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ライティング・タスク2

ラスト1か月でライティング7.0を目指す:2週目に確かめるトピックセンテンスとメインアイデア【第2回】

執筆:高橋 響 公開日: 最終更新:

試験まであと3週間。1週目にBand 7の採点基準を確認し、タスクの読み違いを減らす練習を始めたら、2週目はボディの段落に目を向けます。

ボディの段落を書くとき、トピックセンテンスで主張を示していても、メインアイデアが曖昧だったり、サポートが主張を十分に支えていなかったりすることがあります。「安心」「便利」といった言葉を挙げるだけで終わらず、何がどう安心なのか、なぜ便利なのかまで説明できているでしょうか。

今週は、Band 7の採点基準でボディの段落に何が求められているのかを確認し、トピックセンテンスとメインアイデア、サポートのつながりを見直します。まずはトピックセンテンスを先に書く練習から始め、自分の主張を明確に伝えられているかを確かめていきましょう。

01Band 7の記述では、ボディの段落に何が求められているのか

Band 7の記述でボディの段落に求められているのは、メインアイデアが展開され、裏づけられていることと、段落の中のアイデアが論理的な順に並んでいることです。Task Response と Coherence and Cohesion の現行版には、次のように書かれています。

Task Response・Band 7

Main ideas are extended and supported but there may be a tendency to over-generalise or there may be a lack of focus and precision in supporting ideas/material.

Coherence and Cohesion・Band 7

Paragraphing is generally used effectively to support overall coherence, and the sequencing of ideas within a paragraph is generally logical.

Task Response のBand 6には、メインアイデアはタスクに関連しているものの、展開が足りなかったり、はっきりしなかったりすることがある、という記述があります。何を主張しているのかがはっきりしない段落は、この記述に近づきます。

この2つの記述を自分の回答に当てはめて確かめるなら、次のような問いになります。

記述自分の回答で確かめること
Main ideas are extended and supported段落の1文目を読むだけで、その段落の主張が分かるか。主張のあとに、なぜそう言えるのかの説明が続いているか
focus and precision in supporting ideasサポートの文がすべて、同じ主張を支えているか。途中で別の話に移っていないか
the sequencing of ideas within a paragraph主張、説明、具体例の順に、前の文を受けて次の文が続いているか

独学なら、書いた回答のボディを1段落ずつこの問いで読み直し、答えに詰まった箇所を書き出しておきます。レッスンや添削を受けている場合は、どの段落のどの文で主張がぼやけているのかを講師に確認しておくと、次の回答で直す場所が決まります。トピックセンテンスの詳しい書き方は、次の記事で説明しています。

ライティング・タスク2 【6.0以上では必須】トピックセンテンスはなぜ重要なのか?:採点の50%を占める内容面との関係

02トピックセンテンスには何を書くのか

トピックセンテンスには、その段落で何について議論するのか(トピック)と、それについての自分の主張(メインアイデア)の2つを書きます。この2つがそろっていない1文目は、段落の主張を読み手に伝えられません。次のタスクで、賛成の立場からボディ1の1文目を書いたとします。

Shops should give preference to selling local food rather than imported food. Do you agree or disagree?

△

Food is an essential part of daily life, and most people buy it from shops several times a week.背景の説明で、地元の食品を優先すべきかどうかにまだ触れていない

△

There are several reasons why shops should sell more local food.トピックはあるが、理由が何なのかが書かれていない

○

Shops should favour local produce because it travels a much shorter distance to reach customers.地元の食品を優先すべき(トピック)、輸送の距離が短い(メインアイデア)の両方がそろっている

1つ目の文は、エッセイの導入としてなら自然です。ボディの1文目に書くと、読み手は2文目、3文目まで読まないと、この段落が何を主張するのかが分かりません。2つ目の文には理由が書かれておらず、読み手は次の文まで読まないと理由が分かりません。

