備のやり方は共通しています。カード1問につき1本の答えを用意するのではなく、カテゴリーを4つほどのグループに割って、グループごとに1つの題材を決める形です。

  • カテゴリーを4つのグループに割る(人物なら家族、友人、仕事、社会に知られている人)
  • グループごとに題材を1つ決める(人物なら人を1人、場所なら場所を1か所)
  • その題材について、材料を4種類ほど集める(事実、具体的な場面、感じ方、理由)
  • カードに合わせて変えるのは、冒頭の1文と最後の理由だけにする

この形にすると、各回に載せているキューカードには、そのカテゴリーの4本で取り組めます。8カテゴリー全部でも32本です。カード1問ずつに答えを用意することを考えれば、現実的な量に収まります。

暗記した1本をそのまま流さない

準備した題材をそのまま話すと、カードが指定した条件に触れないまま2分が過ぎます。試験官はカードを見ながら聞いているので、条件に一度も触れていないことは伝わります。最初の1文で条件の語を自分の口から言ってしまうと、そのあとが条件に沿った話になります。

Part 3についても同じで、質問ごとに答えを覚える必要はありません。各回で並べている質問を見ると、比べさせる型、変化を説明させる型、行政や制度に何をさせるかを聞く型といった数種類に収まります。型ごとに答え方を1つ持っておくほうが、覚える量が減ります。

スピーキング トピック別表現シリーズ:スピーキングの表現を基本・中級・上級の3段階で学ぼう【総論】

このシリーズが扱うのは「何を聞かれるか」で、上のトピック別表現シリーズが扱うのは「そのテーマで何と言うか」です。出題を先に見てから表現を集めるほうが、覚える範囲が絞れます。

06よくある質問

Part 2のキューカードは公開されているのですか。

公式には公開されていません。ここに並べているのは、受験した人が試験後に報告した内容です。同じ文面がそのまま出るとは限らず、条件が入れ替わった形で出ることもあります。

報告されているカードを全部覚えれば対策になりますか。

なりません。報告されているカードを全部覚えても、条件が少し変わった形で出れば使えなくなります。カテゴリーごとに題材を決めて材料を集めておくほうが、初めて見るカードにも対応できます。

古いキューカードを練習しても意味がありますか。

話す練習の材料としては十分に使えます。条件の言い方が変わっても、聞かれている材料が、何について話すか、どんな場面か、どう関わっているか、なぜそれを選んだかの4つである点は変わっていません。各回では、近年も報告が続いているものを中心に選んでいます。

Part 2で2分より短く終わってしまいます。

最後の explain の行を伸ばすと届きます。3つの箇条書きは短く答えると30秒ほどで終わってしまいます。理由の部分を4文以上にしておくと、自然に2分に届きます。

Part 3で意見が思いつかないときはどうすればよいですか。

一般論から始めようとすると止まります。自分の周りで見たことを1つ出してから広げるほうが、話が具体的になります。Part 2で話した題材をそのまま例として持ち出せます。

Part 3の質問が聞き取れなかった場合は。

聞き返して構いません。聞き取れないまま推測で答えると、質問からずれた答えになります。ただし何度も繰り返すと、そのぶん話す時間が減ります。

カテゴリーが8つもあると準備が終わりません。

8つを均等にやる必要はありません。人物と場所の2つで全体の半分近くを占めるので、時間が無いときはここを厚くするほうが本番で使えます。

このシリーズはどのくらいの頻度で更新されますか。

各回のキューカードとPart 3の質問は、報告が増えたときに足していきます。残りのカテゴリーも順に公開していきます。

07まとめ

Part 2は何が出るか分からない部分ですが、出題そのものは8つのカテゴリーに分かれています。範囲が無いのではなく、範囲が見えにくいだけです。カテゴリーごとに題材を決めて材料を集めておけば、初めて見るカードでもその場で組み立てられます。

  • Part 2のキューカードは、選ばせる対象で8つに分かれる
  • 人物と場所の2つで全体の半分近くを占める
  • Part 3は同じテーマを社会や制度の側へ引き上げて聞く
  • Part 3の答えは1問あたり3文から5文で足りる
  • 1カテゴリーにつき4本の題材を用意すれば、そのカテゴリーのカードに対応できる
  • カードに合わせて変えるのは、冒頭の1文と最後の理由だけ
  • 時間が無いときは、人物と場所を厚くする

各回へは03の一覧から進めます。残りのカテゴリーも順に足していきます。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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