トピックとメインアイデアのつなぎ方は、問題タイプで変わります。賛成・反対のように立場を問うタスクでは、メインアイデアがトピックの理由になるので because でつなぐ形が使えます。利点や原因を挙げるタスクでは、One advantage of this is that ... のように be動詞でつなぐ形が使えます。

03メインアイデアを1つの主張として言えるか

メインアイデアは、主語・動詞・目的語のひとまとまりで終わる1つの主張にしておくと、段落の中で何を支えればよいかが決まります。1文目に理由や説明を足していくと、主張が2つ以上に増えるか、サポートで書くはずの内容を1文目で使い切ってしまいがちです。

△

Shops should favour local produce because it travels a much shorter distance, which means that it is fresher and causes less pollution, and it also supports farmers in the region.鮮度、環境、地元の農家という3つの話が1文に入っている。どれを掘り下げる段落なのかが決まらない

○

Shops should favour local produce because it travels a much shorter distance to reach customers.主張は1つ。鮮度や環境の話は、なぜ距離が短いとよいのかの説明として2文目以降で書ける

△の文も、英文としては成立しています。ただ、この1文を書いた時点で、鮮度も環境も農家も出てしまい、2文目以降は言い換えになりがちです。地元の農家を支えるという話は、ボディ2のメインアイデアにまわすことができます。

1文目が長くなっていると感じたら、because、and、which、since のうしろに、別の主張や理由の理由が入っていないかを見てみましょう。切り出した部分は、捨てずにサポートの材料として使えます。手順は次の2つの記事で、実際のタスクを使って説明しています。

ライティング・タスク2 トピックセンテンスのメインアイデアは簡潔に:主張はSVOのひとまとまりで書く ライティング・タスク2 サポートに書くことがない!?第1文への詰め込みすぎかも:トピックセンテンスを単文にする方法

ボディ1とボディ2のトピックセンテンスを並べて読むのも、この週に続けたい確認です。2つの主張が同じことの言い換えになっていると、回答全体で展開できているアイデアは実質1つだけです。

04メインアイデアが「安心」「便利」で止まっていないか

メインアイデアを1文で言えたつもりでも、その1文が「安心だから」「便利だから」のような評価の言葉で終わっていると、何を支えればよいのかはまだ決まっていません。評価の言葉は、いくつもの事実をまとめた感想だからです。

△

Shops should favour local produce because it is safer.何に対して、なぜ安全なのかが書かれていない。サポートで「安全」を言い換えるだけになりやすい

○

Shops should favour local produce because customers can easily find out where and how it was grown.「安全」の中身の1つを主張にしている。産地や育て方が分かると、なぜ安心につながるのかをサポートで説明できる

日本語でメインアイデアを考えたときに「安心」「便利」「楽」「安い」で止まっていたら、それは何を基準にした評価なのか、誰にとってそうなのかを自分に問い直してみましょう。答えとして出てきた具体的な事実のほうが、メインアイデアとして使えます。

思いついた答えにすぐ飛びつかず、筋道を確かめてから書き始める考え方は、次の2つの記事が参考になります。

ライティング・タスク2 「楽・便利・安い」で止めない:IELTSライティングのアイデアを論理的に検証する方法 ライティング・タスク2 エッセイのアイデアが浅くなるのはなぜか:思いついた答えに飛びつかない4段階の思考

05サポートは、メインアイデアを最後まで支えているか

サポートの役割は、メインアイデアがなぜ成り立つのかを説明し、必要なら具体例で裏づけることです。1文目がよく書けていても、2文目以降でその主張から離れると、Band 7の記述にある lack of focus and precision に近づきます。よく見られるのは、次の2つの形です。

5-1 2文目でいきなり具体例に進み、主張を言い換えるだけになる

△

For example, many vegetables in my local supermarket come from farms near my town.輸送の距離が短いという1文目の内容を、例で言い直しているだけで、新しい情報が増えていない

○

Food that is shipped from abroad often has to be picked before it is ripe and kept in cold storage for days, whereas local produce can be sold within a day or two of harvest.距離が短いと何が違うのかを説明している。具体例を続けるなら、この説明のあとに置くと裏づけになる

具体例は必須ではありません。入れるなら、直前の文にはなかった情報を読み手に渡せているかを確かめます。メインアイデアと具体例のあいだに入る2文目が思いつかないときは、メインアイデアの中の語を自分なりに定義してみると、説明の1文が見つかります。

ライティング・タスク2 第2文のサポートセンテンスに何を書くか:自分なりに定義してサポートアイデアを考える ライティング・タスク2 具体例は入れるべきか:議論を深める例と、ただの繰り返しになる例の違い

5-2 1文ずつはつながっているのに、段落の最後で別の話になる

△

As a result, local farms earn more money, and the town can spend more on schools and public services.輸送の距離の話から、町の財政の話に移っている。1文ずつは筋が通っていても、段落の主張には戻ってこない

○

As a result, customers are more likely to receive fruit and vegetables at their best, with less of the produce spoiling before it is eaten.距離が短いことの結果として、鮮度と廃棄の話で段落を終えている

このずれは、書いた段落の1文目と最後の文だけを続けて読むと見つけやすくなります。最初と最後が同じ主張の話になっていれば、大きく離れてはいません。途中のどの文から離れたのかまで確かめたいときは、サポートの各文が主張のどこを支えているのかを1行ずつ言えるかを見ていきます。

ライティング・タスク2 議論のフォーカスとは?サポートがぼやける原因とプランニングでの防ぎ方

06トピックセンテンスを先に書く練習

エッセイを1本書く前に、ボディ1とボディ2のトピックセンテンスを英文で2文だけ書き、並べて確かめる練習を増やします。2文だけなら1問10分ほどで終わるので、同じ時間で回答を1本書くより多くのタスクで主張の立て方を試せます。

ステップすること確かめること
1 何に答えるかを決める1週目と同じように、タスクを読んで何に答えるのかを日本語1文で書く限定語と設問の数が入っているか
2 メインアイデアを日本語で決めるボディごとに、主張を日本語1文で書く評価の言葉で止まっていないか。2つの主張が言い換えになっていないか
3 トピックセンテンスを英文にするトピックとメインアイデアを1文にまとめる主張が1つか。because や which のうしろに別の主張が入っていないか
4 サポートの順番をメモする説明、具体例の順に、2文目以降で書くことを日本語で並べるどのメモも、トピックセンテンスの主張を支えているか

練習の組み方の一例として、平日はこの4つのステップだけを1日2問ほど行い、週に2本か3本はそのまま40分で回答を書き上げる、という配分があります。回答を書いた日は、書く前に作ったトピックセンテンスと、実際に回答に書いたトピックセンテンスを見比べてみましょう。書いているうちに主張が変わっていたら、プランニングで決めきれていなかったところです。

プランニングにどれだけ時間をかけるかは、ライティングの速さによって人それぞれです。自分に合う配分を見つける段取りは、次の記事にまとめています。

ライティング・タスク2 プランニングが上達するまでの練習ロードマップ:時間配分を4段階で見つける

1週目から続けている、文法や語彙の誤りの記録は、この週も付けておきます。1文目を短くすると、1文の中で主語と動詞が離れにくくなるので、記録の数にも変化が出るかもしれません。

07この週の終わりに確かめること

週の終わりに、次の項目を確かめてみましょう。すべてにチェックが付かなくても次の週に進み、残った項目は並行して続けます。

  • 各ボディのメインアイデアを、書き始める前に日本語1文で言える
  • ボディの1文目に、トピックとメインアイデアの両方が入っている
  • トピックセンテンスに入っている主張が1つだけになっている
  • メインアイデアが「安心」「便利」のような評価の言葉で止まっていない
  • ボディ1とボディ2のメインアイデアが、同じことの言い換えになっていない
  • 段落の1文目と最後の文を続けて読んだとき、同じ主張の話になっている
  • 誤りの記録を続けている

08よくある質問

トピックセンテンスは、必ず段落の1文目に書かないといけませんか。

IELTSに書く位置の決まりはありませんが、段落の1文目に書くと、読み手は最初に主張をつかむことができます。背景の説明から段落を始めると、読み手はその段落の主張を探しながら読むことになります。

トピックセンテンスには何を書けばよいですか。

その段落で何について議論するのか(トピック)と、それについての自分の主張(メインアイデア)の2つです。There are several reasons why ... のように理由があることだけを述べた文は、メインアイデアが入っていません。

トピックセンテンスが長くなってしまいます。どこを削ればよいですか。

because、and、which、since のうしろに、別の主張や、理由の理由が入っていないかを見ます。メインアイデアを主語・動詞・目的語のひとまとまりで終わらせ、切り出した部分はサポートの材料として2文目以降で使います。

メインアイデアが「便利だから」「安心だから」になってしまいます。

評価の言葉は、いくつもの事実をまとめた感想なので、そのままでは何を支えればよいかが決まりません。何を基準にした評価なのか、誰にとってそうなのかを自分に問い直し、答えとして出てきた具体的な事実をメインアイデアにすると、サポートで説明できるようになります。

ボディの2文目には何を書けばよいですか。

メインアイデアがなぜ成り立つのかの説明を書きます。いきなり For example で具体例に進むと、1文目の主張を例で言い直すだけで終わりがちです。説明が思いつかないときは、メインアイデアの中の語を自分なりに定義してみると、説明の1文が出てきやすくなります。

具体例は必ず入れるべきですか。

必須ではありません。具体例を入れるなら、直前の文にはなかった情報を読み手に渡せているかを確かめます。主張の言い換えにしかなっていない具体例なら、入れずに説明を深めたほうが、段落の焦点はぶれません。

時間がないのに、エッセイを書かずにトピックセンテンスだけ練習してもよいですか。

構いません。トピックセンテンスを2文だけ書く練習は1問10分ほどで終わるので、回答を1本書くより多くのタスクで主張の立て方を試せます。週に何本かは40分で回答を書き上げ、事前に作ったトピックセンテンスと実際に書いたものを見比べておくと、書いている途中で主張が変わっていないかも確かめられます。

09まとめ

ボディの段落で何を主張しているのかは、1文目で決まります。トピックとメインアイデアをそろえ、主張を1つに絞り、評価の言葉で止めずに具体的な事実まで言葉にしておくと、2文目以降で何を説明すればよいかが見えてきます。

週この週に確かめること週の終わりの目安
1週目Band 7の採点基準で求められていること、タスクの読み違いタスクを大きく読み違える回数が、週の前半より減っている
2週目(この記事)トピックセンテンスとメインアイデア各ボディのメインアイデアを、書き始める前に1文で言える
3週目定型文への頼り方、「〜しなければならない」という思い込み決まった書き出しや型に頼らずに、タスクに合わせて書き始められる
4週目文法・スペリング・単数と複数・冠詞の誤り、本番前の数日の過ごし方1本の回答の誤りを5個以下に抑える

次の第3回では、定型文への頼り方と、「〜しなければならない」「〜してはいけない」という思い込みを見直します。段落の1文目を自分の言葉で書けるようになっていれば、決まった型を外して書き始める準備はできています。

シリーズのほかの回は、次の3本です。

ライティング・タスク2 ラスト1か月でライティング7.0を目指す:1週目に確かめるBand 7の採点基準とタスクの読み違い【第1回】 ライティング・タスク2 ラスト1か月でライティング7.0を目指す:3週目に見直す定型文と「〜しなければならない」という思い込み【第3回】 ライティング・タスク2 ラスト1か月でライティング7.0を目指す:4週目に表現のミスを5個以下へ減らす見直しと本番前の数日【第4回】
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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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